クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

日本のマンガはなぜ人気なのか

2007年11月25日 | 世界に広がるマンガ・アニメ
以下の文章(★★★と★★★の間)は、専門家集団によるブログ、メディアサボールの中のひとつの記事

日本を夢見るフランスのコスプレイヤーたち ─第8回ジャパン・エキスポ(Japan Expo)2007

からの引用です。フランスの第8回ジャパン・エキスポ(2007年)のレポートとしても参考になりますが、わたしは下の引用箇所に興味を持ちました。

★★★

日本のマンガがここまで受け容れられた背景には、欧米のコミックとのマンガのストーリーづくりの違いにある。顕著な相違点は、「強くもなく、特別でもない主人公が、試練と努力を重ね、強く成長していく」というところだ。

欧米のコミックの主人公は、特別な才能を持っていたり、タフだったりと、いかにもヒーローらしい主人公が多い。無敵の主人公に憧れるタイプのストーリー展開になっている。

その点、日本のマンガの主人公は、落ちこぼれだったり、不良だったり、ごく普通の学生だったり、と最初からヒーローでない場合が多い。マンガを愛読するフランスの少年少女達は、自分自身をマンガの主人公に自己投影して、話にのめりこんでいくのだ。頭が柔軟な彼らにとり、生活や文化の違いよりも、マンガに登場する主人公に共感できるかどうかが、一番のポイントになる。

売上が右肩あがりのマンガ人気だが、フランスの出版社には大きな悩みがある。マンガは、出版界の売上の約30%を占めるほどの大きな市場に成長しているのに、ほとんど全ての作品が日本からの輸入に頼っていること。フランス発の人気漫画家はまだいない。

★★★

わたしが興味をもつのは、日本のマンガの人気の秘密が分かっていながら、それと同じような面白さをもったフランス人の人気マンガ家が育っていないという点です。上の記事では、日本のマンガの主人公が、弱いごく普通の子供から、悩みながら成長するプロセスが描かれる場合が多いようです。それで、自分自身をマンガの主人公に自己投影して、話にのめりこんでいくことができると分析されています。

しかし、だったらフランスの作家も、そういう主人公をマンガで描けばよさそのなものです。日本のマンガ人気の秘密は、もう少し別のところにもありそうな気がします。

いつかも書きましたが、もしかしたらそれは、日本人が庶民レベルでもっている世界観、人生観がマンガという媒体に投影されており、そこがフランスの若者たちにも共感されているのかも知れない。とすれば、単にストーリー構成や技巧を真似たりしたdけでは、日本のマンガの人気に匹敵するフランスマンガの誕生は、なかなか難しいでしょう。

日本人の庶民のライフスタイルには、大宗教、大思想に強く縛り付けれた一神教的世界から比較的自由な、かなりエネルギッシュで創造力に溢れた文化が息づいているのではないでしょうか。日本の内側から見ていると、なかなかそれに気づきにくいのですが、外から見るとその文化がもっている価値が分かる。

宗教やイデオロギー同士が深刻にぶつかり合って戦争を繰り返してきた歴史に対し、教義や原理に縛られない自由さをもった文化。それは、もしかしたら「武器よりもポップを!!」というメッセージを世界に広める意味をもっているのかも知れません。

そんな視点を、どこかで持ち続けながら、クール・ジャパンの実態に迫っていければと思います。

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