citron voice

詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

【お知らせ】ポエケットに参加します【開催情報】

2015-06-30 16:13:11 | 日記
第19回 ポエケット
日時:2015年7月5日(日)
午前10時から午後4時半まで
料金:入場無料
場所:江戸東京博物館1階会議室
ゲスト:橘上、Simo-yang(しもやん) 男性詩人二人

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ということで、7月5日のポエケットに参加します。
私は当日、【稀人舎】さんのブースでお手伝いをしています。

当日の販売物は、稀人舎さんのブログから引用すると下記の通りです。

☆…☆…☆
【双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら paper version 2】
【稀人舎通信】のバックナンバー(6号、7号、8号、改1号、改2号)と、
川口晴美さんとそらしといろさんの【詩は萌えているか!?】
川口晴美さんの既刊詩集、そらしといろさんの既刊詩集も並べます。
☆…☆…☆

新刊は【双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら paper version 2】です。
稀人舎さんのブログの記事には、【双花町について~2】を手作りする過程、どういう風に編集されて、印刷されて、製本されていくかが掲載されています。
本の内容の作者ではなく、本の形にしていく方の作者の、頭の中を見せていただいた感じで、面白いです!

今回、拙詩集『フラット』はポエケット価格・1冊2000円で販売いたします。
他、『アニポエvol.1』を無料配布する予定です。

私自身、ポエケットは去年一度行ったきりなのですが、色々な詩誌や詩集が販売されていて、あわよくば作者にも会える、アットホームな雰囲気です。
イベントとして、ゲストの詩人の朗読もあります。
7月最初の日曜日、お気軽に遊びにいらしてください。

【刀剣乱舞×詩】そう、刀は主を守ってこそだよ。【 #刀剣詩 】

2015-06-26 15:56:19 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
とうらぶをプレイする前からビジュアルで惹かれたキャラが、にっかり青江でした。
長髪、少したれ目な目元、名前と共にミステリアスな雰囲気、それだけでお気に入りでした。
何やら幽霊を斬ったと思ったら石灯籠を斬っていたとか、幽霊騒動のある城ににっかりをお迎えしたら幽霊が出なくなったとか、様々なオカルトエピソードを持つ彼は、暑くなるこれからの季節、涼しさを提供してくれそうですね!(笑)
で、オカルト青江なら、主の心もお見通しだろうなぁという、散文詩的なものを書いてみました。青江式護心術。そして読みづらくてすいません、ぺっこり土下座orz
タイトルは「そう、刀は主を守ってこそだよ。」です。


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そう、刀は主を守ってこそだよ。/そらし といろ

目に映るものと存在の関係性について、主の暮らしていた世界ではずいぶんと揺らいで、いや、歪んでいたように思えるけれど、主はこのおかしな時空のねじれの中で、神や妖怪のような僕らを、その目に映して、その手で魂を呼び出して、手入れをしてくれて、そう、触れられる、不確かな存在の僕らが主とおそろいの肉を持っているというのは、本当に不思議なことだよね、だって僕らって肉に触れたことはないんだ、触れるなんて優しいことはしたくても出来なかったからさ、触ったと思った時には骨の髄に噛みついているし、あれは恐らく魂の味かな、なんて言えるのは今こうやって肉やら骨やらを得たから言えるわけで、とにかく魂が喉を通過していくあれは、一瞬は焼けつくように熱いんだけど、過ぎてしまえばまた恋しくなる、そうやって少しずつ、刀として、刃として存在するべき魂を、魂から得ていたわけで、でも魂って目に見えるものじゃないでしょ、主は自分の魂を見たことがあるかい、ないよね、あったらあったで、ここにいる、もっと神様に近い連中が祓ったり清めたり薙ぎ払ったりしていたかもしれないよ、それはともかく、目に映るものを大切に出来ないものたちが目に映らないものを大切に出来るとは思えない、っていうのが僕の考えだけど、主は僕らを本当に大切に扱ってくれるし、想ってくれているのが伝わってくるから、でも、それでも時々ね、目に映らないからって自分の魂をないがしろに想っていることがあるよね、ごめんね、僕ら、というより僕には見えてしまうんだ、魂が肉の器から剥がれかけている様子が、時々だけど、あれは剥がれかけているのか、剥がしているのかとても微妙なところで、いずれにせよ、自分を守るために自分の存在を希薄なものにするのはいけないよ、そういう時こそ、神様に近い連中の方が役立つのかもしれないけれど、いかんせん、彼らの抜き身は大きすぎるからね、あ、抜刀した本体のことだよ、主には彼らを抜刀出来ないと思うから、ほら、僕は脇差だけど小ぶりの打刀と同じくらいには大きいからさ、自分を守るために切り捨てた方が良いものもあるってことを、忘れがちだよね、主の暮らしていた世界の人々って、なんだかみじめに切腹しそうな人が多そうだ、そういうのって刀としても残念だし、他の道があったはずだって思わなくもない、刀ってやっぱり、主を守るためのものだと思うんだ、目に映らないからって主の肉の器に入っている魂をおびやかす輩が居れば、繋がりを断つべきだよ、心に携えた僕を抜刀してね、主もいずれ肉の器から滅びる、その時が来るのはまだまだ先のことであってほしいけれど、そうそう、刀で切った魂は刀の魂になるって言ったでしょ、だけど、僕は主の魂を僕の魂へ取り込みたいとは思えないんだ、これも僕の優しさだと思ってくれたら嬉しいな、最終的にはね。

