citron voice

詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

野川朗読会2~そうかわせみ朗読会~

2011-06-05 21:22:54 | 日記

本日、成城ホール集会室にて『野川朗読会2~そうかわせみ朗読会~』が行われ、大学時代の先輩と共に聞きに行きました。

前回は一昨年の秋も深まる十一月に開催されました。
今回はこの梅雨入りした六月、テーマは引き続き“野川”(川・海・水)と、“自分の好きなもの”、による詩・小説の朗読、また即興イベントとして“そうか!(わせみ)”とひらめいた言葉を発するという試みもやっていて、聞いていてとても面白かったです。

と、詩人の朗読を拝聴する一方で、私の本当の目的は、小説家・長野まゆみ先生そして長野先生と長い間友人である詩人・田野倉康一さんの対談でした!
いや、詩人の方々の朗読は本当に勉強になります、声で表現することについて。
しかし、このお二人にかかると、東京という首都は一故郷であり、新都心でありながら昔からの道は残っていて、それでいて開発をしているから海抜0m地帯が“トーキョー”にも存在する、と、地理的な話にどんどん深入りしていきます。
昨年の夏に刊行された長野まゆみ先生の小説『野川』には、長野先生が調べ尽くした限りの東京の地形、地歴が物語と上手く織り込まれていて、だからこそ、田野倉さんとの対談で東京の地歴を語れるのだと圧倒されました。

ちなみに、『野川』長野まゆみ(著)は今年の高校生向けの課題図書にも指定されています。
物語の舞台は東京、野川の近くにある中学校に転向してきた主人公が、新しい生活環境(学校、部活、家庭)を徐々に受け入れて精神やアイデンティティーが成長してゆく……平坦に見える物語に起伏をつけているのが東京にまつわる地歴の情報であり、主人公そして部活の先輩の家庭環境の変化に見られます。
続きは本編にてお楽しみください!
新作『デカルコマニア』は長野まゆみ先生が、実はかなり地歴好きという事がよく分かる既刊『メルカトル』に通ずるものがある気配……一長野ファンとしての勘ですが、笑

朗読会が終わったあと大学時代の先輩と共に、ファンとして長野先生からサインを頂戴したり、コトリコに載せるイラスト(仮)を見せて戴いたり、と濃密な30分間を過ごせました。
照明が節電の為に使えず、長野先生が取り出した懐中電灯はファンには“あの物語で誰が使っていたマグライトに見える!”とこっそり盛り上がっていました。

ディナーは先輩と某百貨店にて、長野先生・作品や、詩と小説の違い、朗読による表現方法について語り、大満足な一日の終わりをむかえる、

と、思いきや。

気まぐれな六月の雨が雷雲を連れてきたからこりゃ大変!
千鳥模様の折りたたみ傘を盾にして、全力疾走する帰り道、頭の中に流れるのはマンドリン作曲家のクラウディオ・マンドニコ作/Music For Play第一楽章、迫り来る何かから逃げるような楽曲に背中を押されて、ようやく家へ到着しました。