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自律神経失調症の漢方治療 ⑩ ED

2007-01-30 12:51:14 | ED

バイアグラやシアリスより効く漢方薬ってあるのか?

ED(勃起障害)で悩む男性諸氏から尋ねられることがある。私は50代半ばだから、当然仲間もその年代だ。いろいろ悩みを聞いていると思いのほかEDが多いことに驚かされる。海外通販で密かにED治療薬を購入してなんとか「しのいでいる」のが現状だ。

一説によれば、現代日本では1,000万人がEDで悩んでいるという。「悩んでいる」「EDではあるがあきらめている」「飲まないとセックスが出来ないんじゃないかといつも不安になる」いろいろな訴えだ。

EDとは専門的には「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」と定義されている。

1000万の男性が何らかのEDがあるとすれば、もはや国民病に近い。国民の約一割が西洋ED治療剤を服用しなくてはならないとしたら「異常事態宣言」を発令しなくてはいけないだろう。副作用の殆ど無い漢方薬の出番である。ED改善漢方薬は「確実に存在する」。

30歳代~40歳代のED

若い年代のEDも目立つ。30歳代~40歳代のEDが多いのに驚かされる。性情報が氾濫している一方で、EDに悩むとは何か「ちぐはぐ」である。若い年代のEDの原因には圧倒的に身体、精神的ストレスである。性欲が一番高まる時期であるにもかかわらず、性欲の低下も出現してくる。注意しなくてはならないのが性欲の有無である。人一倍性欲があるにもかかわらず、いざという時に性行為に支障をきたす場合は医師の診察が必要だ。しかし何事も心配しすぎるのは却ってストレスを増加させ、EDを悪化させる。この年代のED漢方治療薬は単に精力増強剤的な漢方薬では効果が不十分であり、各個人の「ストレス度や消耗度に合わせた漢方生薬の配合が必要」である。

50歳代~60歳代のED

50歳代~60歳代のEDは、大方「歳だから仕方がない……」と半ばあきらめがある。しかしそうではない。腎精を補い、気血を共に補い、気血のめぐりを良くし、脳を活発化させ、精神状態を安定させることによって、半ばあきらめかけていた性能力が見事に復活する

60歳代以上のED

元来、バイアグラやシアリスが登場するはるか大昔から、中国漢方医は延々と時の皇帝などの精力を維持するためにいわゆる秘薬を考案してきた。いわゆる「房事専門のお抱え医」が存在した。それらの「秘方」は代々受け継いでこられている。80歳を過ぎても性行為を楽しんだ時の権力者は数多いのである。

現代の中華人民共和国になってもその伝統は変わらない。毛沢東然り、鄧小平然り、80を越えても大河で泳ぎ、愛人を囲っていた。逆に周恩来は生涯、妻一人を通したために「清廉なる偉人」とされているくらいだ。

この年代のEDの治療で大切なことはひたすら精力剤を補充するだけでは「片手落ち」の治療となる。基礎的な体力を増強させる治療と、気血の活発な運行を促進させる治療つまり老化を防止する治療と、糖尿病、高血圧、気管支喘息、アレルギーなどの基礎的な疾患にも有効な治療を併用しなくてはならない。西洋医学的な基礎疾患の治療薬には性機能の低下をきたす副作用があるものが多い。

市販の精力剤にも注意が必要である。漢方薬局には「○蛇」とか「○レオ○」とか「○ナ」あるいは「マ○」などの薬剤が販売されているが、どれも中国秘法からすれば「子供だまし」に近い。気休め程度である。長生きにつながるような薬剤の配合になっていない「片手落ち」の配合が目立つ。

専門用語も混じり、やや難解であるかもしれないが初稿を始めたい。よく知られている薬剤は説明を省く。

中国秘方に記載される特殊な漢方処方薬

自律神経の回復を目指す

従来EDは腎虚の観点から治療されてきたと思われる方が一般的であろう。しかし、歴代の名医は、EDは肝を治療すると説く。現代のストレス社会ではなおさらストレス性の中医学的な肝障害が目立つ。ペニスの充血勃起には、腰部神経叢の正常反射、陰茎動脈からの血液の流入、陰茎静脈の収縮による流入した血液の保持の3点の共同機能による。腰部神経叢は脊髄周囲自律神経から大脳へと連絡する。肝は疎泄を主り、情志、自律神経を介しての気血の正常な運行を主る。肝経は陰部をまとう。勃起、射精を主る臓は肝なのである。肝経の湿熱、痰濁、淤血はすべてEDの原因となる。EDには肝気の鬱滞、肝火、肝化の胃腸への横逆、肝血不足がすべて原因となる。

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2007_130_001

九香虫 本草綱目彩色薬図2003年版より

帰経: 脾 肝 腎に作用

行気止痛に優れることから理気薬に分類されている清書がある。

平肝温脾に優れておりストレス性の胸脇痛、胃痛に効果がある。

温腎助陽作用に優れED、腰痛、頻尿に効果がある。このため助陽あるいは補陽薬として分類されている清書がある。九香虫の特徴は補剤であると共に理気剤であるという二面性にある。

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2007_130_003

羚羊角(れいようかく)帰経: 肝 心

最強の平肝息風薬である。古人は「肝の病にありては必ず羚羊角を用い、心の病にありては必ず犀角を用うべし」と言った。ストレスによるイライラが多く、目の充血などがあり、血圧が高めで、肝火が強い場合には1~2gを粉末にして服用し、性行為に及ぶことを薦めている。

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2007_130_004

丁香(ちょうこう)帰経: 肺脾胃腎

温中降逆 下気止痛 温腎助陽

古来より肝経に寒邪が鬱滞している場合に有効とされている。つまり、陰部が寒々とした感じがありED気味である場合などに有効なのである。ウイスキーのお湯割りに丁子(ちょうじ)を浮かべて飲むのもリラックスも兼ねていいとされる。胃腸の寒邪による「しゃっくり」には古来より丁香柿蒂湯が有名である。郁金(うこん)は丁香の作用を減弱させるとも言い伝えられている。

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2007_130_012

蜈蚣(ごしょう)帰経: 肝

息風止痙 行経痛絡 攻毒散結

古くから破傷風や顔面神経痙攣の痙攣止めなどの特効薬であった。攻毒散結作用は「がん治療」にも使用されている。頭痛、癲癇(てんかん)にも奇効を示す。EDの治療薬としては、「陽気鬱滞(ようきうったい)」といい、ぎらぎらと性欲があるにもかかわらず、その刺激が伝わらないタイプのEDに効果がある。

難しい漢方用語であるが、

肝気鬱結、肝郁化火、肝経寒盛、陽気鬱滞は正常な性欲があるにもかかわらずEDの原因となる。それらの治療は精力剤の投与以前の「自律神経を正常化させる」という意味での「下準備」なのである。

   続く、、


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