江別創造舎

活動コンセプト
「個が生き、個が活かされる地域(マチ)づくり」
「地域が生き、地域が活かされる人(ヒト)づくり」

大麻(おおあさ)子ども文庫

2013年12月07日 | 歴史・文化

 昭和48年3月、大麻(おおあさ)子ども文庫が発足しました。

 キャッチフレーズは、大麻(おおあさ)団地の子どもたちに読書の機会を与えよう、でした。
同文庫は、かねて蔵書の一部を地域の小学校の学校文庫に貸し出したり、地域の子どもたちに蔵書を開放するなどの活動を展開していた大麻(おおあさ)高町在の小林金三、静江夫婦の転出に際し、浅田和子ら地域の母親たちが小林夫婦の意志を引き継ぐ形で生まれたものでした。

 当初は、小林夫婦から約800冊の蔵書を借り入れ、14人の母親たちが世話役となり、市大麻(おおあさ)出張所の一隅でのスタートとなりました。
『初日、200人の子どもたちが殺到しました。まさか、こんなに来てくれるとは予想もしていなくって、人手が足りず、ごった返して、てんてこまいでした。
なぜ、こんなに大にぎわいしたかというと、新しい団地で学校図書も未整理だし、近くの道立図書館は、市民が直接借りることのできないシステムだったからです。
それで、文庫をスタートさせたら、開けてびっくり、予想以上でした。』(浅田)

 また、浅田と共に同文庫の運営を担ってきた母親の一人、土屋幸子は次のように言います。
 40年代後半から50年代にかけ児童書ブームが起きた。松谷みよ子などによるオリジナルも出はじめ、児童文学が市民権を得た時代でもありました。
『だから文庫開設はタイムリーでした。そして、1番いい本、面白い本が集まるのが文庫でした。
うちの子も、文庫の本は片っ端に、全部詠みました。」と。

 その後、49年1月の大麻(おおあさ)公民館図書室の開設に伴い、同文庫は大麻(おおあさ)園町のファミリーセンターと、大麻(おおあさ)扇町の同センターに分離し、それぞれの地域で再出発することになりました。
世話役の母親たちは、廃品回収などで図書の購入費を捻出するほか、会報などで積極的にPR活動を行い、地域のミニ図書館、子ども図書館として定着しました。
また、同文庫の活動は、その後市内各地で開設されることになる同種文庫の先導的役割をも果たすことになったのです。
 同文庫は、こうした地道な活動を重ねた10年目の58年6月、北日本図書館連盟から事業功労者として表彰を受けることになりました。

註:江別市総務部「えべつ昭和史」558-559頁.
写真:大麻(おおあさ)子ども文庫
 同上書558頁掲載写真を複写し、当ブログ掲載いたしております。


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