コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

今夜は涼しい曲を

2015-07-22 23:51:00 | 音楽
「デビイのワルツ」は以前に紹介しましたが、リンク切れしているので、ふたたび。

Monica Zetterlund with Bill Evans Trio Waltz for Debby


モニカ・ゼターランドは、60年代に英語ではなくスウェーデン語でジャズを歌い、ヒットさせた異色のスウェーデン歌手です。

彼女の自伝映画画「ストックホルムでワルツを」が最近公開されました。「ワルツ」はもちろん、ビル・エバンスと共演したこの"Waltz for Debby"からです。

ご覧のとおりの美人ですが、シングルマザーの田舎娘モニカが男出入りもありながら、大都会ストックホルムでジャズ歌手としての才能を開花させていくという映画のようです。戦後、アメリカ文化を浴びるように享受したのは日本だけでなく、世界的なものだったんですね。

なかでも、スウェーデンはナチ協力国家でしたから、敗戦国に近い境遇から自由の空気に触れたという点では多少日本と似てなくもありません。ビデオレンタルに回ってきたら観てみたいですね。

英語歌詞はこちら。和訳はこちら

閑話休題:
ゼターランドというのはスウェーデン系の名前でしたか。昔、陽子ゼターランドという有望な女子バレーボール選手がいました。170cm台と長身ではなかったのですが、セッターもスパイクもこなせる身体能力の高い選手でした。

中学高校から頭角を現し、日米ハーフのグラマラスな身体となかなかの美少女のため一時注目を集めました。日本代表入りも確実とみられていましたが、国籍問題があったようで日本ではなくアメリカで代表チームに入りました。

彼女が早稲田大学に進学した頃、早稲田のグラウンドや体育館、合宿所などがある西武新宿線の東伏見駅近くのコンビニエンスストアでよくみかけました。当時、私も東伏見の借家に猫たちと合宿生活をしていたのです。

きまってジャージ姿で買い物に来る姿は、今日のスポーツコメンテーターなどの肩書きでTVなどでみかける、利発そうな喋りと華やかな笑顔の彼女とは別人のようでした。

いつも口を半開きにしたうつろな表情で、ずりずりとだらしなくサンダルを引きずって歩く姿は、日本の体育会スポーツの悪しき伝統にどっぷり染まっていました。アメリカ国籍を選んでよかったんだなと喜んでいます。

ジョニー・ハートマンという名前とビロードのような歌声から、ハンサムでのっぺりした金髪白人歌手を想像するでしょう。

Johnny Hartman - Waltz for Debbie 1964


が、ジャケット写真のとおり黒人歌手です。髪もむりやり直毛にしています。昔は、白人風に歌うのが普通でした。レイ・チャールズが出てから一変しました。いや、ジョニー・ハートマンはすばらしい歌手ですよ。「歌は世に連れ」というように、時代が違うだけです。

(敬称略)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする