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泣き落としも治療には必要

2012-10-15 00:15:00 | PTSD

PTSDから極度のアルコール依存症まで進行した女性を泣き落とした話

彼女を最初に診たのが、ちょうど3年前の晩秋であった。アルコール依存症、不安感、不眠、摂食障害(過食と嘔吐を繰り返す)から拒食症にまで進行、尺骨神経麻痺(両側)アトピー性皮膚炎膝蓋骨骨折手術後、以上の諸症の相談である。たしか、2時間近くを要した。

尺骨神経麻痺(両側)は、パソコンの前で突っ伏して眠り込んでしまい、4時間ほど神経部を圧迫したのに気がついていなかった。先ず、ビタミンE, B群コンプレックス、Cを決定した。

アトピー性皮膚炎は湿熱型より乾燥型(皮脂欠乏型)に近く、養陰潤膚 風止痒の治療方針を決定した。身長165cm 長身であるが痩せている体重51.55kg 血圧は収縮期も拡張期もく、脈は弦滑にして細かい、尺脈が触れない、心腎不交がありそうだ。

ともかく顔色が悪い、面色無華、目の下には黒ずんだクマができており、一見して腎陰虚、脾気虚が見て取れる。こういう場合には、補気、養血、温裏が先ず必要である。

現在服用中の薬はコンスタン0.4を日に3回、セルシン2も日に三回、鎮痛剤としてセレコックス100mg(コキシブ系で血栓症、消化性潰瘍、はなはだしい場合は心筋梗塞の合併症がある)を一日多いときに4回、H2ブロッカーのガスター20の後発品を日に1回か2回服用しないと胃痛に苦しんでいた。

膝蓋骨骨折で1.6ヶ月の入院、退院2日後に当院を受診したが、鎮痛剤 胃潰瘍予防薬は本人の弁では「まだまだ売るほど家にあります」とのこと。

退院後は、それまで以上にアルコール(主としてワイン、焼酎、その後は何を飲んだのかわからなくなるまで)を過飲するようになったとのこと。独身40歳を越えた。

脈、舌(舌下静脈の怒張が激しく、の証は明らか、目の下のクマ、顔色の悪さ、皮膚の乾燥、呼吸音、心音は異常なく、但し、腹部を触診すると、腸骨が浮き上がっており、前突起下に脂肪がなく、「食べていない」を直感させるへこんだ腹部、便通を問えば、食べていないためか便秘気味、但し、下痢になる場合がある、

西洋医学では交替制便通異常というが、西洋医学で治るようなものではないと判断した。

大腿部には2度の熱傷跡、それもかなり広範囲、原因は、さかのぼること2年前、意識不明時事に熱湯をかけてしまったとか、膝蓋骨部分には入院の際の手術跡が約8センチの縦に存在、更に左の下腿部脛骨前面には浅い潰瘍を形成し、潰瘍はそのままの状態で放置されていた。足が冷える。顔はのぼせる

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PTSD(心的外傷後症候群)にいたるまでの歴史

本人が23歳で実母が脳腫瘍で死亡31歳で、医師であった実父突然死、相次いで御両親を亡くした。32歳で結婚、夫のDV6年間続いたという。実家の残してくれた金銭は、殆どその御亭主に遣われてしまい、そして離婚。子供無し。ぼろぼろになって天涯孤独(但し伯母が存命)となった。


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