『テレヴィジョン・シティ/上・下』長野まゆみ/作
<<Arianac>>を解読してみた。
日本語の文法も説明出来ないし英語もトラウマがあって不得手だけれど、全くの知らない言語を相手にしようと心がけて辞書を引くと、色々考えながら文字を日本語の言葉のレベルに翻訳しようと唇が動き出した。
この作品で突如現れる暗号は、とある熱心な読者が作ってくださった解読の手引きサイトを参考にして取り組んだ。
とりあえず辞書を一冊だけ用意して、そこから先は、自分が作品の人物や人物ならざるものと同じポジションに降り立って、“同化”することを楽しむに限る。
ところで、作中の劇中話“アーチィの夏休み”に登場するアーチィ少年は、これから始まる夏休みのバカンスを楽しみにして、家族旅行の旅支度に忙しい。
そして私も今日から山形県へ家族旅行に行く。旅支度に忙しい、私もアーチィ少年のように、何を旅先へ持っていくか、何冊かの本と、ノート、ペンケースを一まとめにした。
山形県と言えば、私の中では
スタジオジブリ作品『おもひでぽろぽろ』
の舞台の印象が強い。
妙子が小学五年生の“私”と共に、小学五年生だった“私”が憧れた田舎は、OLとして働く妙子と微妙に噛み合い、微妙にちぐはぐで、テーマソングの『愛は花、君は種子』が何かへと導いてくれる。
パイナップル、バナナ、紅花、蔵王、有機栽培、熱海の大野屋、ひょっこりひょうたん島、分数の割り算、厳しい父に叩かれた一度きりの頬、育み始めた想い……。
山形県には初上陸する。
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雨の音声と晴れた海辺のビジョン
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