今日、とある授業で『あやつられ文楽鑑賞』『仏果を得ず』の2冊の本を紹介していました。両方とも三浦しをん作品です。V。
そんな私がこの前読み終えたのは『月魚』三浦しをん(著)でして…
また作家読みしそうな勢いでハマっています。というか、もう既に始めています。
今も三浦さんのエッセイを読んでいる途中です。
『月魚』三浦しをん(著)は、古書とそれにまつわる人間の物語です。
その業界では名の知れた古書店『無窮堂』。本田真志喜は若いながらも店主として店を切り盛りしています。瀬名垣太一は店は構えずに古書の世界に生きる人間で、本田とは小学生のころからの友達です。友達と言っておきながら、二人の間には長いこと一定の距離があり、その原因となった出来事は彼らの小学生時代までさかのぼります。
そんな二人のもとに一件の仕事が舞い込み、依頼者の岩沼美津子は、亡くなった夫の書物を鑑定して引き取ってもらいたいと、瀬名垣と本田に鑑定を任せます。
が、岩沼の親族に反対され、ならばということで古書業界ではタブーとされている、他の同業者との鑑定対決がなされることに…しかもそのほかの同業者というのが、『黄塵庵』と名乗る、姿をくらましていた本田の父親だったのです。
若いながら古書に愛された二人VS勘はないが古書を愛する者…勝敗の行く末に、本田と瀬名垣の友情は、少しずつ、出会った頃のように近付きます。
二人ともお互いを本当は普通の友達のように気が置けない仲になりたい、と思いつつも、瀬名垣は過去に犯した本田の父への罪に葛藤し、本田は自分と祖父を見捨てた父親を思い、瀬名垣にはただ申し訳なさを感じているのです。
この歯がゆい感情の動きが物語に時々現れ、その度に本田の薄い身体がパリンと割れそうで、瀬名垣の拳が己へ打ち込まれそうで…
古書の世界で生きる事の難しさ、それでも古書に生きたいと思う心。
どんなに素晴らしい本でも、本当に必要とする人の手元へ渡らなければ、本は死んでしまう、そんな事も書かれていました。図書館に蔵書として寄贈されても、書庫で朽ち果ててしまっては勿体無い、むしろ可哀想だという事です。
時を越えて現代へやってきた古書は、その中に著者の生きた時代が詰まっていて、現代に生きる人の知恵となり、記憶となり、思い出となります。
古書の商品としての駆け引きから、一冊に込められた思い出、家族と友達の繋がり…たかだか一冊、されど一冊。
本と出会うか出会わないかで、運命は大きく変わるのかもしれません。。。
そんな私がこの前読み終えたのは『月魚』三浦しをん(著)でして…
また作家読みしそうな勢いでハマっています。というか、もう既に始めています。
今も三浦さんのエッセイを読んでいる途中です。
『月魚』三浦しをん(著)は、古書とそれにまつわる人間の物語です。
その業界では名の知れた古書店『無窮堂』。本田真志喜は若いながらも店主として店を切り盛りしています。瀬名垣太一は店は構えずに古書の世界に生きる人間で、本田とは小学生のころからの友達です。友達と言っておきながら、二人の間には長いこと一定の距離があり、その原因となった出来事は彼らの小学生時代までさかのぼります。
そんな二人のもとに一件の仕事が舞い込み、依頼者の岩沼美津子は、亡くなった夫の書物を鑑定して引き取ってもらいたいと、瀬名垣と本田に鑑定を任せます。
が、岩沼の親族に反対され、ならばということで古書業界ではタブーとされている、他の同業者との鑑定対決がなされることに…しかもそのほかの同業者というのが、『黄塵庵』と名乗る、姿をくらましていた本田の父親だったのです。
若いながら古書に愛された二人VS勘はないが古書を愛する者…勝敗の行く末に、本田と瀬名垣の友情は、少しずつ、出会った頃のように近付きます。
二人ともお互いを本当は普通の友達のように気が置けない仲になりたい、と思いつつも、瀬名垣は過去に犯した本田の父への罪に葛藤し、本田は自分と祖父を見捨てた父親を思い、瀬名垣にはただ申し訳なさを感じているのです。
この歯がゆい感情の動きが物語に時々現れ、その度に本田の薄い身体がパリンと割れそうで、瀬名垣の拳が己へ打ち込まれそうで…
古書の世界で生きる事の難しさ、それでも古書に生きたいと思う心。
どんなに素晴らしい本でも、本当に必要とする人の手元へ渡らなければ、本は死んでしまう、そんな事も書かれていました。図書館に蔵書として寄贈されても、書庫で朽ち果ててしまっては勿体無い、むしろ可哀想だという事です。
時を越えて現代へやってきた古書は、その中に著者の生きた時代が詰まっていて、現代に生きる人の知恵となり、記憶となり、思い出となります。
古書の商品としての駆け引きから、一冊に込められた思い出、家族と友達の繋がり…たかだか一冊、されど一冊。
本と出会うか出会わないかで、運命は大きく変わるのかもしれません。。。