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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

獅子へ

2009-07-26 20:56:11 | 思索
「幸せ」の定義を、短い文章の中に言い表してるね。虫歯が痛いとき、これは明らかに「不幸せ」だね。これはすべての人に言えるだろう。歯医者さんに駆け込んで治療して、歯が痛くなくなれば、これは明らかに「幸せ」だね。これもすべての人に言えるだろう。でも、べつに歯が痛くない常日頃、人は「あ~幸せだ」と思い続けているわけではない。たぶんまったく思ってないだろうね。つまり幸せ(感)というのは常に不幸の裏返しとして起きるもので継続し続けるわけではない。また、幸せ(感)が継続し続けるのも、これまた困ったもので、常人ではないといえる。つまり「幸せ」とは、幸せとも不幸せとも感じていない、まさに今この時間ということになるね。でも、常々このことを「ありがたい」と思う必要もなく、時折ふと振り返ればそれで十分。とにかくポジティブにアクティブにワークすること。その過程には汗あり涙あり笑いあり感動あり、そして満足を経て、次のワークにとりかかる。いま人生のどの時点にいても、常にワークは待ってくれているからね。


「夢」なくとも

「夢」のない年寄を許してくれ。僕は今の自分を「夢」のない年寄だと思うな。というか、年寄は僕も含めて、すでに「夢」を達成しているんだよ。別に本気で大富豪になろうとも思わなかったし、ノーベル賞をもらおうとも思わずにここまで来たけれど、振り返ってみれば、たくさんの「小さな夢」を達成してきたんだとも思う。そんな「小さな夢」ならこの先にもきっとあるだろうね。年寄の僕にもね。君がいるからできる、君と一緒にやったから実現できた、そんな夢もたくさんあると思うよお。それは決して大きな夢ではないけどね。いいじゃないか、ちっぽけだって夢は夢だ。
(^^)
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CRCR 2次フィルタ

2009-07-24 14:23:20 | 電子回路
CR直列2段の特性計算は難しい、と尻込みすることはありません。
2次までなら淡々とやっていけば意外と簡単に解けたりします。

ではまず、CRCR2次フィルタの伝達関数を計算しましょう。
CRCRの2次フィルタは図のような回路ですね。2つの回路は同じもので視覚的に書換えてあるだけです。

それぞれの素子のインピーダンス(交流に対して電流を妨げる性質)は
R=R(Ω)
C=1/sC(Ω)
ついでに
L=sL(Ω)

よって本回路の入力E0からグランドまでの合成インピーダンスは

R1+(R2+1/sC2)(1/sC1) / (R2+1/sC2+1/sC1 )
[抵抗の直・並列計算ですね] 

R1とR2の接続点電圧をE2とすると

E2=E0[{ (R2+1/sC2)(1/sC1) / (R2+1/sC2+1/sC1 ) }
  /{R1+(R2+1/sC2)(1/sC1) / (R2+1/sC2+1/sC1 )}]

分母分子に (R2+1/sC2+1/sC1 ) をかけます
E2=E0{(R2+1/sC2)(1/sC1)}/{R1(R2+1/sC2+1/sC1 )+(R2+1/sC2)(1/sC1)}
 
分母分子に (sC1) をかけます
E2=E0 (R2+1/sC2) /{R1(sC1R2+C1/C2+1 )+(R2+1/sC2)}

分母分子に (sC2) をかけます
E2=E0 (sC2R2+1) /{R1(s^2 C1C2R2+sC1+sC2 )+(sC2R2+1)}
E2=E0 (sC2R2+1) /{(s^2 C1R1C2R2+sC1R1+sC2R1 )+(sC2R2+1)}
E2=E0 (sC2R2+1) /{s^2 C1R1C2R2+s(C1R1+C2R2+C2R1)+1}----- ①

フィルタ出力電圧をE1とすると
E1=E2 (1/sC2)/ (R2+1/sC2)
E1=E2 / (sC2R2+1)

これに式①を代入します
E1=E0 (sC2R2+1) /{s^2 C1R1C2R2+s(C1R1+C2R2+C2R1)+1}/ (sC2R2+1)
 
分母分子を (sC2R2+1) でわると
E1=E0 /{s^2 C1R1C2R2+s(C1R1+C2R2+C2R1)+1}
E1/E0=1 /{s^2 C1R1C2R2+s(C1R1+C2R2+C2R1)+1}----- ②解

この式②が伝達関数で、周波数特性(振幅特性、位相特性)を示しています。

ここで R1=R2 C1=C2 であれば
E1/E0=1 /{s^2 CRCR+s(CR+CR+CR)+1}
E1/E0=1 /{s^2 (CR)^2+s3CR+1} ----- ③解2

これは簡単になりましたね

振幅特性と位相特性を計算します。

s=jωとしてフーリエ変換する
E1/E0=1 /{(jω)^2(CR)^2+jω3CR+1}

このように複素数になりますから、絶対値を求めます。
E1/E0=1 /{-(ωCR)^2+jω3CR+1}
E1/E0=1 /{1-(ωCR)^2+jω3CR}
[E1/E0]=1 / √[ {1-(ωCR)^2 }^2+(ω3CR)^2 ] ----- ④

これが振幅特性です。
式④をエクセルに入力すれば図のような特性カーブが得られます。
(C1=C2=0.01μF R1=R2=35Ωとしています)


次に位相の計算(と言うほどのこともありませんが)

式④の分子が1の場合は
∠[E1/E0 ]=-tan(-1)(虚数部/実数部)

