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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

ハンダ付けとは

2009-11-05 22:43:31 | 電子回路
ハンダ(半田)を熱で溶かしたものを、金属や電子部品の接触部に流し込み、電気的、機械的に接合する作業。溶接の一種であり、母材(銅箔パターンや電子部品のリード線)を溶融、一体化させて接合するため接着とはまったく異なります。
[溶融、一体化]:ハンダの錫(スズ)の成分が母材の銅に拡散(染込む)し合金をつくる。

【ハンダ】:Sn(錫)を主成分とし、Pb(鉛)、Ag(銀)等を含有した合金。
 
「共晶ハンダ」
Sn(錫)63%、Pb(鉛)37%の合金を一般に「共晶ハンダ」といいます。

「鉛フリーハンダ」
Sn-Ag (-Cu)を中心とした、鉛をまったく含まないハンダです。(Cu:銅)

共晶ハンダはSnとPbの含有量によって定まるSn-Pb系ハンダの1つです。添付の表にSn-Pb系ハンダの融点と固点を示します。

表に見るように、Sn63%、Pb37%のSn-Pb系ハンダは融点と固点がほぼ同じ温度であることがわかります。そもそも共晶とは、字のごとく液相がある温度で一気に2つの固相になる現象をいいます。よってSn-Pb系ハンダでも、63Sn-37Pb以外のものは共晶ハンダではありません。特にPb70%を超えるようなSn-Pb系ハンダは、「高温ハンダ」と称し大物金属の接合用として用いられます。
 
共晶の定義に基づくと、Sn-3.5Agの鉛フリーハンダも共晶ハンダで、共晶温度は221℃となります。Sn固体の融点は230℃、Pb固体の融点は327.5℃とかなり高いですが、これらを所定の割合で合金にすることにより184℃まで低くなるのですから、何とも不思議なものですね。

関連記事:
“ぬれ”と“毛細管現象”2009-11-13
ハンダ付けと熱容量 2008-12-18
共晶と鉛フリーは混ぜたらダメ 2009-11-04
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共晶と鉛フリーは混ぜたらダメ

2009-11-04 20:40:55 | 電子回路
共晶ハンダと鉛フリーハンダが混ざるとリフトオフ(熱間クラック)が発生し易い理由。

Sn-Ag:鉛フリーハンダ
Sn-Pb:共晶ハンダ
Sn-Ag-Pb:鉛フリーと共晶の合金

各金属の融点温度と固点温度
Sn-Ag:220℃(融)、217℃(固)
Sn-Pb:183℃(融、固)
Sn-Ag-Pb:175℃(固)


共晶ハンダにて製造されたプリント基板のハンダを除去した後に、鉛フリーハンダを用いてハンダ付けを行うと、図のように鉛フリーと共晶の界面にSn-Ag-Pbの合金層ができます。上記のように、Sn-Ag-Pb合金の固点温度は最も低いため、Sn-Ag、Sn-Pbの順に固体化した時点にてなおSn-Ag-Pb合金は液状です。固体化したSn-Ag、Sn-Pbが、Sn-Ag-Pb固点温度の175℃まで冷える間にSn-Ag、Sn-Pbはそれぞれに収縮するため(熱膨張の反対)Sn-Ag-Pb合金部に剥がれが発生します。これが、リフトオフが多発するメカニズムです。

関連記事:ハンダ付けとは 2009-11-05
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平和と平和維持軍

2009-11-03 17:34:10 | 思索
とある右派系テレビ番組「そこまで○って委員会」で、かの元(トンでも)幕僚長、田母神氏があたかも英雄であるかのように祭り上げられていた。国際問題について彼いわく、「話し合い話し合いというが、ならば相手が言うことを聞かなければ、話し合うぞ!というのか。お話にならん!」と憤慨しておられた。では「相手が言うことを聞かなければ、殴るのか?」と突っ込みたくなる。

まあ、それはともかくとして、国連平和維持軍(PKF)というものがあるが、これは言葉自体に矛盾がある。平和を実現維持するための軍隊。何か変ではないか?つまり平和は戦争の前提にあるということであり、自らを否定している「平和」の理念だ。しかし理念として確かに矛盾があるものの、実際はこの言葉の通りなのだ。過去のすべての戦争は、それが事実であれ口実であれ、「平和」や「正義」の名の下に行われてきたのである。

国際社会の一員として、国連平和維持軍に加わるのは当然であり、憲法を改正して自衛隊を軍隊にするという民主党や自民党。戦争および武力を放棄しなければ理屈上、世界から戦争を消滅させることはできない。だから憲法を守るとする社民党や共産党。どちらの言い分にも一理ある。実に難しい。

しかし個人的には後者の立場に賛成したい。旧ソ連のゴルバチョフと、当時のアメリカ大統領レーガンは身を削る思いで核軍縮を実現したではないか。これは冷戦を終結に至らしめたし、古くはガンジーが非暴力でインドを独立させた。奇跡的に思えることでも、実際に起こり得るのだ。

