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慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療2

2012-12-14 00:15:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

「治る腎炎」と「治らない腎炎」と、大別すれば、IgA腎炎は「治らない腎炎」に入るでしょう。発症のメカニズムはまだ不明ですが、恐らくは免疫複合体病の範疇に入る疾患です。抗原は現在までのところ、ある種の細菌であろうと推定されていますが、腎臓の糸球体にその抗原が確実に明示されてはいません。抗体であるIgA(サブクラスではIgA1)は多量に存在しますが、その相手の抗原の特定となると、ここしばらく、誰も研究を怠っている感じを持ちます。同じく、糸球体のメサンギウムにIgAが発見される紫斑病性腎炎でもIgAの相手、つまり抗原が同定されていないのです。ヒトIgA腎炎の実験的な動物モデルが現在のところ無いのが残念なことです。

西洋医学的表現での、上気道感染症がIgA腎炎の発症に重大な役割を果たしていることは、想像はつくのですが、その仮説を実証する動物モデルがありません。現在行われている扁桃腺摘出の治療法は、その仮説に依るものです。医療統計学でのコホート研究にしても、プロスペクティブ研究にしても、相手が人間である場合には、倫理学的にも許容範囲があります。それが動物モデルの開発の重要性の所以になるのですが、いまだにありません。

ですから、日本の10倍以上の人口があり、同じ、東洋人としてのIgA腎炎の発症率が高い現状をかんがみれば、中国での、特に漢方医学を中心としたプロスペクティブ研究の重大性があります。

ところが、我々日本人が中国の医療統計(症例報告を含む)を、検証するには、とりあえず、後ろ向きのレトロスペクティブの報告を眺めることになるのですが、広大な中国には、患者の個人差、地域差も大きく、また、それを診る医師も統一的な見解に依って治療しているわけではなく、学派、師弟間に培われた別個の治療法があるといっても過言ではありません。それが情報開示、ネット社会の発達によって、ある程度の、共通認識が出来上がりつつありますが、なにぶんにも、伝統医学の特殊な言語体系が2000年にもわたり、漢方医学を支配しているので、治療者は各自、独自な解釈を持たなければ、新しい治療を試みることには消極的になるでしょう。

「銀蒲玄麦甘桔湯」(ジンプシュアンマイガンジエタン)うまく中国語で表記できませんが、日本語なら(ぎんほげんばくかんき湯)となるのでしょうか。初めて目にしたのは、2005年版の中国書籍「腎病 古今名家 験案全析」(科学技術文献出版社)でした。

CKDでも特にIgA腎炎での疏風散熱剤として紹介されていました。「清上治下」法という四文字熟語を目にしたのも最初でした。「清上治下」の上とは上焦というよりも、先に述べた上気道感染症も含めた臓腑熱「肺熱」を「上」を示すようです。「治下」の下は腎と膀胱を指すようです。私も含めた西洋医学者にとっては、IgA腎炎の発症に重大な役割を果たしている上気道感染症と腎炎発症を治療する「清上治下」ということになりますので、IgA腎炎に限らず、典型例としては溶血性連鎖球菌感染後の急性糸球体腎炎(PSAGN)が挙げられます。なにかしら、ご都合主義的なものを、四文字熟語「清上治下」に感じました。というのは、PSAGNIgA腎炎は「治る腎炎」と「治らない腎炎」と、大別する立場からすると、共通点を上気道感染の関与とすること以外に、発症後の経過が大いに違うからです。PSAGNは原則的に治る腎炎であり、IgA腎炎は「治らない腎炎」という印象が長い間、私は持ち続けていたからです。専門的になりますが、PSAGNは兎の古典的なワンショットBSA(牛血清アルブミン)腎炎という動物モデルが近似しますが、兎に上気道感染を起こさせるものではない一方で、いまだにIgA腎炎のような動物モデルがないからです。近似モデルすらも見当たりません。銀蒲玄麦甘桔湯に関しては、ヤフーチャイナで文献が多数検索できます。

ともかく、銀蒲玄麦甘桔湯の組成を検証して見ましょう。銀花蒲公英玄参麦門冬生甘草桔梗と全体的に涼寒の性質が強い方剤です。銀花、蒲公英は疏風清熱に、玄参、麦門冬、桔梗は滋陰利咽に、生甘草は清熱解毒、調和諸薬に作用すると述べられています。私の印象では、同じ清熱解毒剤でも、衛分の代表方剤である銀翹散の君薬としての金銀花より蒲公英の方がより、中医学でいう「血分」に近く作用するという印象があります。蒲公英には、清熱解毒 利湿通淋


慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療

2012-12-09 12:30:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

慢性腎炎、(特にIgA腎炎)の漢方治療を弁ずるに、 先ず、腎炎に限らず、弁証論治は、他の疾病にも必ずついて回るので、いわゆる、中医学の弁証論治が、慢性腎炎(CKD)の特異的な治療でないことを確認しておかなくてはならないことを申し上げます。異病同治が中医学の原則であるとしたら、腎炎の発生病理、進展阻止、合併症管理、腎不全への回避などを、弁証論治のみでは、決して十分ではないことを中医学者も日本の漢方医も強く認識しなければならないのです。すなわち、弁証不可能な症例が多数存在するからです。

およそ、中医学的弁証に基づけば、CKDは気、血、津液の弁証、八綱弁証、臓腑弁証から逸脱してはいません。疾病特異的な弁病弁証はありません。風熱の侵襲があるとする弁証は、西洋医学では、すでに、急性発症型IgA腎炎あるいは急性増悪型CKDの一部に、抗生物質が有効であることが示されています。過労や飲食の節制は、CKDの治療に限るものではありません。中医学の「久病挟瘀」の概念は、あくまで概念であり、物質として捉えられたものではありません。中医学の得意分野である虚火上炎ともなれば,定量化された概念ではなく、これをもって陰虚とする、あるいは虚火とするという基準がありません。中医学を学ぶと、自然に気虚は湿を生み、陰虚は内熱を生むという思考回路が出来上がります。そして湿熱互結の感覚も自然の思考回路に組み込まれてきます。瘀滞という感覚も、久病挟瘀、久病挟痰という概念も自然に受け止められるようになります。

それでは、「瘀血」の証が果たして、CKDの全例に認められるでしょうか? 答えは否です。脈管から外に出血すれば瘀血の原因になると中医学は説いていますが、顕微鏡学的、あるいは肉眼的血尿のある場合でも、病初期には、古典的な瘀血の証が無い場合もあります。この場合の「瘀血」の概念は、中医学の、「概念」に過ぎません。西洋医学にしても、なぜ血尿が生じるのか、形態学ですら判然とはしていないのです。しかしCKDの名のようにchronicつまり慢性病が進展すると「瘀血の証」が出現してきます。したがって活血化瘀の治療は、腎炎の慢性化を予防するのではないかという考えに至ります。

「熱血」の証が果たして、CKD全例に認められるでしょうか? 答えは否です。

実熱のある症例に出くわしたことは極めてまれでした。急性型のIgA腎炎や、急速進行性IgA腎炎の場合にいわゆる発熱を伴うことはあります。しかし、慢性化した自覚症状の無い症例では、虚熱に関しては、午後の潮熱などは滅多に出くわしません。体温変化を延々と3年ほど大学病院時代に計測したことがありますが、典型的な陰虚火旺に相当する患者はいませんでした。しかし、陰虚の証である、口干 煩躁 舌紅苔黄あるいは少苔の証は少数ですが確実に存在してきます。それで、補陰(清熱)の治療が、腎炎の慢性化を予防できるのではないかという考えが出てきます。また、脾虚不摂血を疑うも、少気懶言や面色萎黄などの典型例にも出くわしておりません。但し腎機能が低下して腎不全になると、確かに顔色は悪くなります。腎性貧血がさほど進んでいなくても顔色に華が無くなります。それで、健脾薬を進展防止に使用するという発想が出てきます。

IgA腎炎は、CKDの中でも、形態学的に特徴がはっきりしているものです。中医学的な弁証で診断できる疾患分野ではありません。腎生検の腎糸球体のメサンギウム基質にIgAを主体とするdepositが電子顕微鏡と蛍光顕微鏡検査によって確認できるもの以外にIgA腎炎はありません。

したがって、病理初期においては、中医学の弁証は不十分極まりないものです。しかし、腎炎が慢性化すると、特異的な中医学的な「証」が出現してきます。前述しましたが、凉飲を好み,手足の中心が熱く感じ,便秘気味で,絳舌少苔,脈が細数などの陰虚火旺などが相当します。知柏地黄丸小薊飲子等の合方を行います。具体的には、知母黄柏生地、(あるいは熟地黄であるが生地黄が滋陰清熱という意味で適当であろう)、山萸肉女貞子旱蓮草牡丹皮側柏葉大薊小薊益母草白茅根石葦などです。女貞子、旱蓮草は養陰剤です。大薊、小薊は涼血止血に働きます。石葦は利水通淋剤に属しますが、蛋白尿の軽減に作用することが経験的に確認できている涼薬です。免疫調整のために白花蛇舌草を使用する場合もあります。ただし、何を治療効果の指標にするかというと明確ではありません。西洋医学的には、進行性のIgA腎炎の場合には、扁桃摘出とステロイドのパルス療法などを行いますが、免疫複合体産生の場の扁桃腺を摘出し、炎症を抑えると同時に免疫抑制目的にステロイドを使用するという発想に基づいています。これはこれで、治療効果の的確な指標がありません。何度も腎生検を繰り返すわけにはいきませんので、形態学的なフォローアップは無理であり、臨床検査所見、特にGFR(糸球体ろ過値)を追いかけることになります。

