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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

田中龍作ジャーナル

2014-09-14 20:21:02 | Web News
安倍政権とメディア 戦前そっくりになってきた

田中龍作ジャーナル
2014年9月14日 12:38

日本を むしばむ 2大勢力をテーマにしたシンポジウムが13日、都内で開かれた(主催:メディア総研)。2大勢力とは「安倍政権」と「記者クラブメディア」だ。両者は互いを支え合っているから始末に負えない。

(パネリスト:岸井成格=毎日新聞特別編集委員/青木理=フリージャーナリスト/白石草=Our Planet TV代表/三木由紀子=NPO法人情報公開クリアリングハウス理事長)

政治記者歴40年の岸井氏は「安倍政権を完全に支えているのは讀賣新聞」とズバリ指摘した。

「政治献金の復活が示すように財界も安倍政権にすり寄っている」。そのため「日経新聞も安倍政権寄り」とした。岸井氏によれば、安倍政権を支えるグループは「讀賣」「産経」「日経」。

「讀賣、産経の特ダネは読むと官邸から流されていることが分かる。特ダネは取るものではなく、もらうものになった」。

「政権を明確に支持する新聞がこれだけ出てきたのは初めて」と岸井氏は憂う。「政権に批判的なのが朝日、毎日、東京。その一角の朝日が(誤報問題で)バッシングを浴びている」。

敵失に乗じているのが讀賣だ。フリージャーナリストの青木理氏によれば讀賣新聞の販売局は全国の販売店に「(朝日の誤報問題は)千載一遇のチャンス。A紙、A販売店を徹底的に攻撃せよ」と指示書を出しているのだそうだ。

自分を支えるメディアが自分の意に沿わぬメディアを叩く。安倍首相にとって、これほど有難いことはない。

こんな安倍政権の支持率が高いのはなぜか? 司会者が尋ねた。

岸井氏は「固定電話による聞き取り調査」と「メディアへの露出度」の二つをあげた。

「安倍首相は月に一回外遊に行き首脳会談をする。被災地にも足を運ぶ。露出度が高いほど好感度があがる」。

「電話調査」「外遊、被災地訪問報道」ともにメディアの手のなかにある。

安倍政権の要諦である人事も警戒しなければならない。

「内閣人事局で官僚の人事をコントロールできるようにした安倍政権は、日銀総裁、NHKも決める。次は新聞社の人事に口を出してくるのではないか」と岸井氏は危機感を募らせる。

もし実現すれば「安倍独裁」は完成の域に達する。

マスコミとタカ派政権が手を握った時、国家は一気に戦争への道を突き進む。昭和初期の歴史を見れば言うまでもない。
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原発事故調書19人分公開 情報入らず誤認の連鎖

2014-09-12 21:46:52 | Web News
原発事故調書19人分公開 情報入らず誤認の連鎖

東京新聞
2014年9月12日 07時01分

政府は十一日、東京電力福島第一原発事故をめぐり、政府事故調査・検証委員会が実施した故・吉田昌郎(まさお)元福島第一所長=二〇一三年七月死去=や菅直人元首相ら十九人への聴取記録(調書)を公開した。吉田氏は全電源喪失で原子炉の状況がほとんどつかめず、暴走する複数の炉への対応に翻弄(ほんろう)され、「絶望」と「焦り」に支配されていたと証言。官邸側でも、情報が入らず誤認の連鎖に陥っていた状況が浮かび上がった。

原発は、弁の操作やポンプの駆動、情報の収集まで電気で制御されている。事故対応マニュアルも全てはスイッチ操作を前提にしている。調書は、電源を失えば何もできない原発のもろさを証明している。

計器が次々と動かなくなり、吉田氏は原発の状況がつかめなくなった。一一年三月十一日のうちに重大事故に陥った1号機では、水位計を信じ、原子炉に水は十分あり、非常用冷却装置(IC)も動いていると誤認していた。

