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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

作業安全技術

2008-08-29 22:14:31 | 安全・品質
工事や作業一般において、最も留意しなければならないことは、まず第一に安全の確保、次に品質の確保の2点であり、これに付け加えるなら作業効率の向上と言えるでしょう。よって作業安全技術者に求められるものは、計画されている工事の「対象物」「場所」「作業内容」「作業方法」等、全体を見渡して、どのような場所に、或いはどのような行為に危険要因が潜んでいるかを想定する能力と、それらを回避する手法を構想する能力であると言えます。

品質確保の場合は「危険要因」を「作業ミス要因」と置き換えれば、上の文章がそのまま当てはまります。多種多様な工事全般に対応できるこれら能力が個人に培われるのは長年の経験による安全知識(安全意識ではない)、品質知識(品質意識ではない)に基づくものに他なりません。「知識と意識」でも述べていますが、もしベテランの作業者よりも新米の方が事故に遭遇しやすく、同様にベテランの作業者よりも新米の方が作業ミスを起こしやすいとするなら、それは経験量に比例する安全知識の差、品質知識の差、故であるということになります。(意識はベテラン、新米共に高い。)

逆説的には、作業安全技術者である個人は、豊富な安全知識、品質知識を有しているということですから、ある特定の工事において、それを担当する作業者全員に対し、この工事の何処にどれだけの危険要因があるか、何処に作業ミスを起こしやすい箇所があるかを十分に伝え、それが全員に確実に伝わったかどうかの確認を行うことが必須となります。また、その前段に欠かせないこととして、工事開始から終了までの一連の流れは一つのシステムと見ることもできますので、優れたシステム設計をしなければなりません。

作業方法や、作業の並びはシステムの一部となります。このシステムは、安全の確保、品質の確保、作業効率等に密接に関与しますので工事の成否に関わる重要な問題です。例えば、数百分の一の確率でミスが発生すると仮定するなら、そのミスをスルーさせてしまわない関所(フェイルセーフ)を設けることなどは、システムの最重要項目の一つです。

蛇足ではありますが、工事の成功とは、「事故なく」「品質不良なく」工期以内に工事を完結することであることは言うまでもありません。
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