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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

“ぬれ”と“毛細管現象”(ハンダ付け)

2009-11-13 11:07:05 | 電子回路
ハンダ付けの生命は“ぬれ”と“毛細管現象”といわれます。
ハンダ付けの基本原理は溶けたハンダが母材表面に広がり、母材と母材の間隙(接触面)に流れ込むことです。つまり溶けたハンダの母材表面への“ぬれ”と、間隙流入のための“毛細管現象”が重要であり、これらは溶けたハンダの表面張力に反比例します。ぬれは、ハンダ付けにおけるもっとも基本的な現象であり、ぬれを伴わないハンダ付けはあり得ません。

ハンダが銅箔パターン、及び部品のリード線にぬれることにより、富士山型のフィレット(ハンダ上げ形状)が形成されます。ハンダは毛細管現象により、スルーホールと部品リードの間隙に流入します。そして対面にもフィレットが形成されます。(左図参照)

もしハンダのぬれが悪い場合、右図のような状態になります。これは明らかにハンダ不良であり、ハンダコテの温度が低い場合や、加熱時間が短い場合に多く発生します。

温度不足や加熱不足により右図のようなハンダ形状になっても、内部にフラックスが十分残っていれば、再度ハンダコテを当てて、ハンダを適切な温度に上昇させることにより、ぬれと毛細管現象が発生し、左図のようなハンダ付け状態にすることができます。
 
この、ぬれの良し悪しを「ぬれ性」といいます。ぬれ性は、物質の流動性のみに起因するのではなく、例えば水であっても、ワックスのよく効いた車のボディーに対してはぬれにくく、油膜の剥げたボディーに対してはよくぬれます。これは感覚的に理解しやすいですね。

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