炉心が溶融し、放射線量が上がってきても水位はあると考え、「おかしい」「何か変なことが起こっている」との認識しか持てなかった。

複数の原子炉が並ぶ危うさも明確になった。

翌日、1号機で水素爆発が起きると3号機用の注水ホースが吹き飛び、切迫する現場から貴重な時間を奪った。十四日には3号機が爆発。注水の必要が出た2号機の注水ホースが損傷し「TAFに行く(核燃料が露出する)前に水を入れたくてしょうがなかった」という吉田氏をさらに焦らせた。まさに負の連鎖だった。

2号機への注水が遅れ、「本当に死んだと思った」というほどの危機に陥った。2号機はベント(排気)で格納容器内の圧力を下げようとしても、すぐに弁が閉まり、炉圧が高くて水も入らない。

「このまま水が入らないでメルト(炉心溶融)して、完全に格納容器の圧力をぶち破って燃料が全部出ていってしまう」

こうなると福島第一内は高い線量で作業はできなくなる。1、3号機の注水も止まり、各号機のプールにある使用済み核燃料も過熱していく。

「放射能が2F(福島第二)まで行って、四プラント(基)も作業できなくなってしまう」

菅首相(当時)の要請で原子力委員会の近藤駿介委員長(同)が試算した「最悪のシナリオ」そのものだった。十五日朝、2号機地下の圧力抑制室が損傷して圧力が抜け、注水を再開でき、最悪の状況は避けられた。

◆官邸「全員撤退」信じ込む

政府が公表した、政府事故調による菅直人首相(肩書はいずれも当時)らの聴取記録からは、東電からの情報不足も手伝った、官邸内の混乱ぶりが分かる。

菅氏は福島第一原発1号機でベント(排気)が実施されないのにいらだち、事故発生翌日の三月十二日朝、福島第一原発をヘリで視察しようとした。枝野幸男官房長官は「政治的パフォーマンスとしてやるなら、むしろマイナス効果の方が大きい」と進言。細野豪志首相補佐官は反対のニュアンスは伝えたが「あの総理にスイッチが入った」として明確には反対しなかった。

菅氏は「現地の責任者とちゃんと意思疎通したい。最終的な判断は私が背負う」と考え、飛び立った。

後に細野氏は「ベントを遅らせたかもしれない」と自責の念にかられたというが、福島第一の吉田昌郎所長は「全く(影響が)ないです」と聴取に答えた。

十四日夜に2号機が危機的な状況となり、東電が「全員撤退」との情報が官邸をかけめぐった。

実際には残っていた吉田所長は聴取に「全員撤退して身を引くということは言っていない」と説明。「必要な人員を除き」の部分を東電側が明言しなかったのが誤解の原因だった。

枝野氏は東電の清水正孝社長との電話内容について「間違いなく全面撤退の趣旨だった。自信がある」と強調。海江田万里経済産業相も清水氏の言葉を「全員だと思った」という。

細野氏は、吉田氏との電話で「これまで『大丈夫です。まだやれる』の返事だった人が、このときは弱気になっていたから、これは本当にだめかもしれない」と感じ、全員撤退だと信じ込んでいたという。

<政府事故調の調書>
政府事故調は吉田元所長を含め計772人から聞き取りし、2012年7月に最終報告書をまとめた。聴取した記録(調書)は非公開とされてきたが、政府は今回公開に踏み切った。特に吉田氏の調書は全7編で構成され、A4判で約400ページに上る。聴取は11年7月から11月まで約30時間にわたり、吉田氏が指揮を執った原発内の免震重要棟内と、事故対応拠点「Jヴィレッジ」で実施した。

<最悪のシナリオ>
福島第一で、使用済みも含め核燃料が次々と溶融した場合どうなるかを試算。横浜市の一部も含む250キロ圏まで避難地域が広がると予想している。このシナリオは今年5月に、福井地裁が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じる判決を出したときの重要な根拠として挙げられている。
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