古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第八章 レディ・ワシントン号・その四

2011年10月10日 09時21分06秒 | 古文書の初歩

 

 

 

淑女ワシントン号第一ページ(上の写真の七行目と八行目)

解読

汐懸り躰ニ相見へ候旨、注進申出候。昨廿九日、黒嶋

沖より南沖へ走出ス模様ニ相見へ候得ども、南

読み方

(黒嶋沖ニ)汐懸かり躰に相見え候旨、注進申し出で候。昨二十九日、黒嶋

沖より南沖へ走り出す模様に相見えそうらえども、南(風)

解説 「汐懸り」・・・潮の様子を待つ為に、船を泊めること。「潮繋り」(広辞苑)とも書く。 「躰」・・・『てい』と読む。何々の様子に、何々風に。 「注進」・・・難しいですが、三行目にも出ました。「進」の崩し方は、推定の不可能な崩し方で、覚え込まなくてはなりません。 「申出」の「申」はPの字のようです。「出」の次の点は「候」。 「昨廿九日」・・・この文書の作成日付は、あとで出ますが、三月三十日です。 「日」の字はちょっとややこしいですが、他に読みようがないので、「日」にしておきます。 「黒嶋」・・・「黒」は六行目にもでましたが、こんな書き方です。 「沖より」・・・「より」は合成文字。 其の下は「南沖ヘ」。 「走出ス」・・・「走」もこのように書きます。「ス」と送り仮名が付いています。 その次は「模様」。