citron voice

詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

聴いて極楽 見て地獄

2009-02-19 17:56:00 | 日記
ジョイントコンサートに向けて譜面を解読する日々が続いています。
自分はベースと言う、リズム取りが重要な楽器を担当している割に、本人のリズム感がいまいち冴えずにいます。
好きな音符は四分音符、八分音符、二分音符、全音符。
苦手な音符は付点とつく音符全てです。
シンコペーションがかった部分が苦手で、裏拍を感じてとダクターに言われると混乱しがちです。
今回弾く曲が、たまたま改訂版の譜面で、しかし、音源は改定前のものしかなく、音源を聴きながら譜面とにらめっこしてもなかなかイメージが浮かばず、とりあえず、MIDIで自分の譜面を打ち込んでみました。
合宿まで意外と時間がないです。何気に1ヶ月をとうに切っています。それまでに少しでも暗譜出来るよう…

曲の良さは一人ひとり感じる部分が違っていて、勿論、その曲を特別好きだとも思わなければ、逆に嫌いと思うこともあるわけで。
言うなれば、聴くと弾くとじゃ大違いってところです。
簡単な曲を弾きたい訳ではなく、難しくても乗り越えたいと思えるような曲を見つけて弾きたいと思っていて、でもまだ“これこそは!”と思える曲に出会えておらず。

価値観のなすりつけあいだけは避けたいのですが、現状はその通りで、醜い争いをいち早く終わらせるべく、恩師にすがりついてみようかと計画していたりします。。。

今度こそ、君に、貴方に、あの人に…

2009-02-15 17:50:52 | つくりばなし
いつからだったか覚えていないが、ずっと喉の調子がおかしく、喉の奥がちくちく痛み、声がしゃがれている。
それが今朝、大学のゼミ仲間からかかってきた携帯電話に出ようとしたら、とうとう声が出ない。
慌てて、電話の用件をメールで返事するのと一緒に、今日は自主休講することを伝える。
熱っぽさは感じないから、流行のやっかいな病気とは違うだろう。

健康だけは自慢で、小中高と皆勤賞こそ取っているが、成績はそれに比例するわけではない。
昨日までは大学に入学して以来、一度たりとも授業を休んだ事がなく、更に、一人暮らしを始めたこの土地の病院に行くのは初めてだ。
だから何処其処の病院が良いだとか悪いだとか、ご近所の評判を知らないまま、はて、こんなところに病院なんてあったかしらと、僕は一軒のそれと思しき建物の前に辿り着いた。

毎日のように通っている道なのに、ずっと見落としていたのだろう。
近代的で規格化されたような変わり映えしない家が立ち並ぶ住宅街に、平屋でスレート屋根に板壁という姿は、時の流れがそこだけ逆流したかのようだ。
玄関のインターホンの上には、たしかに“病院ですよ”と訴えかけるように木製の、墨で書かれた看板がかけられている。

引き戸をがらがらと開けてみたら、玄関の右手に受付があった。その後ろは、クリーム色のつい立で仕切られているが、診察室のようだ。
「おはようございます、今日はどうなさいましたか?」
僕の母親くらいの年だと思われる女性が、白い看護師の服に紺色のカーディガンを羽織って受付にいる。
僕は持ってきたメモ帳に雑な字で症状を書き、その看護師に渡した。
待合室には僕のほかに誰もおらず、茶色い革張りのソファーに腰掛け周りを見渡すが、これと言っておかしな部分もなく、普通の、ちょっと古めかしい病院らしい。

診察室のドアが開いて、中へ入るよう受付の看護師に促された。
中に居たこの病院の長であろう男性の医者は、意外にも若そうで、30代後半くらいに見える。
「声が出ないそうですね。早速喉を見てみましょう。」
口を開けて、と言われるがままに大口をぽっかり開けた。こんな体勢、何年ぶりだろう。
医者はペンライトも使って喉の奥を照らして見ている。そんなにやっかいな事になっているのだろうか。
「あぁ…棘があるので、それが炎症を起こしているようです。」
棘?鯖定食なら昨日、学食で昼休みに食べたが、別段、骨が刺さった記憶はない。
しかも、医者は“骨”ではなく“棘”と言っている。
「今から棘を抜いて消毒します。」
口を開けっ放しにするのも少々疲れてきた。
炎症を起こしている部分にミントのような消毒液の感覚が心地いい。
銀色の小さなトレーの上に置かれていく、僕から声を奪った棘。
「全部取れました。声は出そうですか?」
「ん…あ、どうにか、出せそうです。」
思わず喉元に手を当ててみた。しゃがれている上にとても小さいが、これは声だ。

「いや、しかしこれは珍しい。」
棘を観察しているらしい、医者が顕微鏡を覗きながら言う。
「貴方、いつだったか、言えなかった言葉がありませんでしたか?」
「言葉、ですか?」
「えぇ、貴方が言えなかった、言いそびれた言葉です。それが棘になって生えてしまったのです。」
とても真面目そうで、細い黒縁の眼鏡をかけた医者のらしくない発言に、僕は医者の身分を怪しむ。
「、そんなこと」
「では、これを覗いて御覧なさい。見えるでしょう?」
医者に代わって顕微鏡を覗く。

見えたのは、“ありがとう”と“ごめん”と、あともう一つの言葉。

こんな事があるのかと呆然とする僕を知ってか知らずか、医者は黙々とカルテに書き込み、処方箋を作っている。
「炎症を抑えるトローチを出しておきますから、1日3粒を目安に舐めてください。」
「あ、ありがとうございます。」
「この症状は、過去にある思い当たる節に、その言葉をちゃんと相手の心へ届けなかった事で発症します。大事な時の言葉ほど、棘になりやすいですから、以後気をつけてください。」
優しげな眼差しと、その説明は胡散臭いことこの上ないが、まぁ声は出るようになったし、トローチも処方してもらえたなら良いか、と半ば自己暗示にかけるように納得した。

診察室を出て暫くしたら名前を呼ばれ、会計を済ませて例の薬をもらった。
「こちらは3日分のトローチになります。どうぞ、お大事に。」
何だか妙に懐かしいような病院の雰囲気に惑わされているようだ。
会釈をしてから一歩二歩と玄関の外へ出て、早速、もらったトローチを一つ舐めてみる。
天気は一足早い春の心地、どこからか梅の花の匂いが漂ってきた。
何気なく病院を振り返ってみたが、それは確かにそこにまだある。
トローチの、甘くて透き通ったミントが喉を通り抜けて、体中を巡る。
さっき、顕微鏡に映し出された言葉の記憶が蘇って、体中を巡る。

授業中、居眠りをしていた僕の分までプリントを取っておいてくれた時のこと。
ゼミ仲間と予定していたバーベキューを断って、小さな嘘をついた時のこと。
この前、チョコレートをもらった時のこと。

雲一つない大きな一枚板のような青空に、自分の器の小ささや、情けなさを感じる。

誰も通らない、午前11時過ぎの住宅街の道。
何にもない空中に、言えなかった言葉を好きな歌に変えて歌ってみる。
名前も知らない小鳥だけが、コーラスをしてくれた。

陽光暖かく

2009-02-12 22:41:46 | 日記
今日から春休みの部活が始まりました。丁度1ヶ月ほど楽器から離れていたので、指先が柔らかくなってしまい、久しぶりのピッツに右手人差し指は早速、腫れてしまいました。
とうとう、4年生のベースの先輩も部活から去り、一人ぼっちのベースパートです。と言う事で、楽器を変えました、軽量級の煎ちゃんからヘビー級のショコラへ。
冬場は煎ちゃんの調子が最高に悪くなるのですが、ショコラは割合、常に調子のいい楽器なのです。唯一の不安は、いつ張り替えたか分からない弦を、さて張り替えるべきか否か。
チェリー、煎ちゃん、ショコラ。楽器も人間と同じで、三種三様です。

チェリーは1年生用楽器のため、使いやすく弾きやすい。
煎ちゃんは軽くて運びやすく、ピッツはびびるけれど、硬質な音が出る。
ショコラは重たいけれど、柔らかい大きな音が出る。

楽器として一番良い音を出すのはショコラなので、相性良く付き合っていきたいところです。
1年生の頃から使っていた松脂が底をつきそうで、先輩が使いかけていたものを使ってみたところ、ひどく硬く、ちょっと窓辺へ置いておいたら、危うくとろとろに溶かすところでした。
そんな、春らしい光の暖かさを感じました。

こないだ木枯らし一号がふいたかと思ったら、近日中に春一番が吹き荒れそうな予報を聞きました。。。

Mamma!!

2009-02-08 23:42:28 | 日記
昨日、とうとう『改造版 少年アリス』長野まゆみ(著)を買ってしまいました。
近々、旧『少年アリス』の文庫版を買って読み比べをしてみたいと思います。
ついでついでと、宮沢賢治の詩集や、長野作品『雨更紗』、長野先生のインタビューが掲載された雑誌等も本棚に並べる事となりました。
必要なモノを吸収して、自分の世界を作っていけるよう、植物に肥料をやるように、自分にはファンタジーが栄養源ということです。
勿論、偏りすぎにならないよう、時々別の栄養も補給しなければ…

さて、今日は映画『MAMMA MIA!』を母と一緒に観てきました。
作品自体も、母娘が本当の幸せを掴むまでを描いたもので、ところどころ共感するところがあり、思わずふき出してしまいました。
母の青春時代に流行ったアバの名曲が、とても効果的に映画に散りばめられ、全然飽きさせません。
舞台は空と海が美しい島。主人公は未婚の母:ドナと、結婚を控えた一人娘:ソフィア。
とても印象に残ったのは、映画の冒頭でソフィアの結婚式に出席するために、ソフィアとドナ、それぞれに二人の親友が島へ訪れ、久々の喜びを分かち合うシーンです。
日本では女三人よれば姦しいと言いますが、それを実際に描くとこうなる、と言わんばかりの賑やかさ、年齢に関係なく生命力溢れるパワーに満ちている親友三人組の姿が微笑ましかったです。
真の友情、いざとなったら腹を割って話せる仲は、若かろうが、年を取ろうが、一人一人の間にある絆の強さは変わらないものだ、と。
時間は関係なく、直感に似た感覚を感じた者同士が親友なのかなぁ、と。
ふと自分に映してみた時に、三人組と限定せずとも親友と呼べる仲間が傍にいて、映画に負けないくらいの幸せを持っていると思えました。

素敵な恋愛、ひと夏の恋愛、友情、家族愛…はじける明るさがあるからには影が生じる訳で、影の中に過去の涙が水溜りになっていても、それを乾かすくらいの温かさに溢れた映画でした。

アバの曲をマンドリンで弾きたくなりました。特に“チキチータ”の切ないメロディーは、マンドリンの音色にあっている気がします。。。

春は来ぬ

2009-02-04 23:58:46 | 日記
今日、カレンダーに春が来ました。昨日は豆まきに始まり、鰯の頭を飾り、恵方巻にかぶりつき、年の数を目安に豆を食べてと、節分を満喫しました。
昨日今日と、昼間は陽射しが暖かく、梅の花も早いところでは咲きそろいそうです。季節を意識した時に、目に季節に生きるものたちが初めて映ってくるのだと、今朝方読んだ新聞に書いてあったような…。

でも、実際そうだと思います。今、通っているキャンパスは四季の移ろいが楽しめる、桜並木や紫陽花の植え込みがたくさんあります。しかし、3年生に進級するとキャンパスが変わり、4月からは木々の代わりにそびえるビル郡の中で卒業までを過ごす事になります。
なんやかんや言いながら、今のキャンパスに愛着があって、春休みを最後に離れると思うと寂しいです…まぁ、私は部活の為に通う事になりますが、それでも。

ちょうどテスト期間真っ最中で、しかし、授業期間にテストが終わった教科も多く、こんなにのんびりしていて良いのか?と、手放してのんびり出来ず、妙な不安を抱いています。が、忙しい春休みの前の充電期間なのかもしれません。

と、ここにきて音楽作りに熱くなっています。たまたま昨年取った授業で使った、音楽作成ソフトの使い方が今更ながら分かるようになり、あちこち試しながらいじっています。

しかし、春の訪れはすなわち、花が魔法の粉を振り撒く季節の到来でもある訳で。冬以上に引き込もりがちになる季節です。。。

冬が去っていく風の音

2009-02-01 23:02:20 | 日記
月末読書記録、アップしました。

昨日からものすごい風が吹きすさび、猫の額ほどの庭にぽつぽつ置かれた植木鉢は意地でも倒れるものか、と思っていたかは分かりませんが、どうにか将棋倒しは免れました。
母が間違ってサクラソウのプランターにチューリップを植えてから何年か経ちました。昨年にいたっては、球根を取り出すことも忘れてしまい、今年芽を出すのかどうか…よく言えば、おおらかな自然溢れる庭である、ということです。

植物ネタでもう一つ。
昨年、父の誕生日にプレゼントした謎の多肉植物がひょろひょろと成長を続け、買ってきた当初は10~5センチだったのが、30センチ近くになりました。
土の代わりに石が敷かれ、一応そこに根付いているようですが、一定の長さに達すると、空中にもかかわらず根が伸びている事もしばしば。
青々とした葉の部分が何らかの拍子に取れてしまい、父が試しにシクラメンの植木に挿してみたところ、最近、子株のようなものが出てきました。
陽の光の方向に伸びてしまうので、茎はくねくねと曲がりながら、今日も今日とて窓越しの光を掴むように日光浴していました。

逃げる2月の最初の日。今日は遅起きしたのに、4時間近く昼寝してしまったおかげで、早速逃げられました。。。