hパラメータ
さて、では本番の「hパラメータとトランジスタ等価回路」といきましょう。
ハイブリッド行列(h行列)
上段の式がハイブリッド行列です。前出のZ行列と比べて、ioとvoが入れ替わっているだけですね。これを再び入換えるとhパラメータはすべてインピーダンスになります。まあ、当たり前ですね。
このハイブリッド行列を連立方程式に書き換えてみましょう。
vi=h11・ii + h12・vo ―――①
io=h21・ii + h22・vo ―――②
式①は入力電圧に関する、式②は出力電流に関する式です。
vi=h11・ii + h12・voより、「h11・ii」と「h12・vo」は共に電圧でなければなりません。よって、電流との掛け算で表される「h11はインピーダンス(Ω)」となります。h12は単なる定数です。
同様に、io=h21・ii + h22・voより、「h21・ii」と「h22・vo」は共に電流でなければなりません。よって、電圧との掛け算で表される「h22はアドミタンス(Ω-1 または S)」となります。h21は単なる定数です。(アドミタンスはインピーダンスの逆数)
h12・vo=0 にて、h11= vi /ii となり
h11 はインピーダンス(Ω)でありhi と表します。i(input)
h11・ii=0 にて、h12= vi / vo となり
h12 は電圧帰還率(電圧増幅率の逆数)と呼びhr と表します。r(reverse)
h22・vo =0 にて、h21=io/ii となり
h21 は電流増幅率でありhf と表します。f(forward)
h21・ii=0 にて、h22=io/vo となり
h22 はアドミタンス(Ω-1)でありho と表します。o(output)
hパラメータをまとめると
hi 入力インピーダンス(Ω)
hr 電圧帰還率(定数)
hf 電流増幅率(定数)
ho 出力アドミタンス(Ω-1)
中段の式は
定義したhパラメータを用いて、行列と連立方程式に表したものです。
さて、これをトランジスタのエミッタ接地増幅回路に適用してみます。エミッタ接地増幅回路では、hパラメータの末尾にeを添えて表します。よって、行列と連立方程式は下段の式のようになります。
vi=hie・ii + hre・vo ―――①
io=hfe・ii + hoe・vo ―――②
式①が入力電圧に関する式、式②が出力電流に関する式です。この式を用いて「等価回路」に置き換えたものが一番下の図です。
式①より、入力電圧 vi は「hie・ii」による電圧降下(vR)と、電圧源(vs)である「hre・vo」との加算値であることが明らかです。また式②より出力電流 io は電流源(is)である「hfe・ii」と、アドミタンスと電圧の掛算値(iR)「hoe・vo」との加算値であることが明らかです。
hoe・vo は少し分かりにくいですが、式を変形して hoe・vo= vo/(1/ hoe) のようにすれば、1/ hoe はインピーダンスですから、電圧/抵抗となって hoe・vo が電流であることがよくわかりますね。
関連記事:
「hパラメータとトランジスタ等価回路①」2009-11-06
2SC1815 のhパラメータ 2010-05-04
さて、では本番の「hパラメータとトランジスタ等価回路」といきましょう。
ハイブリッド行列(h行列)
上段の式がハイブリッド行列です。前出のZ行列と比べて、ioとvoが入れ替わっているだけですね。これを再び入換えるとhパラメータはすべてインピーダンスになります。まあ、当たり前ですね。
このハイブリッド行列を連立方程式に書き換えてみましょう。
vi=h11・ii + h12・vo ―――①
io=h21・ii + h22・vo ―――②
式①は入力電圧に関する、式②は出力電流に関する式です。
vi=h11・ii + h12・voより、「h11・ii」と「h12・vo」は共に電圧でなければなりません。よって、電流との掛け算で表される「h11はインピーダンス(Ω)」となります。h12は単なる定数です。
同様に、io=h21・ii + h22・voより、「h21・ii」と「h22・vo」は共に電流でなければなりません。よって、電圧との掛け算で表される「h22はアドミタンス(Ω-1 または S)」となります。h21は単なる定数です。(アドミタンスはインピーダンスの逆数)
h12・vo=0 にて、h11= vi /ii となり
h11 はインピーダンス(Ω)でありhi と表します。i(input)
h11・ii=0 にて、h12= vi / vo となり
h12 は電圧帰還率(電圧増幅率の逆数)と呼びhr と表します。r(reverse)
h22・vo =0 にて、h21=io/ii となり
h21 は電流増幅率でありhf と表します。f(forward)
h21・ii=0 にて、h22=io/vo となり
h22 はアドミタンス(Ω-1)でありho と表します。o(output)
hパラメータをまとめると
hi 入力インピーダンス(Ω)
hr 電圧帰還率(定数)
hf 電流増幅率(定数)
ho 出力アドミタンス(Ω-1)
中段の式は
定義したhパラメータを用いて、行列と連立方程式に表したものです。
さて、これをトランジスタのエミッタ接地増幅回路に適用してみます。エミッタ接地増幅回路では、hパラメータの末尾にeを添えて表します。よって、行列と連立方程式は下段の式のようになります。
vi=hie・ii + hre・vo ―――①
io=hfe・ii + hoe・vo ―――②
式①が入力電圧に関する式、式②が出力電流に関する式です。この式を用いて「等価回路」に置き換えたものが一番下の図です。
式①より、入力電圧 vi は「hie・ii」による電圧降下(vR)と、電圧源(vs)である「hre・vo」との加算値であることが明らかです。また式②より出力電流 io は電流源(is)である「hfe・ii」と、アドミタンスと電圧の掛算値(iR)「hoe・vo」との加算値であることが明らかです。
hoe・vo は少し分かりにくいですが、式を変形して hoe・vo= vo/(1/ hoe) のようにすれば、1/ hoe はインピーダンスですから、電圧/抵抗となって hoe・vo が電流であることがよくわかりますね。
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