気陰両虚の証といえば、われわれ中医学を学んだものは「これか」と納得する脈や舌の象があります。シェーグレン症候群などで、しばしば見ますが、補気、補陰ともに行います。具体的には黄耆、生地黄/熟地黄、山薬、杜仲、枸杞、山萸肉、党参、当帰、丹皮、沢瀉、甘草、田七人参、玄参、丹参、益母草、白茅根などです。丹参、益母草、白茅根などは、あくまで、涼血活血という弁病的な論治です。丹参には抗活性酸素作用を期待して使用しています。蛋白尿が強ければ、黄蓍を生黄蓍に変え、升麻、覆盆子、金桜子、枸杞、欠実などを加味します。いよいよ、腎不全ともなれば、補陰助陽、利水祛瘀を治則としますが、すでに手遅れの状態であり、腎機能の改善(人工透析への阻止)を達成することは困難になります。したがって、GFR40ml/分を切らない段階に漢方治療を併用しなければなりません。まだ、発症と進展機序が解明されていませんので、清熱解毒、涼血活血化瘀(散血)、気陰双補を行います。玄参、丹参、益母草、白茅根などは、証の如何を問わず、弁病論治として必要な薬剤です。中国の医案(症例報告)にはやや誇大な報告が多く、尿の潜血は消失するとする報告がありますが、誇大な報告といえるでしょう。

しかし、現実的に初診時、すでにGFR20ml/分を下回っても、1年以上、いまだに高窒素血症の進展を阻止できている私自身の症例もあります。柴胡剤(黄芩を含む)は私に迷いがあり使用していません。尿酸は西洋薬で可及的に下げ、降圧剤はACE阻害剤、ARB剤、Ca拮抗薬に限り、一日2回服用を原則とし、高脂血症にはスタチン系薬剤を併用します。

生薬の基礎医学のさらなる進展を期待して止みません。

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What made Marilyn Monroe smile and cry? Original wood cut by Dr. Kojin

Traditional Chinese medicine says[悲即気消] excessive grief exhausting qi.

ドクター康仁 記


要薬(ようやく)考 No4 大黄 厚朴

2012-11-06 00:15:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

本日の漢方市民講座は「要薬No4 大黄 厚朴です。

大黄 だいおう ダーフアン 苦寒 別名 将軍、川群、錦紋、帰経は脾胃大腸肝心包

効能:攻積導滞 抑菌止血 活血祛瘀 清肝利胆 清熱瀉火 清解毒

芒硝は玄明粉の別名があり、天然の含水硫酸ナトリウム或いは、ほとんどが結晶硫酸マグネシウムです。現在、便秘の西洋薬の「カマグ」「マグミット」はより純度の高い硫酸マグネシウムです。中国の家庭的では、スイカの中身をくりぬき、芒硝をいれて風通しのよい日陰に置く数日で外側に析出してくる西瓜霜が有名で咽頭痛に効果があります。

大黄と芒硝の共通点は下通便、清熱で、芒硝には便を柔らかくさせる作用があります。

大黄と芒硝の相違点は大黄には腸蠕動増強作用、解毒涼血作用、血分での活血作用がありますが、芒硝にはありません。逆に、芒硝の便を軟らかくさせる作用は大黄にはありません。大黄の効能を要薬すれば以下のようになります。

     下攻積積は食積の積 単品で10g泡服 

実熱+便秘 に効果下攻積の要薬とされ」

熱積に効果があります。

湿熱下痢にも使用する:(細菌性の下痢など)

里急後重の症状を伴います。

(一見反治に見えるが、湿熱を早期に

排泄させる「熱通腸」の考えに基づきます)

寒積便秘にも方剤配合で使用します

清熱瀉火石膏と効果似る(意識不明の高熱など)

      大黄は陽明腑熱を払います

 「引熱下行」「上病下取」「臓熱を腑から取る」

  肺熱、扁桃腺炎の熱などに効果があります

清熱解毒できもの一般、火傷 歯痛、瘡瘍

活血祛瘀(血分での涼血祛瘀作用)

