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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

共晶と鉛フリーは混ぜたらダメ

2009-11-04 20:40:55 | 電子回路
共晶ハンダと鉛フリーハンダが混ざるとリフトオフ(熱間クラック)が発生し易い理由。

Sn-Ag:鉛フリーハンダ
Sn-Pb:共晶ハンダ
Sn-Ag-Pb:鉛フリーと共晶の合金

各金属の融点温度と固点温度
Sn-Ag:220℃(融)、217℃(固)
Sn-Pb:183℃(融、固)
Sn-Ag-Pb:175℃(固)


共晶ハンダにて製造されたプリント基板のハンダを除去した後に、鉛フリーハンダを用いてハンダ付けを行うと、図のように鉛フリーと共晶の界面にSn-Ag-Pbの合金層ができます。上記のように、Sn-Ag-Pb合金の固点温度は最も低いため、Sn-Ag、Sn-Pbの順に固体化した時点にてなおSn-Ag-Pb合金は液状です。固体化したSn-Ag、Sn-Pbが、Sn-Ag-Pb固点温度の175℃まで冷える間にSn-Ag、Sn-Pbはそれぞれに収縮するため(熱膨張の反対)Sn-Ag-Pb合金部に剥がれが発生します。これが、リフトオフが多発するメカニズムです。

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