三山トリオ オー マイ ガット ~ライブで詩の朗読をしました~

2015-06-25 15:31:39 | 日記
昨日、下記のライブにて詩の朗読をしてきたので、レポートいろいろ。

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6月24日(水曜日)フライングティーポット
「三山トリオ オー マイ ガット」
開場/18時30分 開演/19時00分
料金1500円+オーダー
出演順
1.西山博和
2.山口茉莉
3.山田庵巳
場所:Cafe FLYING TEAPOT 東京都練馬区栄町27-7 榎本ビルB1
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ライブのタイトルからも分かるように(笑)、山に縁のある三者三様の、ガットギターでの演奏が聴けるライブでした!

にしやまひろかずさんは、私が現代詩手帖へ投稿をしていた頃からの読者で(!)、このブログを経由してオフで会ったのが、3年くらいまえのことだったかと。
にしやまさんは、ギターの弾き語りをしている方なので、今回のライブでは、私が書いた詩へ音楽を付けてもらった作品を歌っていただきました!
「ベリルの灯台」というタイトルの、詩は短いのですが音楽はたっぷりとある仕上がりになっていました。
自分一人で完結していた詩の世界へ、音楽と言う扉を付けてもらえて、また次の一歩を踏み出したくなりました。
昨日のライブでのにしやまさんの声は銀色でした。

山口茉莉さんは、小ぶりのギターを爪弾きながら、空気へ溶け込むような優しい歌声の持ち主でした。
切ない歌詞を、悲しくなりすぎないように歌う声色が個人的に好みで、名刺がわりにとCDをいただいてしまって、CDで繰り返し歌を聴けることが嬉しいです。
ライブでは、今は音信不通の友人が作った歌(アザラシ、というタイトルだったかな)も歌われて、それも山口さんの弾き語りに合っていて良かった。
誰かの歌を誰かが歌い継いでゆくのを目の当たりにして、なんだかうるっとした。
透き通る水の中で歌っていそうな、水色の声という印象でした。

私は山口さんの演奏のあとに、詩を二編、朗読しました。
朗読したのは『詩は萌えているか!?』に書き下ろした「ハイビスカス・レイン」と、にしやまさんに後日、音楽をつけていただく「歌枕」。
ライブの間に朗読するのは初めてでしたが、お客さんの心に言葉が入っていったようで、あとから感想をいただけて嬉しかったです!

山田庵巳さんは、八弦ギターで弾き語りをされる。
八弦だからベースの低音が増えて、ギター一本とは思えない深みのある音楽が特徴的で、最初に演奏された機関車タウンという曲は30分近い大曲だった!
さながらお芝居でも見ているかのような歌い方で、効果音のようなギターの弾き方を組み込んでいて、こんな弾き語りは初めて聞いたのでした。
そのあとは短い曲を演奏されていて、良い意味でのギャップが強烈な方でした。
機関車タウンが夜のイメージだったからか、メタリックな黒と眩しい黄色が交互に表れるような声だと思いました。


ライブの終演後、会場となったフライング・ティーポットのご主人と、出演者の皆さんでお茶をしながらお話しをしました。
……詩も音楽もタイトルをつけることが難しくて、でも引力のある言葉を探していること。
……一人で活動することが向いている表現と、色んな人と組んで活動する方が良い表現のこと。
……企画を成功させることのむずかしさ、大切さについて。
山田さんとは、帰りの電車内で話した「詩人は大勢の輪に入っていった方が良い。」というお話しは、心へ鋭く突き刺さりました。
詩人同士で集まって何かするのも方法の一つだけど、別の分野の輪の中へ詩人が入っていった方が可能性を見つけられるんだと思う。
音楽の輪の中へ入らせてもらった、昨日のライブが私にとってはそういう経験になりました。

