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アンジェリーナを聴け03

2020-07-03 20:47:00 | ノンジャンル
今夜は新旧天才少女歌手という趣向です。

アリサ・フランクリン(AF)が亡くなり、数多くの女性歌手が彼女の代表曲のひとつである”A Natural Woman”を敬愛を込めて歌いました。

Aretha Franklin "Natural Woman" LIVE Rockaplast 1968


AJはAFとはまったく違う歌い方をしました。

Angelina Jordan - A Natural Woman Acoustic (Aretha Franklin Tribute)


もちろん、AJはジャズ歌手に近いし、AFはゴスペル色の強いソウル歌手だったという、元々の違いはあります。たとえば、エッタ・ジェイムスのナンバーをAJが歌えばどうなるでしょう。

Etta James - Something's Got A Hold On Me (Live)


エッタ・ジェイムスがジャニス・ジョプリンのアイドルだったのがよくわかるLIVE動画でしたね。

AJが歌うとソウルフルでありながらこんなに違います。どんな歌を歌っても、自分のスタイルがあるという褒め言葉がありますが、それ以上の編曲といえないでしょうか。もっとも、AJの”ADDICT(中毒者)” を自認するファンのなかには、「AJのcoverはたいていオリジナルより上手い」とあっさりいってのける人もいますが。

angelina jordan Something's Got a Hold On Me


いうまでもありませんが、AFもいま14歳のAJ以上に天才少女歌手でした。レコードデビューは1961年で19歳ですが、AFがまだ14歳のときのゴスペル録音です。歌手としてすでに完成されていますから、いったい何歳から歌手だったのでしょうか。

[Teenage] Aretha Franklin Sings Gospel!!


AFは1942年生まれなので、↓の動画が制作された1972年はちょうど30歳です。映画宣伝用クリップなので中途で終わっていますが、聴衆の感動と興奮の様子がよく見てとれます。聴衆といっても教会でゴスペルを歌い一緒に合唱している人たちですから、なかばセミプロといえるでしょう。そんな観客の一人として、ミック・ジャガーもちらっと映ります。

AMAZING GRACE - Official Trailer - Aretha Franklin Concert Film


↓ はレコード音源なので終わりまで聴くことができます。聴衆は騒がしいのではなく、各パートの歌唱に堪らず唸ったり、感極まって声を洩らしたり、思わず叫んだり、名前を呼んだりしているのです。

Amazing Grace (Live at New Temple Missionary Baptist Church, Los Angeles, January 13, 1972)


30歳のときにAFがどんな歌を聴かせてくれるのか、とても楽しみです。

(止め)