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コタツ評論

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ぶちょお、ごむりをなさらないで

2011-04-27 01:17:00 | 3・11大震災
フクシマ・トーデンで一躍有名になった武田邦彦さんのブログから。

外人は来ない保安院・東電の会見
http://takedanet.com/2011/04/post_3a50.html

外国の記者を相手にした保安院と東電の会見には、最近、記者1人、説明側10人ということが続いたが、4月25日、ついに誰も記者は来なかった。

無人の記者席に向かって、「誰もいないのに」説明をするという非人間的なことをする保安院の役人の姿が印象的だった。

海外では福島原発の事故についての関心は強い.関心が強いので、保安院や東電の記者会見に出ても、ウソを教えられるので、聞いても意味が無いのだ。

日本人として哀しい。

日本人の記者会見は相変わらず盛況だ. 事実と違うことを聞いても政府の言うことなら「黒も白」なのだろう。




3.11とフクシマ・トーデンについては、主要な海外メディアはトップ記事扱いの報道体制を敷いてきたわけだが、これは知らなかった。驚きました。海外メディアの取材ボイコットとしか思えないが、もちろん、日本のメディア批判につながるような「ニューズ」については、日本の記者クラブが「取材ボイコット」するので、日本の新聞やTVの記事になることはありません。



GW明けにも管退陣が取りざたされている。1961年1月、アイゼンハワー大統領がその離任演説のなかで、「軍産複合体の脅威」について訴えたように、政官産学マスコミがつくる「原子力複合体の脅威」について、菅首相が触れることは、ないわな。アイゼンハワー演説の「軍産複合体」と置換して、ほぼ同様なのだが。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=129920

こうした大規模な軍事組織と巨大な軍需産業との結合という現象は、アメリカ史上かつてなかったものである。その全面的な影響力・・・経済的な政治的なさらには精神的な影響力までもが、あらゆる都市に、あらゆる州政府に、連邦政府のあらゆる官庁に認められる。我々としては、このような事態の進展をいかんとも避けられないものであることはよく解っている。だが、その恐るべき意味合いを理解しておくことを怠ってはならない。

・・・・政府部内の色々な会議で、この軍産複合体が、意識的にであれ無意識的にであれ、不当な勢力を獲得しないよう、我々としては警戒していなければならない。この勢力が誤って擡頭(=台頭)し、破滅的な力をふるう可能性は、現に存在しているし、将来も存続し続けるであろう。

 この軍産複合体の勢力をして、わが国民の自由や、民主的な過程を危殆ならしめることがあってはならない。・・・・警戒心を怠らぬ分別ある市民のみが、この国防上の巨大な産業と軍事の機構をして、わが国の平和的な手段と目的とに合致せしめ、安全と自由とを共に栄えしめることが出来るのである。


日本における原子力発電所は、日本の核兵器開発能力を担保する、ある意味で軍産複合体でもあるから、算盤は度外視され、危険視は想定内とされ、無理に無理を重ねても、やはり継続されていくのだろう。



最近、缶コーヒー「BOSS」の「宇宙人ジョーンズ」CMが放映されないが、代わって、「部長、ご無理をなさらないで」が流れている。こんなCMである。

高層ビルのガラス張りのオフィス、ビル群の夜景を前に佇むエリート。少し離れて、髪の長い清楚な美人秘書か部下が立ち、そしてつぶやく。
「部長、ご無理をなさらないで。といっても無理ですよね」
・・・・・缶コーヒーBOSS 


宇宙人ジョーンズが日本の下層労働者に扮して、その規律の高さを再発見するという「日本特殊論」を展開してきたのに対し、「部長、ご無理をなさらないで」では、日本の上部構造の臆面もないナルシズムを開陳している。

(はあ~、俺もあんな風に、髪の長い美人秘書から潤んだ瞳で、ご無理をなさらないで、とかいわれたかったなあ)と呆けた顔で見入っていたのだろう。気がつけば、猫が心底バカにしきった眼つきで俺を見ていた。

フクシマ・トーデンを引き起こした日本の「原子力複合体」のエリートたちも、「ぶちょお、ごむりをなさらないで」という部課のセクショナリズムに溺れ、国策を推進するというナルシズムに呆けていたのではないか。

(敬称略)

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