昨日まで計10例の漢方治療の実際をご紹介しました。本日から、マトメにかかります。<o:p></o:p>
中医学の考え方:尿路結石は凡そ4方面の認識が漢方治療に欠かせません。即ち、下焦湿熱、気滞血瘀、陰虚火旺、脾腎気虚の4方面です。湿熱の邪は外受あるいは内生し、外受とは六淫の湿邪或いは濁気が、人体に入裏化熱し、下焦に蘊結することであり、内生とは肥甘厚味の飲食を続けると体内に湿熱が醸生され、「湿は陰邪であり、その性は急いで下降する」とあるように下焦に流注します。下焦湿熱が慢性化すれば気血を阻滞し、気滞血瘀、或いは熱灼陰傷し、尿液を灼し結石となると考えます。陰損が陽にまで及ぶか、或いは清利の薬剤の過用により脾腎の陽気を損傷すれば、気虚は即ち鼓動無力、陽虚は即ち温化失調、結果として更に結石の増加、大きさの増大を招くと考えます。(このような理論は中医にとってはビジュアル化されて脳裏に焼きついているほどです。)<o:p></o:p>
次に情志の関与に話を進めますが、思い悩むが度を過ぎると気結となり、気機不暢、血停湿聚となり、慢性化すれば化熱し湿熱になります。房労所傷者(過度のセックスで消耗している者)は腎の精気を耗損し、腎虚不運、温化無権、水失気化、聚して湿濁となり、久しくなれば、また化熱し湿熱となります。極少数の患者には、単純な気虚、陰虚、気滞血瘀の証のみ伴うものがありますが、疾病の後期にはさまざまな挟有湿熱の証になります。<o:p></o:p>
久病であれ、新病であれ、湿熱の邪が終始重要な因素です。疾病の病期により多少の違いがあるにせよ、清熱利湿の基本的な視点が重要なのです。<o:p></o:p>
次回は尿路結石の調理気血の理論と生薬についてお話します。<o:p></o:p>
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2014年6月9日(月)<o:p></o:p>
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