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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

交流回路のまとめ②

2011-02-21 20:20:41 | 電子回路
【図の条件にて、ベクトルI(A)を求める】

合成インピーダンスは
Z={(R+jωL)× 1/ jωC}/{(R+jωL)+1/ jωC}
Z=(R/ jωC+L/C)/{R+j(ωL-1/ωC)}

各パラメータに数値を入れる。
Z=(8-j4)/(2+j2)

分母分子に共役複素数を掛ける。
Z={(8-j4)(2-j2)}/{(2+j2)(2-j2)}
Z=(16-j16-j8-8)/(4+4)
Z=(8-j24)/ 8
Z=1-j3    (これが本回路の合成インピーダンスである)

電源電圧、ベクトルVはV=10(V)∠0だから、求めるべきベクトルI は、
I=10 /(1-j3)
I={10(1+j3)}/{(1-j3)(1+j3)}
I=(10+j30)/(1+9)
I=1+j3   (絶対値と偏角は √10 ∠atan 3 =∠π/2.5[rad])


【交流の電力】
次に、本回路の消費電力を求める。
VI=10×(1+j3)
VI=10+j30

よって、有効電力P=10[W]、無効電力Q=30[var]である。
皮相電力Sは
VI=31.6[VA] [=√(10^2+30^2)]

関連記事:
交流回路のまとめ① 2011-01-21
ラジアンの話 2007-08-20
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電界と磁界の記号と単位

2011-02-14 19:57:59 | 電子回路
電荷[Q](電気量) C(クーロン) 1C=1A・s
磁荷[m](磁気量) Wb(ウェーバ) 1Wb=1V・s

電束[ ](電気力線) C(クーロン) 1C=1A・s
磁束[φ](磁力線) Wb(ウェーバ) 1Wb=1V・s

電界(の強さ)[E] V/m
磁界(の強さ)[H] A/m

電束密度[D]         =1C/m^2 [D=εE]
磁束密度[B] T(テスラ) 1T=1Wb/m^2 [B=μH]

キャパシタンス[C] F(ファラド) 1F=1C/V (クーロン/V)
インダクタンス[L] H(ヘンリー) 1H=1Wb/A

誘電率[ε] F/m(ファラド毎メートル)
透磁率[μ] H/m(ヘンリー毎メートル)

[電束密度D=εE 磁束密度B=μH]

*以上、V:ボルト A:アンペア

関連記事:
電荷と電気① 電池 2011-01-27
インダクタンスと磁気 2009-10-01
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電荷と電気③ 電気力線と電束

2011-02-06 16:15:57 | 電子回路
プラスに帯電した導体とマイナスに帯電した導体の間には「電界」が生じます。これを考えやすくするために、電界を「電気力線」で表します。これは磁気において、磁界を表す磁力線と同じです。

平行平板の電気力線は、距離が離れている場合は、平板内の電荷が均一に分布し、電気力線は放射状になり湾曲しますが、距離を非常に短くすれば正電荷と負電荷が引き合い、電荷が平板の向い合う面に集まります。電気力線は電荷1個につき1本と定義しますので、隙間の狭い並行平板間の電気力線の数は増加し、電気力線の形状はすべてがほぼ平行に(直線に)なります。

電気力線を総じて電束といい、単位面積あたりの電気力線の数を電束密度(D)といいます。つまり平板の面積が同じであれば、距離の離れた平板間より距離の短い平板間の方が、電束密度が大きいということです。これも、磁気における、磁束(Wb)や磁束密度(B)と同じです。なお、電荷の数と電気力線の数は1:1に対応しますので、互いに置き換えて扱うことが可能であることから、電束もQ[クーロン]で表します。

さて、静電容量C(F)は、C=εS/l です。(S:平板の面積、l:平板間の距離、ε:誘電率)
電界の強さをEとすると、電束密度(D)と誘電率(ε)との関係は次式で表されます。
E=D/ε  (D=εE)

*D=εE は  B=μH に相当します。
(B:磁束密度、μ:透磁率、H:磁界の強さ)


図のように平板間に絶縁体を入れると、電気力線の数(電束)は電荷の数だから変化しませんが、誘電率(ε)が大きくなるため、上式より電界の強さEが小さくなります。これをコンデンサとして考えてみれば、電界の強さEは電位差(電圧)ですから、絶縁体の誘電率によって静電容量が増えたのだということが分かりますね。
V=Q/C (Q=CV)  [空気:ε=1、マイカ:ε=2.5]

