レンタルDVD映画のの新作はほとんど観ているので、いくつか自らの覚え書きとして記しておきたい映画があるが、なかなか時間がとれない。東京は葉桜だろうが、新潟ではいまが桜の満開だ。桜前線を追いかけるように、近々岩手に移ることになりそうだ。子どもが生まれなくなった殺伐たる近未来を描いた『トゥモローワールド』の文明末期を思わせる荒涼たる「人間世界」と戦闘シーンの凄まじさ。知りあいが絶賛し、世評も高かった『フラガールズ』は、『三丁目の夕日』と同工異曲だった。やはり、それほどのものかと首を捻った。ふだん、小説など読まない人が『東京タワー』を買うから大ベストセラーになるように、ふだん映画を観ていないからこの程度の作品に「感動」してしまうのではないか。
たくさんの映画を観ていることを自慢するのではない。むしろ少し恥ずかしいとすら思っているが、気持ちよく泣けるという「感動」は底の浅い部類に入ると思うのだ。人それぞれといえばそれまでだが、もっと「感動」できる映画がたくさんあるのになと他人事ながら残念なのだ。たとえば、暇つぶしの午後、場末の封切館のガラガラの席で、『ゾンビ』の第一作を観たときの「感動」。平日の午後、映画館の暗がりに潜んでいた得体の知れぬ観客たちは、出口に歩きながら互いに目配せしたものだ。(おもしろかったねえ)と口許をほころばせて。太宰治がいっているように、「本物」に出会ったときには、笑いがこみ上げてくるのだ。
たくさんの映画を観ていることを自慢するのではない。むしろ少し恥ずかしいとすら思っているが、気持ちよく泣けるという「感動」は底の浅い部類に入ると思うのだ。人それぞれといえばそれまでだが、もっと「感動」できる映画がたくさんあるのになと他人事ながら残念なのだ。たとえば、暇つぶしの午後、場末の封切館のガラガラの席で、『ゾンビ』の第一作を観たときの「感動」。平日の午後、映画館の暗がりに潜んでいた得体の知れぬ観客たちは、出口に歩きながら互いに目配せしたものだ。(おもしろかったねえ)と口許をほころばせて。太宰治がいっているように、「本物」に出会ったときには、笑いがこみ上げてくるのだ。