古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第八章 レディ・ワシントン号・その十六

2011年10月22日 09時35分51秒 | 古文書の初歩

 

 

 

淑女ワシントン号第五ページ(上の写真)

解読  (難計)候旨、大高源右衛門、稲葉七左衛門より申来候付

    仍之各為心得申越候。以上。 戸口与六兵衛

    四月三日 亥下刻出郡御役所二ツ印

           同 四日 申中刻着

読み方 (計り難く)候旨、大高源右衛門、稲葉七左衛門より申し来り候に付き

     これに依って、おのおの心得の為申し越し候。以上。

                    戸口与六兵衛『とぐちよろくべえ』

     四月三日 亥下刻 出 郡御役所二つ印

            同四日 申 中刻 着 

解説   大高源右衛門、稲葉七左衛門はいずれも藩の古座在勤目付と思われます。 「申し来たり」の次の点は「候」。 二行目一番上は「仍之」・・・「これに依って」。 「各」・・・おのおの。 「為心得」・・・心得のため」。いずれも読むのは難しい字です。 「申越」・・・申すはアルファベットのPと言う字に見えます。 「越」の下に「候」。その下に「以上」が有ります。 「戸口与六兵衛」は和歌山藩の周参見代官。 日付は「四月三日」ですが、月も日も難解です。 その下の小さい文字の但し書きは、上の写真では読むのはむりですが、「亥下刻」は深夜十一時頃。 次は「出」・・・出状の意味。 「郡御役所」・・・周参見代官所」。 「二つ印」・・・緊急度・重要性の二番目を表す。「印」という字は一部欠けているので読むのは無理です。文章の流れから読みます。 但し書きの二行目、最初は「同」(四月の事)。 「四日」 「申中刻」は午後四時。 最後は「着」・・・書状到着の日時。