citron voice

詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

第二詩集『暁を踏み割ってゆく』が刊行されます

2017-01-31 18:53:45 | 主な仕事の記録
そらしといろ詩集『暁を踏み割ってゆく』(ふらんす堂)
定価2,000円(税抜き)


ふらんす堂オンラインショップにてご予約を受けつけております。
ふらんす堂オンラインショップ

この詩集について、著者なりに紹介した記事を書きました。
詩集『暁を踏み割ってゆく』にまつわるよもやま話

この詩集について、ふらんす堂さんの編集日記で詳しく紹介されています。
詩作品が引用されており、試し読みにもなりますので、ぜひご覧ください。
ふらんす堂編集日記 【僕の喉が君のかたちになってゆく】






そらしといろ第二詩集『暁を踏み割ってゆく』(ふらんす堂)は、11月末に書店等で販売開始となります。

最速販売は11月23日(水・祝)に開催の文学フリマ東京です。
ブースは【稀人舎・オ51-52】になります。
持ち込む部数に限りがございますので、売り切れにはご注意くださいませ。
(ツイッターにてリプライをいただけましたら、取り置きいたします。 そらしといろ:@cv1016)

※11月23日の文学フリマ東京は終了いたしました。
お買い上げいただき、有難うございました。

『暁を踏み割ってゆく』は、BL、萌え、終末をテーマにした詩集です。
きちんと滅びるその日まで、萌え出る感情に寄り添って生きる、そんな感覚を持ちながら詩を書いていました。
表紙のイラストは漫画家の青井秋先生にお願いしました。
青井秋先生は現在、読売新聞で連載されている三浦しをんさんの小説『愛なき世界』の挿絵を描かれています。

担当編集者さんによる帯のコピーも格好良いのです
「彼らは/私たちは、終焉を目指す――それは、末広がる祭り。」
コピー内の「末広がる祭り」は、詩集に収録した詩のタイトルでもあります。
書店等でお見かけの際は、ぜひお手に取ってご覧ください。


【刀剣乱舞×詩】こぼれてしまう【 #刀剣詩 】

2017-01-27 18:08:29 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
鍛刀イベントでは来なかった大典太光世が、連隊戦イベントでやって来ました。
病魔を祓う刀として前田家へ伝来し、その霊力の強さから収めていた蔵には鳥も寄らない、という逸話があるそうです。
霊力でもって人を救う刀かもしれないけれど、病魔は確実に祓われて消滅してしまう。
ゲーム内でも霊力の高さを悩んでいるキャラクターのようで、強面な見た目とは裏腹に繊細な性格のようで、そのあたりを妄想しました。
タイトルは「こぼれてしまう」です。

………………

こぼれてしまう/そらしといろ

弱々しく絶えてゆく
病魔の息を聞いたか

彼らには毒の
清い力に苦しみ
倒れ伏す鬼を見たか

苦痛を与えない
つよい力をと願えば
小鳥の命を吸う

刀で
力で
清らかさで
救いきれない
あらゆる命が在る世界

無邪気な退魔のまじない
おにはそと おにはそと

苦しまないことを
望んだときから
すでに苦しい
掌をせめて
ひらいて

分け合う
苦しみから漂う
人肌の潮の未知の感覚を
愛しく想うのは
何故か

溶かして美味しい彫刻

2017-01-17 17:38:32 | 日記
詩集をまとめたあと、その次の作品をどんな雰囲気で、スタイルで書こうか、あれこれ考えてしまう。

私は運よく、2013年に第1詩集を出した3年後、2016年に第2詩集を出せた。
2013年から2016年の約3年の間に、たまたま、詩を断章形式で書く機会があった。
断章形式は、イメージを区切る場所が作りやすいことに気付いて、イメージのピントが合いやすい感覚があった。
それが、書くときに感じた心地よさで、このスタイルの作品を集めた詩集を作ってみたいと思った。

断章形式の作品は、言葉を額縁に入れるように、1から10までの番号を振ってみた。
今度は、額縁風の番号を取っても、凝縮した言葉が彫刻のように見える作品を書けたらなと、ぼんやりと思う。
あるいは、カルピスの原液みたいに、作品の言葉はギュッと凝縮しているけれど、読む人ごとに好みの濃度が味わえるような作品を書けたら、とも思う。
凝縮の濃さと、希釈の自由さを意識したい。

と言いつつも、詩を書きながらまた別の雰囲気を見つけるかもしれない。
萌えの気持ちが詩を書く原動力というのは、たぶん変わらないと思う。
とにもかくにも、詩を書くということは、私が生きていることになる。
詩を書きながら、この世界を生きようと思える日が、一日でも多くあったらいいなぁ、と今は思う。

※私が繰り返し言う萌えという感覚・感情は、綺麗とか可愛いとか素敵とか、あらゆるときめきを凝縮した言葉だと、勝手に想定して使っています。

【刀剣乱舞×詩】火のような知恵【 #刀剣詩 】

2017-01-13 18:16:07 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
昨年の秋に鍛刀イベントで実装された小烏丸、弊本丸では運よくお迎えできました。
桓武天皇が八咫烏から授かった太刀という逸話から、小烏丸と名付けられたそうです。
八咫烏は神や太陽の化身だそうで、小烏丸は宇宙的な刀だなぁとも思います。
ゲーム内のキャラクターとしては、日本刀の父として振る舞う稚児のような少年です。
神話を背負っているからこそ、永遠性の象徴のように少年の姿の父なのかな、と妄想しました。
タイトルは「火のような知恵」です。

………………

火のような知恵/そらしといろ

ひかりのなかで焦げてゆき
影へ与えられた漆黒の渇き

それが遠い日の分岐点

潤む火より産み落とされ
焼きつくすことに等しい
影の渇きが地を侵略した

仰々しい影を得た日

 れ
 されたものの
残響に包まれながら
僅かに微笑んだとおもう

そこからの分岐点の尖端に
生まれたものは
死者のような永遠を持って
寂しそうに笑う

 潤む火の
 落としものであった
 この身を拾った
 手へ負わせた
 火傷の鈍い痛みこそ
 鋭利に研ぐべきだったか