腰痛 下肢痛と白髪の漢方治療
足がだるくなる、髪もめっきり白くなってくるー老いを感じ始めてからの漢方
老化は足からという言葉があります。早ければ40台後半から症状が出現します。若いころには酔えば酔うほど足が軽くなって、ハシゴ酒もこなしたはずなのに、少しアルコールが入ると、ものの15~20分歩くと腰や足の付け根などが痛くなる為に長時間歩けなくなります。何か変だなと思い始めたら、それが「老化」の始まりです。特に、車に乗る生活が常習化しているので、外国などに旅行に出かけた際に、下肢がだるくなってワンブロックを歩くのもままならない自分を発見します。鏡をのぞくと、めっきり白髪も増え、毛染めを余儀なくされます。下肢のだるさはある程度運動で回復してきますが、白髪はどうにもならない。そんな自分に気がついたら「漢方の出番」です。
繰り返すようですが、まず最初の症状は足腰のだるさです。歩行により生じる股の付け根の痛みなどが諸症状です。もちろん、老化がどんどん進みますと、変形性腰椎症や変形性膝関節炎などを併発してきます。そうなるとやれ、ヒアルロン酸など、健康食品が飛ぶように売れるわけです。断言しますが、ヒアルロン酸をいくら飲んでも、足腰のだるさは取れません。
中国漢方医学では老化は腎虚と考えます。「腰は腎の外腑」といわれ、腎虚になうと足腰が弱くなるのです。「腎は骨を主り、髄を生ずる」働きがあります。したがって、老化すれば造血機能も衰えるわけです。「腎は作強の官」とも言われ、足腰の強さは腎に依存しています。「腎は精を蔵し、精は化して気となる」とといています。腎は五臓の機能活動の根本力であるのです。
虎潜丸(こせんがん)
虎が潜む丸薬という、なんとも力強い名前ですが、現在では絶滅危惧種になり、中国でも捕獲禁止となっている虎の骨が配合されている丸薬です。
亀板 黄柏 知母 熟地黄 陳皮 白芍 鎖陽 虎骨 干姜
効能:滋陰降火 強壮筋骨
主治:肝腎陰虚 陰虚火旺 筋骨痿軟
この処方内容を見ただけで、経験のある漢方医には、処方すべき患者像が目に浮かんできます。まず腰や下肢がだるく、体格はやせ、のどが渇き、時に寝汗や、午後に微熱が生じ、脈はやや速く、細く、舌を見れば舌質が赤く、苔が少ない。瞬間的に想像できます。
黄柏と知母は有名な知柏地黄丸に配合されている知母と黄柏の組み合わせです。黄柏は清熱瀉火解毒燥湿に働き、知母は清熱瀉火 滋陰潤燥に働き、共に内熱(虚熱)を清する働きがありますが、知母には滋陰作用があるために傷陰しません。補腎填精の亀板 熟地黄と肝陰を補う白芍は総合して補肝腎に働きます。虎骨は筋骨を強壮します。体を温め精をつける鎖陽は温陽益精に働き、干姜、陳皮は胃腸を暖め、知母 黄柏の苦寒の作用を和らげます。補薬である熟地黄や亀板による胃腸のもたれ(これを中国語で滋?といいます)を、特に陳皮の理気和胃作用が改善します。腎の固摂機能が衰えて「腎気不固」となると夜間頻尿も出現します。腎気不固の改善にも虎潜丸は有効です。
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虎 「虎は死んで皮を残す」といわれますが、漢方医の立場では「虎は死んで貴重な骨を残す」と言い変えたいのです。
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今年の虎は死んでませんねぇ!。ダントツ常勝なのです。それにしても、金本の努力には頭が下がりますね。「金本兄ィに飲んでもらいたい虎潜丸」今年は優勝やで~!
虎骨(ここつ、中国語でフーグー)
漢方古典によれば、帰経は肝、腎 薬性は味辛咸、気平、主治は関節疾患(中国語で風湿性関節炎)、老化による四肢痿軟、腰痛、さらには痔疾、脱肛までと効能は広範囲に及びます。
「本草蒙筌」には附子を加えると?筋健骨,散寒止痛の作用が増強し、牛膝を加えるとさらに補肝腎の効果が増強され、没薬を加えれば行気散瘀に優れ、竜骨を配合すれば一層の精神安定作用が得られると記載してあります。虎は骨に限らず、薬用となる部分は虎肉、眼睛(目)、虎牙、虎筋(腱)、虎爪、虎腎、虎胆、胃、脂肪から作った油などです。
香港には「虎骨追風酒」と称する薬酒が販売されています。虎骨の入手ルートは秘密らしいのですが、寒さや湿気による関節の痛み、老化による四肢痿軟、腰痛、下肢痛、手足のしびれなどに絶大な効能があるといいます。その組成は以下のようなものです。
虎骨 川芎 桂枝 萆解 木瓜 紅花 当帰 何首烏 茜草 独活 甘草
杜仲 ?断 肉桂 ?骨脂 秦艽 草?(制)