古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第八章 レディ・ワシントン号・その一

2011年10月07日 11時56分28秒 | 古文書の初歩

和歌山県東牟婁郡串本町串本駅前に建l立されている、レディ・ワシントン号の記念碑です。アメリカの商船で、寛政三年(一七九一年)、僚船グレース号と共に、串本町に来航しました。ペリーが黒船四隻の艦隊で下田に来航した六十二年前の事で、この史実を記念して、串本町樫野に「日米修交記念館」がメモリアル・ホールとして建てられています。

この史実は、戦後アメリカ側の史料によって明らかになったもので、アメリカではよく知られているとのことですが、日本ではほとんど有名になっていません。串本町では、前記「日米修交記念館」や、この駅前の「記念碑(串本ライオンズクラブ寄贈)」等により、日本とアメリカの最初の接触は、ここ南紀串本から始まったと言う歴史をPRしていますが、広く知られるまでに至っていません。

佐山和夫先生による、ドキュメント「わが名はケンドリック」でも、この史実は紹介されていますので、お読みになった方も多いと思いますが、ケンドリックとは、レディ・ワシントン号の船長です。 (台のレリーフ)

第七章 異国舩騒動は、寛政二年の日付になっていますが、引き続き寛政三年の「異国舩騒動」の古文書を、第八章 レディ・ワシントン号 として続けます。この文書は、先のと同様古文書としては、難しい方ですが、この歴史的事件を直接読んでいただく為、敢えて挑戦するものです。難しいと同時に長い文章ですが、ご辛抱して勉強してください。古文書では勿論、船名も来航の目的も分かりません。ただ鎖国時代の事で、紀州藩沿岸では、大騒ぎしたことでしょう。

前置きは此処までとし、明日から古文書現物に入ります。