安倍内閣への支持率の高さは、「安倍麻生政権」といわれるほど、麻生太郎副総理兼財務大臣の存在感の大きさが寄与しているからでしょうね。4月19日、アメリカの有力シンクタンクである米戦略際問題研究所(CSIS:Center for Strategic and International Studies)で、麻生副総理は流暢な英語で講演しました。
動画「アベノミクスとは何か 日本経済再生に向けた日本の取組みと将来の課題」
http://www.ustream.tv/recorded/31681043
講演の文字起こし
http://daisukeblog.com/?p=2089
講演後の質疑応答
http://twishort.com/24kdc
横にいるのは、あの有名なジャパン・ハンドラーのマイケル・グリーンさんです。麻生副総理のスピーチのすばらしさに感激の面持ち冷めやらずといった風です。麻生さんはあの魅力的な笑顔をたたえながら、自信に満ちた堂々たる受け答えをしています。マイケル・グリーンさんに、「アベノミクス」の第3の矢=成長戦略について尋ねられ、麻生さんはこう答えています(動画の再生時間では、44分15秒~)。
3番目のバズーカ(3本目の矢=成長戦略)については、いま私に訊かれるより数か月待って、これをまとめている人たちに直接訊いて頂いたほうがより正しい答えが出ると思いますが、私の知ってる範囲で答えさせて頂きます。
「これをまとめている人たち」とは麻生さんが議長代理をつとめる産業競争力会議のことでしょう。その中心といわれる竹中平蔵主査がまとめて、4月17日に産業競争力会議に提出した資料が、この4月19日CSISにおけるスピーチの下敷きになったと思われます。小泉政権で大蔵大臣をつとめた竹中平蔵さんも麻生さんの懐刀だったんですね。第3の矢=成長戦略のひとつは、非効率で赤字を垂れ流す公共事業の規制緩和だと麻生さんはいいます。
このロボットは一つの例ですが、例えばいま日本で水道というものは世界中ほとんどの国ではプライベートの会社が水道を運営しているが、日本では自治省以外ではこの水道を扱うことはできません。しかし水道の料金を回収する99.99%というようなシステムを持っている国は日本の水道会社以外にありませんけれども、この水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものを全て民営化します。
竹中平蔵主査が麻生さんに提出した「立地競争力の強化に向けて」という資料には、空港・有料道路・上下水道・公営地下鉄など、非効率で赤字を垂れ流す、「公共事業の資産規模は185兆円、民営化すれば少なくとも数十兆円規模の財源創出が見込まれる」とあります。
水道事業を民営化すれば、「「日本版水メジャー」として、グローバルに展開する道も開ける」ということです。欧米や日本などの先進国以外では、まだまだ上下水道が未整備な国がたくさんあります。そうした国々に、日本の水道事業を輸出しようという壮大な成長戦略です。実現すれば、石油メジャーに代わるとされる「水メジャー」の一角に日本も加わるわけで、はかりしれない経済効果といえます。
麻生さんが、「日本の水道事業を民営化します」と言明したとき、横のマイケル・グリーンさんがあわてて水を飲んだのは可笑しかったですね。「日本の麻生、恐るべし!」と衝撃を受けたのがありありでした。堅い話が続いたので、下は「水メジャー」について、オマケです。
現在の話と完全にリンクする、今回の『007』水道民営化の恐怖
http://machiokoshi666.blog.fc2.com/blog-entry-24.html