色んな色のエネルギーをいただいて、ちょっと押しつぶされそうになったけれど、つぶれる寸前からしみ出す言葉を拾ってみようと思う。




【刀剣乱舞×詩】いかすために きるのです【 #刀剣詩 】

2015-06-18 19:22:06 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
今回は、今剣の視点で書いてみました。
今剣の刀としての逸話に、昔は6尺5寸(約195cm)の大太刀だった、というのがあるそうです。
現存していない刀なので、歴史上における今剣の存在そのものが、ふわっとしている感じがあります。
でも、彼は大太刀から短刀へ小さくなったからこそ、源義経の守り刀になれたんだなぁと。
鯰尾藤四郎骨喰藤四郎は、元は薙刀だったけれど脇差へと磨上げられたそうで、今剣も含めて、彼らが元の姿へ戻ることを望んでいて、もしもその望みが叶ってしまったら、歴史改変になってしまうんでしょうね……。
さて、タイトルは「いかすために きるのです」です。

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いかすために きるのです/そらし といろ

時間は流れると言う
流れを受けたものは
日々わずかに削られながら
小さくなるのが自然なこと

分岐している
道の向こう側を
背がたかかった日の
澄みわたる空気をかきわけてもみえなかった

そのときに しらなかったことも あるんですよ

ひとの
ふところへ だかれるように
かくれて しのびこんだ 
しんぞうが しずかに なみをうつこと
このなみを おだやかに まもりつづけたい

あのひ 
    みえなかったものは
    みたいとおもったものは
                うみ
                   だったのかもしれませんね

うみをかかえた あなたのなみを とめたのは ぼくだったけれど

いま ぼくにも 
ちいさな うみが あたえられて
あのひから こんなに とおいところへ ながれついて
うなばらを たびする ふねの こころをしったような
おだやかな なみに みをまかせて

つぎは どちらへ かじをきりましょうか



【刀剣乱舞×詩】鳩を飼い馴らす【 #刀剣詩】

2015-06-13 17:52:31 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
前回の刀剣詩は審神者と刀のいる風景でした。
今回はいよいよ(?)刀視点、大和守安定で書いてみました!
私は初期刀が蜂須賀虎徹、チュートリアルでの鍛刀が乱藤四郎で、そのあとの鍛刀の記憶は既にあやふやなんですが。
まだ打刀がそろっていないような初期段階での鍛刀で、印象深かった出来事がありました。
それは、二振り同時に鍛刀したら、加州清光と安定が一緒にやって来たことです。
両方とも新選組の沖田総司が使っていた刀ということもあって、やっぱり君たちは二人で一つなんだねと、思わずにはいられない出来事でした。
タイトルは「鳩を飼い馴らす」です。

………………

鳩を飼い馴らす/そらし といろ

長いこと眠っていた
鋼の冷たさも
鮮血の重みも
全身から抜け落ちてしまいそうな

瀬戸際に
あたたかい手のひらが
掴んでくれたのは

赤い視線を背に受けて
振り向いたところに
懐かしい鏡がいる
(なぁんだ、ねぇ、
 でも、初めましてかな。)

兄弟でもない
二人の手のひらを重ねる
指の股へ
互い違いに絡ませた
細長い指の先で赤い爪は

しなやかに
この手首を締め付けてくれた
芯が軋むような
抜き身への
初めての痛覚を
お前にも与えてやりたいから

(あぁ、どうしてお前は赤を纏うんだ。)
(そんな、痛そうな色は脱いでくれよ。)

襟巻をほどけば人の急所は頼りなくあって
耳を寄せればお前も僕も赤に囚われている

【刀剣乱舞×詩】ゆるしあって、それから。【 #刀剣詩】

2015-06-06 19:24:33 | 二次創作詩=漫画/アニメ/ゲーム×詩
刀剣乱舞を詩で二次創作してみた前回に引き続き、今回も審神者視点での刀剣詩です。
前回はどちらかというと、審神者になってから日が経った審神者の視点のつもりで書きました。
今回は、その審神者が審神者になった頃の視点、という感じです。
個人的に、私の初期刀が蜂須賀虎徹だったので、彼を作中に配置しました。
タイトルは「ゆるしあって、それから。」です

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ゆるしあって、それから。/そらし といろ

(お天道様が見ているんだよ。)

天井へ移り住んだ
池の面を遊ぶ光に
見下ろされている

隣に控える近侍の
藤色の長い髪のまぶしさが
直視することをやわらかに拒んでいる

自分が生まれた時代の
空気が急激に遠のいて
清らかな酸素が豊かすぎる
ここでは息をするように
生きることがうまくできない

「終わったみたいだね。」
破壊からの再生を期待して
作られた武器の魂は危うい

傍らの神様を
愛して 忘れて 滅ぼして
蘇らせる神様のような人
を繰り返し作る神様
からの警告に
見下ろされている

晴れの日が続く、境界と境界の狭間。
人ではない彼の人の形をおそれずに、
一人の人として、まずは髪を結ってやりたい。