兄弟喧嘩をするお兄ちゃんと弟。叩かれては叩き返し、また叩かれては叩き返す。これではいつまで経っても喧嘩は終わらない。しかし兄弟喧嘩はいつの間にか終わっている。叩かれても我慢して、最後には叩き返さないのはいつもお兄ちゃんだ。

いつの日か、すべての兵器が地球上から消滅することを信じたい。
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iモードフルブラウザの料金

2009-11-03 14:46:54 | 思索
(2009/10/30付「docomo フルブラウザの注!」の再記です)

まず結論からお話します。
近頃のdocomの携帯電話には「iモードフルブラウザ」なる機能がおまけ?として付いてきます。これはPC専用サイトも詳細に表示できる高機能なものですが、料金システムについては明確に示されていないのが実情のようです。はっきり示されているのはiモード同様パケット数に連動することと、上限額が5,985円であることのみ。

とあるショップの店員さんは次のように説明してくれました。
「iモードフルブラウザで一度でも閲覧すれば、上限額(5,985円)に達すると考えてください」

これが結論です。

添付図に、パケホーダイダブル(iモード、およびフルブラウザ)の料金システムを示しました。iモードの上限である52,500パケットと、フルブラウザによる上限の71,250パケットとの差は18,750パケットです。18,750パケットをデータサイズに換算すると、18750×128=2400,000byte(2.4Mbite)になります。例えばPC向けYahooサイトのトップページは約200Kbite(らしい?)なので、10ページ程度の閲覧で上限に達することになります。

もう少し簡潔にお話しましょう。
iモードであれフルブラウザであれ「1パケット=0.084円」、これが基本です。そして使用したパケット数の合計が支払い額になるということです。これはiモードのみを使用しても、フルブラウザのみを使用しても、iモードとフルブラウザを併用しても同じことです。

ただし、いずれにせよパケホーダイなのですから「上限パケット数:上限額」が定めてあるということですね。iモードは52,500パケット:4,410円が上限で、単独で使用しようがフルブラウザと併用しようが、とにかく52,500パケット:4,410円です。同様にフルブラウザの上限は71,250パケット:5,985円ということです。単独で使用しようがiモードと併用しようが、とにかく71,250パケット:5,985円です。言い方を変えれば、iモードのみの使用の場合、上限は4,410円、フルブラウザを併用した場合は、上限は5,985円です。

図の例1はiモードをの上限を超えて使用し、フルブラウザもある程度使用した場合の支払額です。例2はiモードを30,000パケット:2,520円、フルブラウザを20,000パケット使用して、計50,000パケット:4,200円の支払い額になる例です。このような場合も理屈上ありえないことはありませんが、実際はどうかというと極めて非現実的と言わざるを得ません。

実際としては、iモードのみを使用しても月に52,500パケット(上限)以内に収まることは非常に希だと思われます。個人的な話で恐縮ですが、私の2009年8月の通信パケット数は207,604パケットでした。ということは1日あたり6,697パケットということです。感覚としては、1日平均10~20分程度、googleやWikipedia等を閲覧しているだけなのですが、結果はこうなります。

iモードのみでも、ライトユーズに使っていて楽勝で上限を超えるということは、まさに正直な店員さんのいう、
「iモードフルブラウザで一度でも閲覧すれば、上限額(5,985円)に達すると考えてください」

ということです。
中には上限を超えない方もいらっしゃるでしょう。しかしそれはケータイでは「インターネットを利用していない」に等しいと言えると思います。今のケータイは「電話機能の付いたパソコン」なのです。そう捉えなければケータイを持ち歩く意味は希薄になります。

docomoのパンフレットやカタログには、iモードフルブラウザの上限パケット数等、ここに記述したようなことはまったく明記されていません。よって私はdocomoは非常にけしからんと思います(他社も似たようなものかもしれませんが)。例えば我が家の家族が使用している機種F02Aはワンクリックでフルブラウザが立上ります。私が使用している機種もメニューの中に「フルブラウザ」があります。

確かにフルブラウザの「初回立ち上げ時」には、注意書きらしき文言がズラズラとでてきますが、これもPCにアプリケーションをインストールするときに、「同意する」「同意しない」を選ばされるのと同じこと。使いたいアプリをインストールするのに「同意しない」を選ぶ人はまずいないでしょう。長ったらしい注意書きやことわり事を全部読む人もたぶんいません。

分かりやすいハッキリとした説明がなく、「上限でとまるから安心」という雰囲気を漂わせながら、容易にフルブラウザが立上ってしまうような設計。これって、ほとんどワンクリック何チャラのようなものじゃない?