婦人科の悪露、捻挫、打撲の

  血の対処方法:熱性のもの-大黄

          寒性のもの-大黄+温里薬

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スライド1 大黄は根茎或いは根を乾燥させて作ります。

(写真はほとんどが本草綱目彩色図譜から引用しました)

大黄は短時間煎じることにより通便成分が出るが、長時間煎じると、反って収斂成分が出ることから、煎じる時間が大切です。


六味地黄丸 考

2012-10-18 00:15:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

六味地黄丸派生学 まとめ

まず六味地黄丸を中心とする派生のシェーマ図をご覧下さい。

Photo

六味地黄丸派生シェーマ

六味地黄丸は基本的な補腎陰剤です。腎陰腎陽は人体の陰陽の根源です。

腎陰は(体液、血液、涼、滋。潤す、など)と関係します。

じゅく さん さん ざー たん ふー 六味地黄丸の組成です。

熟 山 山   丹 

熟地黄 山茱萸 山薬 澤瀉 牡丹皮 茯苓

ジュクジオウ サンシュユ サンヤク ザーシエ ボタンピ フーリン

六味地黄丸 補陰の基礎方剤 三補   

熟山  

組成

性味

薬効

組成

薬効

熟地黄

君薬


終わりの「終活」なんて、チャンチャラおかしい

2012-10-17 00:15:00 | Marilyn Monroe マリリン モンロー

終活」なんて、チャンチャラおかしい。

No1_marylin_m_shixiao_san

写真1

Marilyn Monroe Shixiao San, promoting blood circulation and removing blood stasis to relieve pain ,  Dr. Kojins original JPN

医者の立場から言わせて貰えば、「永眠できそうですね」と「棺桶」の中で、相好を崩すリポーターを見ていると、「いつも寝ているような」貴方が「永眠」と、失笑してしまう。

修羅場から一転「無の世界」が私の感想。したがって、その「終活をビジネスにしている連中」を見ると、「これは、金がからむから切実だな」と思う。

あんたの奥さん、綺麗やったな」と言われたところで、

葬式代金を保険で払ってくれた」と感謝されても、

少ない遺産をめぐり、血みどろの争いを子供らに残しても、

100万やそこらのはした金で殺し合いが起こっても、

修羅場が終えれば「後は知りようがない

追加すれば、

葬式に元愛人が乗り込んできて、それこそ修羅場が展開したり、借金取りが押しかけて「金払え」「そんな、知りませんよ、死人が作った借金ですから」と、白をきろうとも「おい、ここ見てな、ちゃんと連帯保証人の、あんたの判子、実印だよ。逃げられると思っているンかいな。覚悟しときい」と来る。

仏さんは「永眠中」で、やがては「地に帰る」「Dusts to dusts

の世界だ。

遺産を5億、残したとする、

五人の子供とソノ配偶者が、

最後まで看病したのは私ら!」「いや、長男の立場は私たち

「お父様は、本当は私を好いてたんです」と普段疎遠だった嫁。

修羅場を生きればそれでいいのだと思う。

プロの「お葬式」のほうがまだマシだ。ボガード張りに、「そんな先までは知っちゃいないぜ」でいい。

そのうち、遺言状が出てきて、「遺産は一切、愛猫のリリーに遺す」なんてことになったら、猫毛アレルギーだった嫁の一人が、酔っ払いの旦那に食わせている「キャットフード」を買いに走る。「猫が死んだら、遺書はどうなる?猫は書けないな。リリーより長生きしよう」と阿呆の道楽息子が、それを上回る強欲の妻にしゃべる。

  なんたる「みっともなさ

民主党も日教組なんて切らなきゃ目がでない輿石が出てくるたびに支持率が下がるのだから、「裸一貫」の死ぬ気になれば、野田にも目が出てくる。

安住は良くない。無策だから、円高がどんどん進む。間抜け顔の裏に、死んで仏になった、中小企業者の怨念が背後霊のように、貼りついている。

彼も「修羅場を生きる」と無関係、ただの坊ちゃんである。この原稿を書いている時点で内閣改造になるらしいが、財務大臣は荷が重い。更迭だろう

彼もと言ったのは、ここぞという時「打てないバッター」の安部坊ちゃんの並びと感じたからだ。

オウムを散々かばった、シマダが「葬式はいらない」とかなんとか、ベストセラーになっている。 いんちき学者に弱いのが国民であり、あおるマスコミはもっとタチが悪い

本日の漢方市民講座