宝石の玉(ぎょく)の筋目を「理」といい、その「理」に沿って玉を切り分けることから、「理」とは「治める」、あるいは「整える」という意味になる。理気の「理」は「疏肝(そがん)」の「疏」と同じ、「流れを良くする 」の語感になる。
「建中湯」の「建」は「造る、建てる、建築する、打ち建てる」という語感になる。
さて「理中丸」を解説する前に、「中」を解説すれば、
「中」と「中焦」を指す。中医基礎理論によれば、五臓六腑の六腑目に三焦(さんしょう)がある。三焦とは、一連の臓腑の機能の通り道を意味し、上焦には心、肺が含まれ、中焦には肝胆脾胃が含まれ、下焦には腎膀胱が含まれるとされる。婦人科系の子宮、卵巣などは下焦の概念には含まれない。
従って、理中湯(人参湯)は中焦(肝胆脾胃)の機能の通路を整えるという意味になる。建中湯は中焦(肝胆脾胃)の機能を構築するという意味になる。
山田業広(1808-81幕末~明治)の見解によると、小建中湯が小腹痛,つまり「下焦」の腹痛も治す記載があると主張し、建中の中を,「中焦」と判断することはできないとして、「中」とは「傷寒論」「金匱要略」の小建中湯条文にある,腹中痛の「腹中」全般を指すとある。 それほどこだわる必要は無い。
尚、「しょうけんちゅうとう」と だらだら言うより、「しょう けんちゅうとう」と区切って言うと分かりやすい。「大建中湯」「だい けんちゅうとう」黄耆建中湯「おうぎ けんちゅうとう」があるからだ。
実際の臨床的な感覚からすると、小建中湯は「構築する」というより、「整える」感じに近く、理中湯(人参湯)は「整える」というより、もう少し強めの「構築する」という感じになる。
「実践が先にあり、理論は後付けされる。」これは宿命的な中国医学の成り立ちである。漢方を勉強していく際に、「日本人の白黒をつけたいという性急な気質」が却って、漢方を必要以上に難解なものにしてしまう。 結果、勉強意欲が損なわれることもある。ゆっくりと俯瞰傍聴するような気分で勉強していけば長続きする。
戦後焼け跡派を自称する野坂昭如 RoughにしてDandyだ。
タイトル:野坂昭如 「不条理の唄」ここにも「不条理 」が出てくる。
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マリリンモンロー 版木(左)と刷り上り(右 )
漢方の陰陽、表裏から独断すれば、
野坂(陰裏)モンロー版木(陰裏)刷り上り(表陽)となる。→陰極まれば陽となる。「陰陽転化 」の例である。←逆から見れば、陽極まれば陰となる。
八月三十日 記
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