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糖尿病性腎症の漢方治療 医案3 腎病漢方治療 171報

2013-07-12 00:15:00 | ブログ

趙紹琴氏医案 中陽不足 兼血分鬱熱案(糖尿病性腎不全症例)

(趙紹琴臨床経験?要より)

                                        

患者:梁某 62歳 女性

初診年月日1993817

病歴

糖尿病歴10余年、毎日インスリン注射にて血糖値をコントロールしてきた。1年前尿中の蛋白が陽性となり、持続して減少せず、糖尿病性腎症と診断される、半年前、CreBUNの顕著な上昇出現。ここ1ヶ月来、顔面の浮腫が下肢にも及び、乏力が甚だしく、皮膚掻痒、悪心嘔吐、腹張張満、食欲減退、検査にてCre440μmol/L4.97m/dL)、BUN19.3mmol/L115.8m/dL)、二酸化炭素結合力19mmol/L正常域2030mmol/L

コメント:既に腎不全状態です。代謝性アシドーシスも存在します。Cre値に比較してBUNが高値なのは中医案の一般的特徴で、中国人の豚肉を中心とする食生活の影響でしょう)

初診時所見

舌胖苔白膩、脈象濡軟、按じて有力、面色蒼白浮腫、下肢水腫、按じて陥没して元に戻らない、小便短少色白、大便不暢、夜寝夢多、心煩急躁。

中医弁証

中陽不足 さらに 血分鬱熱

コメント:聡明なる読者は違和感を持つはずです。陽気が不足すれば寒証になるのが自然ですね。それが血分鬱熱という熱証とは、ちぐはぐな感じを持ちませんか?評析に期待しましょう。)

治則

益気行水 涼血化瘀

処方

生黄耆30g 荊芥6g 蘇葉10g 防風6g 白芷6g 生地楡10g 炒槐花10g 丹参10g 茜草10g 白茅根 芦根10g 冬瓜皮30g 茯苓皮30g 大腹皮15g 檳榔10g 大黄2g

経過

7剤服薬後小便増多、大便暢行、顔面の浮腫は既に退いて、下肢の水腫も大半が消退した。悪心嘔吐は減軽、皮膚の掻痒は残存。舌白苔膩。脈なおも濡軟沈滑、前方加減を継続

処方

黄耆30g 荊芥6g 蘇葉30g 防風6g 白芷6g 生地楡10g 炒槐花10g 丹参10g 茜草10g 地膚子10g 白鮮皮10g 草河車10g 冬瓜皮10g 大腹皮10g 大黄2g


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1 コメント

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お忙しい中、先生は、ご自分の言葉で正直に、ブロ... (Unknown)
2013-07-12 20:12:55
お忙しい中、先生は、ご自分の言葉で正直に、ブログを書いていらっしゃいます。私なんか猛暑日が続き思考能力が、無くなってます。先生毎日凄いパワーですね。漢方を沢山飲んでるんですか?
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