平行平板を電池などの電圧源に接続して平板を帯電させ、電界の大きさEを一定に保てば、D=εE より、絶縁体を入れてεを大きくすることにより、平板間の電束密度Dが大きくなります。この電束密度は平板間の電気力線の本数(電荷の個数)に一致しますから、絶縁体(誘電体)を入れることにより電荷Qが増加することを意味しますね。これもコンデンサの静電容量(F)の大小から納得できることです。

関連記事:電荷と電気② コンデンサ 2011-02-01
コメント (4)
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大手品師か大嘘つきか

2011-02-04 21:53:45 | Web News
週刊文春 2011/2/10号は 「小沢流手品のほんの一部」 と小見出しを付けて、次のような記事を載せている。

(以下)
カネの疑惑が浮上しては潔白を主張する。これまで白黒つかなかったのには理由がある。
「小沢氏には絶対違法行為はありません。仕掛けをつくっているからです」と言うのは、小沢氏の元側近と元後援会幹部だ。金脈づくりの手の内を知る彼らから、小誌は数回にわけて証言を得てきた。その一部を紹介しよう。

「公共事業の発注者が岩手県だとします。県に対して、“工事の情報を出せ”と言えば、口利きのための圧力や情報収集と問題視される。そこで、県が勝手に小沢氏サイドに情報を伝える仕組みを作ればいいのです。例えば、小沢氏側は事前に工事の設計事務所から、おおまかな情報収集だけをしておく。そして、小沢派の県議に“どこそこの工事には問題があるから調べておけ”と命じます。その県議は、県庁の職員に対して、“親分が何か問題があるんじゃないかと言っていたぞ”と一言いうんです」

すると、県庁側は驚いて、小沢事務所にすっ飛んでいき、勝手に工事情報を一方的に喋る。そうして工事の全容がわかると、今度は小沢事務所側が業者に情報を渡すというカラクリだ。

「業者は感謝して手数料を出す。力ある政治家としての立場を利用した手口です。巧妙なのは、自らは何もしないこと」(同前)

だから、小沢氏は側近たちに口を酸っぱくしてこう命じたという「口利きは絶対にするな」。正論だが、手数料は迂回して流れ込む。

「業者Aが“小沢先生には工事でお世話になったから、手土産をもっていきたい”と言っても、小沢氏側は“いやいや、いらないから”と必ず言います。そして“うちには何も持ってこなくてもいいから、経営が大変なBさんに都合をつけてやってくれ”と言う。そして業者Bに電話して、「あとでAさんがそちらに五千万円もっていくから“と伝える。BはAから金と仕事をもらう。表面上、小沢氏とは何の関係もないBが、小沢氏側にその金を渡すため、贈収賄にはならない。マネーロンダリングの一種です」(同前)

昨年四月、小誌は迂回したカネを小沢氏の事務所に運んでいた業者Bにあたる元経営者からも裏付けの証言を得た。また、カネを吸い上げるシステムは、岩手県内だけではない。

「ずいぶん昔に使った手口がある。それは沖縄県とか石川県など、小沢氏とは何の関係もない土地に、政治団体をつくる。小沢一郎の名前は一切表に出ない。政治献金を集めるためだけの政治団体です。ここに工事の三%の手数料を献金させていた。こうしたダミー団体から小沢氏の団体に寄付させる。これはのちに西松建設が作ったダミー団体のように、献金を洗浄するためです」(同前)

献金の仕組みを証言してくれた元後援会幹部は、「これは小沢流手品の一部。まだまだいろんな手を考えていた」と言う。元側近も、「弁護士にも相談しながらやっているから、絶対に逮捕されないカネ集めだった」と述懐する。

「多額の政治資金の流れは複雑で、奇異なものに見える。だからこそ検審が“起訴相当”としたわけです」(別の検察担当記者)

小沢氏が示す自信――。
それは小沢氏が潔白であるという証拠には、決してならないのである。
(以上)

さて週刊文春さん、自信に満ちてお書きになられたようですが、正直なところブッ飛びました。
小沢さんは手品師という主張。手品は、実は有るものを無いように見せる技ですね。もし、その実は有るものが裏金だったら、小沢さんは手品師であると同時に詐欺師でもあります。とするなら、小沢さんは当然にも犯罪者です。そして、その手品の仕掛けを、東京地検特捜部は見破ることができなかったけれども、我ら週刊文春の取材班はみごと解明し、見破った、小沢は犯罪者だと断定する、とまあこう言っておられるわけですね。ホントですか?

