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私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

古い木の本棚との再会

2014年12月10日 | 時空を超えて来たものたち


古い古い本棚

就職が決まり、赴任先の住宅に荷物を送ろうとしていた時、突然、父が「これも持って行きなさい」と
この本棚を渡してくれた。骨董好きの父が、就職祝いのつもりで買って来てくれたのだろうか、、
自分が使うつもりで買ったのか、初めから私のために買ったのか、聞かなかったが
古くて味わいのあるところが気に入って、有難く他の荷物と一緒に送った。




そして、二年間の赴任中、私の部屋の主のようになっていた。
すっかり自分の生活に溶け込んだ頃、結婚することになり、
また荷物の整理をしていると父がやって来て「これは置いていきなさい」と言った。
「あれえ、これはくれたんじゃなかったの?」と聞くと「嫁に行く時には古いものは
持って行くもんじゃない」との答えに、そんなものかと思って言われるままに置いて行った。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
それから数十年、毎日の忙しさに明け暮れ、その本棚のことはすっかりと忘れていた。
それが先日、母の納骨で実家に帰った時、骨董好きの姪っ子と骨董の話をしていてふっと思い出した。

「そう言えばね、独身の頃におじいちゃんがくれた古い本棚気に入って使ってたんだけど、結婚する時に
返せって言うから返したんよ、その後どうなったかわかんないんだけど、、」「これくらいの高さで、、」と
姪っ子に説明していると「それなら二階にあるぞ、このくらいの高さのだろ?」と傍にいた兄が言った。

「えーっ!あるの?」「二階の物置にあるよ」
そんなこんなで、その懐かしい本棚との再会を果たした。
その後、家に送ってもらい無事にまた私の部屋の一員となった。

すっかり忘れ去られていた本棚、またこうして出会えたのはよほど私の元に来たかったのだろう。
そうか、、そうか、、よかったね。心から嬉しい再会であった。

コメント (4)
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