関連記事:パケホーダイダブルの実際 2009-11-08
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ATOKに感動

2009-11-02 14:47:45 | その他レビュー
MS-IMEのできの悪さ、特に最近のIMEのバカさかげんには、ほとほと呆れている。たぶんIMEの売りでもあろう学習機能の頭の悪さは特筆もので、変な風に変な風にと学習していく。近頃、「西日本」(にしにほん)という文字が変換できなくなった。仕方なく「西」と「日本」を別々に変換して何とか使っていたが、今度は「西」が変換できなくなった。「に子」とか「煮史」などと変換されるのだ。「西」は候補にもあがってこない。さすがに「東西」と変換して「西」を取りだすのもバカらしくなって(実際には怒りが爆発して)昔懐かしいジャストシステムのATOKを買いに走った。

インストールを終えてATOKを立ち上げると、その立ち振舞いの鮮やかさに感動の涙が出そうになった。これこれ、これですよ。まるでこちらの意図をくみ取っているかのような変換効率のよさ。その昔、まだWindowsも無かった頃、MS-DOSのフロッピーバージョンの「一太郎」を使って、まさにこの感覚で文字入力をしていたことを懐かしく思い出した。当時はワープロ本体にATOKを含めてフロッピーディスク一枚(1.44Mbyte)に収まっていたのだから、今思えばものすごい。

実は、ワープロも計算表も、そもそもOSもこの20年、実用レベルではそれほど進歩していないのだ。そんな風にも思えてくるようなATOKの素晴しさだった。
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人生に無駄はあるか?

2009-11-02 00:29:53 | 思索
「無駄」を国語辞典で引けば

「しただけの効果や効用のないこと。役に立たないこと。また、そのさま。無益。」(大辞林)

とあります。本来「効果や効用」「役に立つ」「無益」という言葉は必ず目的語を伴います。英文法で言えば”自動詞”ではなく”他動詞”ということですね。つまり「何に対してか?」ということです。独立して「効果がある」とか「役に立つ」というのはナンセンスですね。ワクチンは「ウィルスに対して」効果があるわけで、メリケン粉を溶かして飲んでも「ウィルスに対して」無駄ということです。

ということは、「人生に無駄はあるか?」という問いは「人生に目的はあるか?」という問いに等しいといえます。目的があるから無駄もあるわけですからね。

さて、そもそも「人生」に「目的」はあるのでしょうか?「こんな風に生きたい」とか「こんな仕事がしたい」というのは人生の中での一つの目的になり得ます。しかしそれは「人生そのもの」の目的ではありませんね。人生そのものの目的を探してみても、まず見つかりません。何故なら、人生に目的などないからです。
(テイルズ・オブジ・アビスはこのことを雄弁に語っている秀作です。)

ということは、「人生に無駄はあるか?」という問いに対して、「無駄はない」という回答が得られます。先にあげた、こんな風に生きたいとか、こんな仕事がしたいという目的に対して、もし無駄なことをしていても、それがその人の人生において無駄であるとはいえません。多かれ少なかれ、必ずこの先の人生に関連しているのです。

人生に目的など無い。つまり
人生に無駄など無い。
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クレヨンしんちゃん「暗黒タマタマ」

2009-11-01 15:05:35 | 音楽・映画
「暗黒タマタマ大追跡」

公開 1997/4/19
監督 原恵一

これも見事な作品。完成度は前作「ヘンダーランド」と双璧、いやむしろ熟成という点で本作が頭一つ越えているか。一般に、秀逸な前作を総合的に凌ぐのは至難のワザだと思われるが、よくぞやってくれた。製作スタッフに賞賛の拍手を送りたい。「しんちゃん像」をしっかりと固定したうえで、いずれ劣らぬ巧妙な組み立てが成されており、この両者が劇場版シリーズの中で最も「クレヨンしんちゃん的」作品と言えよう。クレヨンしんちゃん、ってどんなアニメ?と聞かれたら、この2本のどちらかを差し出せばいい。

とはいえ、主題はしっかりキープしつつ、内容は別物に仕上がっている。本作は「ヘンダーランド」よりもダークな雰囲気を漂わせ、ストーリーもシリアス。またすべての登場人物のキャラクタ造りと演技が素晴らしく、絶妙の味付けが施されている。細部まで入念に作り込まれていながら、アップテンポになると片時も見逃すことのできない手に汗握る、まるでコークスクリューコースターのような展開になる。途方も無いと思える強さの敵を最後には仕とめる主人公達の手法もお見事。それでもまだ終わらないということろはご愛嬌か。というような理屈はともかくとして、スーパー銭湯での追っ手の登場シーンに屈託無く笑わせてもらえれば、それだけでも本作を鑑賞する価値は十分にある。



フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』(クレヨンしんちゃん あんこくタマタマだいついせき)は、1997年4月19日に公開されたクレヨンしんちゃんの劇場映画シリーズ第5作目(映画化5周年記念作品)。本作品から監督が本郷みつるから原恵一へと変更となった。上映時間は99分。興行収入は約11億円。原作者の臼井儀人がタイトルを付けた最後の作品。また、臼井儀人が出演した最初の作品でもある。野原家の長女「野原ひまわり」の映画初登場作品。来場者プレゼントはひまわりの種が付いたノートだった。
コメント (5)
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