まず、このように断定する証拠は、小沢氏の元側近と元後援会幹部と元経営者B、この3者の証言ですね。証言は証拠になり得るでしょうか。“小沢氏の自信が潔白の証拠にはならない”くらいに危くないですか。証言および証言の内容が事実であることの証明が欠如していると思います。試みに、この証言を事実と仮定してみましょう。そうすると、小沢サイドが受取ったカネは、業者が感謝して渡した手数料と、Bを経由して渡したAの手土産(\5000万)と、ダミー団体を経由して手に入る工事の3%の手数料、この3点ですね。記事によると最初の手数料は、小沢側が流した情報に感謝した業者による謝礼だから、これはタネも仕掛けもなく、もろ賄賂ですよね。この時点でこの記事は破綻していますよ。まあよしとして、次の手土産が実は賄賂だが見かけ上献金に見えるので、献金として帳簿に入金処理されているということですね。ここでまた最初に戻りますが、東京地検特捜部がこの仕掛けを見破ることができず、週刊文春に見破ることができたということは、特捜がなぜ騙されたかということも、文春は見破っていることになりますね。その説明がありません。元後援会幹部の人が特捜には証言しなかったが、文春には証言したということでしょうか。次のダミー団体を経由した工事の3%の手数料の記述は、西松建設が作ったダミー団体に言及していますが、西松建設の件は、ダミー団体ではなかったことが、すでに立証されていますよ。知りませんか?そして最後に、これも致命的なのは「多額の政治資金の流れは複雑で、奇異なものに見える。だからこそ検審が“起訴相当”としたわけです」という記述です。第5検察審査会が小沢氏を“起訴相当”とした理由、事情をまったく理解しておられません。私のような凡人にもこれくらいのことは見えるのです。文春さんはスペシャリストですよね。週刊文春がこの記事をもって、小沢は詐欺師だ!と断定されるのは、個人的にはいっこうに構いません。しかし私はこの記事をもって、週刊文春は大嘘つきだ!と断定します。

*「西松建設」のリンクはnoriyuki様のブログです
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電荷と電気② コンデンサ

2011-02-01 19:10:18 | 電子回路
電荷と電気① 電池
【コンデンサによる電荷のチャージ】

次に豆電球に付いているマイナス電極側の電線にコンデンサを挿入してみましょう。このときコンデンサは電荷を溜めていないものとします。またコンデンサのプラス電極側の平板を「A平板」、マイナス電極側の平板を「B平板」とします。

乾電池に電線を接続した瞬間に、プラス電極側の電線はプラス電極と同電位になり、マイナス電極側の電線とB平板はマイナス電極と同電位になります。そしてコンデンサは電荷を溜めていないのでA平板とB平板間に電位差は無く、よってA平板とこれにつながる電線の電位もマイナス電極と同電位になります。するとフィラメントの両端に1.5Vの電位差が生じることになります。

フィラメントは一種の抵抗線ですから、抵抗値=Rとすると、1.5/R(A)に相当する電荷(電子)がフィラメントに流れます。すなわち、コンデンサのA平板からフィラメントを経て電池のプラス極に電子が流れ込みA平板には相対的に正電荷が溜まり始めます。またB平板はA平板の正電荷に相当する(極性が釣合う)負電荷を溜めるために、電池のマイナス極から電子が供給され負電荷が溜まり始めます。すると、A平板の正電荷とB平板の負電荷によって、平板間に電位差が生じます。すると、その分フィラメントの電位差が小さくなり、電流が減少します。

このようにして、A平板の正電荷とB平板の負電荷は増加していき、平板間の電位差が1.5Vに達するとフィラメントの端子間電圧がゼロとなり、回路の電荷の流れ(電流)は止まります。コンデンサはこのようにして電荷(電気量)をチャージするわけですね。溜めた電荷の量はQ=CVです。Cの容量値(F)が大きいほど、また端子間電圧Vが大きいほど、多くの電荷が溜まるということです。

次に、電池を取去って電線を短絡(接続)するとどうなるでしょう(右図参照)。コンデンサが蓄えた正電荷と負電荷によって、A平板とB平板の電位差は1.5Vになっています。ということはフィラメントの端子間に1.5Vの電圧が加わり、コンデンサの正電荷が電線の電子を吸込み、負電荷が電子を供給して、電池を接続したときとは逆の方向に電流が流れ始めます。これによって、コンデンサの正電荷と負電荷は共に減少し、平板間の電位差が小さくなります。そして、蓄えていた正電荷と負電荷が無くなれば、平板間電圧はゼロとなって電流は止まります。これがコンデンサによる放電です。

乾電池は電荷を回路に供給しても、電池内部ですぐに電荷を生成するので、電流を流し続けることができますが、コンデンサの場合は溜めた電荷の量しか電流を流せないということですね。

関連記事:
電荷と電気③ 電気力線と電束 2011-02-06
電荷と電気① 電池 2011-01-27
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