コルサレプリカプロジェクトもテスト走行を繰り返し、完成となりました。
レプリカプロジェクトというもののコルサを基準に、
お好みのエンジン、ブレーキ、ホイール、サスペンション等(フレーム以外全てです)オーナー様にお選び頂きました。
ドリームバイクですね。製作途中からレプリカと呼ぶ事に疑問も御座いました。
イタリアンレッドに包まれた美しいクロモリフレームは
ドカのスペシャリストであるシルバーストーン村山氏により極僅かのみ製作された中の1つとなります。
素晴らしい品質です、目に優しいデザインですね。
仕上げは極薄の塗装により、ロウ付け溶接痕もしっかりと浮き出ております。
マグネシウム合金のオルダーニブレーキ。性能、見た目も良くここはBazzani製が最適でしょう。
19インチのボラーニにAVON競技用タイヤはベストバランスでは無いのでしょうか。
エンジンはナンバー00から始まる初期型Machとなります。Machに敬意を込めて全くの無改造。
溶接無しの手曲げによるエキゾーストパイプ、仕上げは耐熱塗装では無くブラックメッキという大変贅沢な仕様です。
華奢なセンタースタンドも丸パイプからの製作品です。
リアブレーキも同じくオルダーニ、エンジン側のスプロケットと芯を出す為ほとんどの部品を製作しました。
トルクロッド、フェンダー、サブステー等、コルサ同様に製作させて頂きました。
ダブルクレドールフレームの為、純正Machより一回りも大きいガソリンタンク。
ここも純正Mach1/Sの実寸と同サイズとなります。
薄い塗膜をリクエストさせて頂きました。
ペイントも素晴らしい仕上がりで両サイドのくぼみ箇所のエッジも立っていてカッコいい。
ヘッドライトステーはMach1/Sの実物を基に鉄板と鉄棒からの製作品です。当時物ダイアゴナルのキャップボルトに注目です。
SSIキャブレターとリモートフロートのSS2 エンジンに合わせて29mmを選択させて頂きました。
高回転が楽しめます。景色の美しい峠が似合う車両ですね。
オーナー様に1年で完成とのお約束でしたが3年もかかってしまいました。
お約束を守れなかったのにも関わらず寛大な心でお待ち頂き(1度も催促御座いません)大変に恐縮な気持ちです。
製作開始から約1000日。
毎日整備した訳ではないのですがこの期間1日もこの車両の事を考えない日は御座いませんでした。
自然体で集中し、夢中にさせて頂きました。お陰様で素晴らしい経験をする事が出来ました。
オーナー様と打ち合わせの時、車両の部品選定のお話、乗り味のお話も重要でしたが、
ガレージに置いて違和感なく溶け込むか?他のオートバイと並んだ時のバランスも考慮しての製作となりました。
この工程こそ真のカスタムメイドと呼べるのではないでしょうか?
贅沢なご依頼を頂けた事、オートバイ商を開業して良かったと思えるひとときでした。
この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございます。
ダンカンサイクル 増田裕二