本日も清心蓮子飲加減の慢性腎炎治療です。
患者:王某 15歳 女児
初診年月日:1989年4月18日
病歴:
慢性糸球体腎炎病歴3年余、たびたび治療を受け、病情は好転していた。
初診時所見:
尿蛋白1+、尿潜血3+、尿RBC5~7個/HP。疲労が累積した時や、感冒後に尿蛋白が増多した。舌淡紅、苔薄白微膩、脈滑。他の明らかな自覚症状は無い。
中医弁証:気陰両虚 湿熱内蘊
西医診断:慢性糸球体腎炎
治法:益気養陰利湿熱
方薬:清心蓮子飲加減:
黄耆30g 党参15g 地骨皮10g 麦門冬10g 茯苓15g 柴胡10g 車前子20g 石蓮子10g 甘草10g 白花蛇舌草30g 益母草20g
水煎服用:1日1剤、二回に分服
(原方より黄芩を去っています。白花蛇舌草30g 益母草20gの加味は前2案と同じです。白花蛇舌草は大人の量と同じ30g、益母草は2/3の量の20gです。)
経過
上方薬加減で計60余剤、尿検査異常なし。2年後、来院した時まで再発無し。
ドクター康仁の印象
舌淡紅、苔薄白微膩、脈滑。他の明らかな自覚症状は無い。ここからどのように弁証するのか?日本人の腎臓専門医でも無理ですね。55年間に大量の慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群を診た経験がものを言う「勘」の世界です。弁病=「勘」まで達するにはひたすら経験を積むことが大切なのでしょう。疲労が累積した時や、感冒後に尿蛋白が増多する。舌淡紅、苔薄白微膩、脈滑。他の明らかな自覚症状は無い。慢性糸球体腎炎歴が3年余。これらを方証といってしまえばそれまでですが、患者のイメージが浮かぶかどうか?紙上とは言え、良い経験をさせてもらったと張琪氏に感謝します。
明日も清心蓮子飲加減です。
しつこいようですが、飽きないでくださいね。
2014年2月11日(火)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます