citron voice

詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

#林檎刀剣企画2 椎名林檎×刀剣男士イメージソング企画

2016-02-27 01:32:58 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
#林檎刀剣企画2 椎名林檎×刀剣男士イメージソング企画
「透明人間」……東京事変2ndアルバム『大人』収録曲

刀剣短歌連作「疾風の彼ら」

見えているように俺を映す目に光る移ろう季節の切れ目 /和泉守兼定

縦横に交わる道で七色に混ざる噂話は濁る /長曽祢虎徹

だんだらの羽織の背から優しさのように漂う殺気が好きだ /加州清光

(親友と鍋を囲んで更ける夜の明けないことが正しさなんて、) /陸奥守吉行

あの人の心に僕はこのような姿で存在していた、五月。 /堀川国広

ことごとく僕らを通過していって目には見えない疾風の彼ら /大和守安定

伸ばす手が陽を透かさなくなってから、僕らは日々を色濃くまとう。



林檎さん好きとして気になった企画にちゃっかり参加してみました。


イメージソングは「透明人間」で、登場する刀剣男士は新撰組と龍馬の刀だった彼らです。
かつての主と共にあったときは、たぶん彼らは主には見えなかった。
でも、彼らは存在していて、主のことを色々考えていたら。
そんな場面を想って、刀剣短歌として創作してみました。

梅は咲いたか

2016-02-25 15:04:04 | 日記
大宮第二公園の梅まつり、2016年は2月20日(土)から3月6日(日)までの開催です。
ということで、行ってきました。ひたすら梅の写真の記事です。

つぼみも枝も赤く色付いていて可愛い。


正統派な白梅。
これはガクの赤い花だけど、ガクが緑のものもあった。


一つの木で紅白の花が楽しめる。
大学の庭にもこんな木があって、「源平」とかいう名前だったのを思い出した。


かんざしの花飾りみたいな咲き方の枝垂れ梅。
光もいい感じに薄紅色を帯びている。


松と梅。実際に見てもとても赤味の強い品種。
同じような色の梅に「大盃」という名前があって、母が気に入っていた。


白い枝垂れ梅。たぶんガクは赤ではない、緑だったかも。
枝垂れる姿が、全体的に薄緑の印象。


餅花みたいで、美味しそうな咲き方。


暖簾のような枝垂れ梅。
くぐったら平安の世界へ連れていってくれそう。


梅が枝に来ゐる鶯春かけて鳴けどもいまだ雪は降りつつ 『古今和歌集』より
歌碑の表面に映り込む梅の花。

【刀剣乱舞×詩】待ち人あり【 #刀剣詩】

2016-02-15 17:13:39 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
バレンタインデーだった昨日は、春一番が観測されたようです。
おかげで暖かく、近所の梅も一気に花開いて、春の訪れを嬉しく歓迎する反面、厄介な花粉症も到来してくれたようで、鼻がムズムズし始めております。
さて、今回の詩に登場するのは鶯丸膝丸です。
鶯丸と言えば、まだゲームには実装されていない刀「大包平」を楽しく話している刀。
膝丸と言えば、実装されたものの入手が難しい兄刀「髭切」を「兄者」と呼び慕う刀。
※なお、私の本丸には髭切がおらず、膝丸はいない兄者を呼び求める日々です。
なんだか似ている二振りの刀の、とこしえの春の日のこと。
タイトルは「待ち人あり」です。

………………

待ち人あり/そらし といろ

春告鳥はさえずる
深く沈んだきりの
彼方を弔うように

過ぎゆく時間を
すぐに忘れてしまう
ように忘れてしまわない
ために柔く噛んで温め続ける

おそらくは
名前のかたちをしている
言の葉の
艶めきは花の蜜のように
芳しく
とこしえに春を告げる鳥

鳥のさえずりで覚えた
優雅な彼の名前
麗らかなさえずりで
時の彼方を呼ぶ
ように呼ばれたい

傍らにはいない
兄の声を
彼のさえずりを通して汲む

最後の一滴ほど甘く沁みこんで

若葉は
うすみどりのまま
とこしえの春に揺られて待って居る

【刀剣乱舞×詩】襟巻に北風を巻きこんで【 #刀剣詩】

2016-02-04 16:13:40 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
昨日は節分、今日は立春。暦の上では春というやつです。
秋田藤四郎が以前仕えていた主は晩年、自宅での謹慎を命じられてずっと外へ出られなかったそうです。
とすれば、秋田君が外へ出られることやお土産話を喜ぶことは、前の主ができなかったことを代わりにやってあげているのかなぁ、なんて妄想が捗るわけです。
桃色の髪と空色の眼も、なんとなく、屋外や春をイメージさせます。
とはいえ、2月はまだまだ寒いので、季節の境目を秋田君視点で書いてみました。
タイトルは「襟巻に北風を巻きこんで」です。

………………

襟巻に北風を巻きこんで/そらし といろ

「春が来るよ」
誰かの訪れを期待するように
今日も誰かが口ずさむ
季節には足があるのだろうか
もしかすると羽根かもしれない

凍って動かない
窓硝子に滞在している冬
吐く息の白さを硝子に溜めて
指で描いた花の形の窓から覗く

庭の山茶花は散って
梅の枝先はほの明るい
空は曇りがちの日が続き
あともう一回雪を降らせて

冬は去ってしまうのだろうか

「冬が去るよ」
誰もそうは言ってくれない
また訪れるからと
挨拶も見送りもせずにいる
たぶんそれなりに寂しい別れ

寂しさを寂しく受け止めたい

冬のお見送りをしたくて
火鉢にあたり半纏を着て
それから
吐く息の白さを硝子に溜めて
指で書いた冬の日のできごと

今度いらっしゃるときは
お迎えに行きますね