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詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

こぞことし・2018

2018-12-28 18:53:34 | 日記
今年も残りわずかとなりました。
なので、思い出せる限りでの振り返りをしたいと思います。

ご縁があって参加させていただいたイベントが、今年は多かったような気がします。
2月には「Support Your Local Poet 番外編 川口晴美と、詩と遊ぶ」がありました。
こちらは、雑誌『現代詩手帖』で川口晴美さんが企画された、あるシチュエーションで詩歌句を書く試みでした。
その朗読会では、言葉が肉声になって瞬間的に消えていく感覚が、提示されたシチュエーションのほとんどに共通している儚さとマッチしていると感じました。

4月には「読書会『さくら、うるわし』を読む」がありました。
長野まゆみさんが主催された初めての読書会に、司会役としてお話しさせていただきました。
主に、『さくら、うるわし』を読んで疑問に思ったことを長野さんに質問して回答をいただく形式だったかと思います。
戌年にふさわしい、犬づくしの一冊を、桜蔵君の季節でもある春に、読書会として開催されたことは、一ファンとしても嬉しかったです。

7月には毎年恒例の『野川朗読会・9』がありました。
トークテーマは、「『銀河鉄道の夜』のケンタウル祭りをケルト的に読む」的なものでした。
12月に発売された、長野まゆみさんのご著書『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』にまつわるトークにもなっていました。
ジョバンニではなく、カムパネルラを主人公として『銀河鉄道の夜』を読み解く試みがなされています。
今までとは違った角度から『銀河鉄道の夜』が浮かび上がってきます。ぜひ、ご覧ください。

12月は「ポエトリー・イン・ダンジョン 直角はありません」が、5日間にわたって開催されました。
画家の蒜山目賀田さんとのコラボレーションは刺激的で、でも絵と詩を組み合わせたときには静謐な感じが漂っていて、面白かったです。
私はこの展覧会のために作った詩を朗読させていただきました。地下室での朗読はマイクがいらないほど声が響いて驚きました。

寄稿させていただいた同人誌では、とくに共有結晶さんの『共有結晶vol.4』が印象的でした。
短歌は大学の授業で少し習ったのですが、そのときの先生も、57577の世界で自由に詠むことの楽しさを教えてくださいました。
私にとってBL短歌は「BLとして短歌を感じたり詠んだりしていいんだ!」と、そのぽつんと開いていた入り口と出会ったのはもう数年前になりますが、未だに楽しい遊び場であり、思考の場です。
解凍詩はvol.3で寄稿しましたが、まさか自分が、『共有結晶』に短歌作品を寄せる日が来るとは思っていなかったので、本のなかに私のBL短歌が収められていることがとても嬉しいです。
共有結晶さんいわく、区切りの号になるそうですが、時間を置いて再出発される日が来ることを望んでいます。

文学フリマ東京には、春と秋に稀人舎さんのブースで参加させていただきました。
秋には新刊「BL詩歌集 兄の器」を作ることができました。
これは、第一詩集の『フラット』で試みた尾崎放哉の句から広げた詩を書くことにも繋がりますし、共有結晶さんたちのBL短歌と解凍作品の関係性から触発された部分もあります。
やりたいことを詰め込んだ薄い本です(笑)

来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、実はすでに美術家さんとのコラボレーション企画に参加させていただいており、その展覧会が2019年の9月頃を予定しています。
出来上がった作品もあり、まだ打ち合わせが必要な作品も準備していたりと、そんな状況です。
また春と秋には、文学フリマ東京に参加すると思われます。
来年も小さな新刊が用意できたら良いなと思いつつ、今は徐々に近づく締切の文章を書くのに試行錯誤の日々です。
あとは、大きな詩集の準備も細々と続けて、いつか良い形にもっていけるよう頑張りたいです。

生活環境が大きく変わった一年でもありました。
来年の抱負としては、時間の使い方を考えなおし、できる時にできることと向き合う、当たり前だけどなかなかできない、自分の時間やペース配分を作っていくことが、来年にはもっとできたら良いなと思います。

今年もよくここまで生きてこられた自分を褒めつつ。
来年も生きることを苦しく思わない程度に生きたいです。

ポエトリー・イン・ダンジョンvol.1 直角はありません 終了しました

2018-12-12 12:21:57 | 主な仕事の記録
「ポエトリー・イン・ダンジョンvol.1 直角はありません」が無事に終了いたしました。
ご来場いただいた皆さま、イベントを気にかけていただいた皆さま、有難うございました。

私は画家の蒜山目賀田さんと一緒に組んで、絵と詩のコラボレーションを行いました。
実際の展示は、写真のような形で、コンクリートの壁に絵と詩を配置していきました。
絵と詩のテーマは「地下室の湖」です。





ここからは、12月8日(土)に、私のリーディングイベントのときにお話しした、制作過程の流れを書いておこうと思います。

蒜山さんと一緒に何かをするのは、これが初めての機会でした。
顔合わせを兼ねた打ち合わせの初日だったと思いますが、どのようなテーマで「ポエトリー・イン・ダンジョン」の作品を作っていこうか、話し合いました。
色々なアイデアが出たなかで、蒜山さんと私が選んだテーマは「地下室の湖」でした。
ダンジョンの地下室に湖が出現したら、というイメージのみを共有して、作品作りはそれぞれで行いました。
途中、一回だけメールで絵と詩を交換して、どんなものを作っているかお互いに把握しましたが、全貌が明らかになるのは、搬入の当日です。
搬入の日、ダンジョンの地下室で、絵と詩を並べながら神経衰弱のように、作品同士を組み合わせていきました。

画像を見てお分かりかと思いますが、詩と絵は段ボールに書きました。
蒜山さんも私も、段ボールに絵や詩を書くことは初めてでした。
私は、段ボールという身近な素材で、書き損じてもすぐにスーパーなどで手に入る、くらいに気楽な感じでいましたが、いざ詩を書き始めたときは集中していました。
おかけで書き損じることなく、用意していた段ボールに10編の詩を書けました。
蒜山さんは、普段なら変えることの出来ないキャンバスのサイズに合わせて絵を描きますが、段ボールの場合は大きく描いた作品も、周りを切り取ることで小さな作品にする事ができて、それが新鮮な体験だったとおっしゃっていました。

「地下室の湖」というテーマとの距離感は、難しくも楽しかったなぁと思いました。
私は地下室のある地上世界にも思いを巡らせて、地下だけではない風景を詩で書こうと意識しました。
大きな壁に作品を集めた壁が、メインの展示にはなりましたが、ダンジョンの出入り口の壁にはじまり、バーカウンター、余白があった壁、通路の壁など、作品を転々と展示できたことで、流れが生まれたように思いました。
私は詩を10編用意し、蒜山さんは絵を13枚用意してくださって、必ずしも詩と絵は数として対応してはいませんが、言葉の余白に絵がそっと佇んでくれていたように思います。


あっという間の、濃厚な5日間の展示が終了しました。
他の参加者の皆さんの展示も、地下室に飲まれないような迫力や気配があって、素晴らしかったです。
また、物販に詩集や手作りの本を置かせていただけて、普段、詩集に触れることが少ないお客様でも、興味をもって立ち読みをしてくださったり、購入していただいたりと、嬉しい反応が得られました。
ダンジョンという特別な空間にご興味がありましたら、展示をしている際にぜひ、訪れてみてください。

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ポエトリー・イン・ダンジョンvol.1 直角はありません に参加します

2018-12-09 17:10:56 | 主な仕事の記録
12月上旬に下記のイベントに参加いたします。
詩人と美術家とのコラボレーションの展示イベントです。
私は、画家の蒜山目賀田さんとコラボレーションして、絵と詩の展示を行います。
私が出演するイベントは、12月8日(土)です。

皆さまのご来場をお待ちしております。

ポエトリー・イン・ダンジョンvol.1 直角はありません

【開催日】 2018年12月1日(土)2日(日)/7日(金)8日(土)9日(日)
    ※12月7日(金)は展示のみになります。
【時間】 13:00~19:00
【場所】 アート・スタジオDungeon
    〒173-0012 東京都板橋区大和町2-1
    都営三田線「板橋本町」駅 A3出口 徒歩8分
【入場料】無料

【展示】
(詩人×美術家)

生野毅×黒須信雄(画家)

田野倉康一×川田夏子(日本画家)

言水ヘリオ×タカユキオバナ(現代美術家)

江尻潔×藤白尊(画家)

広瀬大志×宇野和幸(画家)

そらしといろ×蒜山目賀田(画家)

川口晴美×相磯桃花(現代美術家)

【イベント】
各日17:00からの開催

12月1日(土)
〔リーディング〕田野倉康一、言水ヘリオ
〔パフォーマンス〕生野毅×秦真紀子(ダンス)

12月2日(日)
〔トーク〕+〔リーディング〕
柏木麻里(出光美術館学芸員)×江尻潔(足利市立美術館次長)×田野倉康一(司会)

12月8日(土)
〔リーディング〕広瀬大志、そらしといろ
〔パフォーマンス〕永澤康太×山川英毅(ボーカリスト/作曲家)×玉塚充(パフォーマー)

12月9日(日)
〔リーディング〕タカユキオバナ、川口晴美
〔パフォーマンス〕石田瑞穂×村岡佑樹(ギター)×野澤夏彦(ギター)×レンカ(踊り)