江別創造舎

活動コンセプト
「個が生き、個が活かされる地域(マチ)づくり」
「地域が生き、地域が活かされる人(ヒト)づくり」

特認指定校野幌小学校

2015年12月08日 | 歴史・文化

 平成3年5月、札幌で発足したシュタイナー教育の会は、教科書を用いず、テストも行わず、8年間1人の担任が主要教科を教えるというシュタイナー学校を札幌かその近郊に設立すことを目標に運動しています。

 市内在住の同会員で、シュタイナー教育の創造性(小学館刊)の訳書を持つ佐々木正人は、『大切ななのは子どもににとって、すべてが体験から始まるということ。まず行動があり、感動が生まれる。それが理解に結びつく心の教育だ』と力説しています。

 大正8年にルドルフ・シュタイナー博士(哲学者)の提唱でドイツで始まった私立学校運動で、現在世界中に400校以上が開校しています。
この学校の眼目は、子どもたちにまず自然との出逢いを体験させ、下界の探求と同時に、内なる世界の探求である歴史学習を行うことから始まる。
つまり、子どもたちに自己と世界についての意識を深めさせ、拡大し、養い、刺激することを重視する、いわゆる知育偏重でない、全人的教育といってよいでしょう。

 平成4年4月、野幌小学校でスタートした特認校制度は、このシュタイナー教育と一脈通ずるところがあります。
子どもにのびのびとした教育を受けさせたいと願う保護者に一定の条件をつけ、通学区域外からの入学を特別認めるというものでした。
指定校となった野幌小学校は、野幌森林公園の前庭の位置にあたる自然豊かな環境の中にあります。
従来から愛林少年団のボランティア活動や宿泊学習原始林スクール、原始林マラソンやクロスカントリースキー、さらには郷土芸能の野幌太々神楽(江別市指定無形文化財)の学習、親子カルタ、もちつき等々、自然と親しみ、地域の人々とのふれあい交流も盛んでした。

 地元としても、校下の児童数の減少、そのため複式学級を余儀なくされていたこともあり、特認校スタートは、喜ばしいことでした。
ちなみに、初年度の特認入学児童は6人で、これを加えても全校児童は42人と依然小規模ながら全員が一つのクラスの同級生といった雰囲気の中で学習が積み重なっていきました。

 ゆとり教育を旗印に、文部省(現文科省)で打ち出した学校週5日制が実施に移されたのもこの年からのことです。
すなわち、月1回、第2土曜日を休業日にするもので、平成4年9月12日、市内の小・中学校でも一斉にスタートとなりました。


註:江別市総務部「えべつ昭和史」733-734頁.
写真:特認指定校野幌小学校の愛林活動の模様
 同上書734頁掲載写真を複写し、当ブログ掲載いたしております。


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