よって
∠[E1/E0 ]=-tan(-1)[ω3CR / {1-(ωCR)^2} ] ----- ⑤

これが位相特性です。
式⑤をエクセルに入力すれば図のような特性カーブが得られます。
(C1=C2=0.01μF R1=R2=35Ωとしています)


位相=-45°時点の周波数計算

-45°=-tan(-1)[ω3CR / {1-(ωCR)^2} ]
tan45°=ω3CR / {1-(ωCR)^2}
1=ω3CR / {1-(ωCR)^2}
1-(ωCR)^2=ω3CR
ω^2(CR)^2+ω3CR-1=0

2次方程式の、解の公式 {-b±√(b^2-4ac)}/ 2a より
ω=[-3CR±√{9(CR)^2+4(CR)^2}]/2(CR)^2

C=0.01μF R=35Ω であれば
ω=865k (rad/sec)
f=138k(Hz) ----- 解


カットオフ周波数(fc)の計算

fc における振幅倍率を-3dBとすると
1 / √[ {1-(ωCR)^2 }^2+(ω3CR)^2 ]=-3 (dB) 
1 / √[ {1-(ωCR)^2 }^2+(ω3CR)^2 ]=1/ √2 
√[ {1-(ωCR)^2 }^2+(ω3CR)^2 ]=√2 
{1-(ωCR)^2 }^2+(ω3CR)^2 =2 
{ (CR)^2ω^2 }^2-2(CR )^2ω^2+1+9(CR)^2ω^2=2
{ (CR)^2ω^2 }^2+7(CR )^2ω^2-1=0

解の公式 {-b±√(b^2-4ac)}/ 2a より 
ω^2={-7(CR )^2±√[{7(CR )^2}^2+4(CR)^4 ]}/2(CR)^4
ω^2=[-7(CR )^2±√{49(CR )^4+4(CR)^4 }] /2(CR)^4
ω^2=[-7(CR )^2±√{53 (CR )^4 }] /2(CR)^4
ω^2={-7(CR )^2±(CR )^2 √53 } /2(CR)^4
ω^2={-7±√53 } /2(CR )^2

ω=√(-7±√53 ) / (CR )√2

ωc=0.375 / CR
fc=0.375 / 2πCR  ----- ⑥

C=0.01μ R=35 であれば

fc=0.375 / 2π・0.01μ・35
fc=170.5kHz ----- 解

関連記事:
周波数変換(フーリエ変換)2009-07-12
部分積分(LCR回路)2009-08-04
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雷サージ発生回路(序)

2009-07-20 20:05:59 | 電子回路
雷サージ発生回路解析のための準備体操

EMCのイミュニティ試験等に雷サージ発生回路が使用されます。
実際の回路は添付回路図のe(t)と並列にもう1本抵抗が入ります。この追加される1本の抵抗によって、C2に一旦電荷が蓄えられた後、C1、C2の電荷が放電されて急峻に立上り、やや緩やかに立ち下がる雷サージ電圧を出力します。

雷サージ発生回路の過渡特性はかなり複雑なので、導入のために、ひとまず抵抗を1本取去った添付の回路の過渡特性を求めてみます。


まず方程式をたてます。

i(t)={q1(t)/C1-q2(t)/C2}/R
i(t)=q1(t)/C1R-q2(t)/C2R ----- ①

(初期条件: q1(0)=E0*C1  q2(0)=0 )

式①をラプラス変換します。
I=Q1/C1R-Q2/C2R ----- ②

dq1(t)/dt=-i(t)    [ q1(t)=-∫ i(t) dt ]
ラプラス変換すると
sQ1-q1(0)=-I
Q1=-I/s+q1(0)/s

dq2(t)/dt=i(t)
ラプラス変換すると
sQ2-q2(0)=I
Q2=I/s+q2(0)/s 

Q1とQ2を式②に代入します。
I={-I/s+q1(0)/s }/ C1R-{ I/s+q2(0)/s }/ C2R

初期条件より
I={-I/s+E0*C1 /s }/ C1R-I/s / C2R
I={-I+E0*C1 }/ sC1R-I/sC2R
I=-I/ sC1R+E0/ sR-I/sC2R
I+I/ sC1R+I/sC2R=E0/ sR
(1+1/ sC1R+1/ sC2R)I=E0/ sR

両辺にsRをかけて
(sR+1/C1+1/C2)I=E0 
I=E0 / (sR+1/C1+1/C2)
I=(E0 /R) / (s+1/C1R+1/C2R)
I=(E0 /R) / {s+(1/C1R+1/C2R)}

e^at ⇔ 1/ (s-a) の変換式に当てはめて
逆ラプラス変換します。

i(t)=(E0 /R) e^-(1/C1R+1/C2R) t
となりました。

次にe(t)を求めてみましょう。

dq1(t)/dt=-i(t)
q1(t)=∫-(E0 /R) e^-(1/C1R+1/C2R) t dt 
q1(t)=-(E0 /R) ∫ e^-(1/C1R+1/C2R) t dt 
q1(t)=-(E0 /R)[{-1/(1/C1R+1/C2R)} e^-(1/C1R+1/C2R) t+A] 
(Aは積分定数)
q1(t)={(E0 /R)/(1/C1R+1/C2R)} e^-(1/C1R+1/C2R) t-(E0 /R)A

e(t)=q1(t)/C1 
e(t)={(E0 /R)/ C1(1/C1R+1/C2R)} e^-(1/C1R+1/C2R) t-(E0 /R)A/C1
e(t)={(E0 / C1R)/ (1/C1R+1/C2R)} e^-(1/C1R+1/C2R) t-(E0 / C1R)A

分母分子にC1Rをかけて
e(t)={E0 /(1+C1/C2)} e^-(1/C1R+1/C2R) t-(E0 / C1R)A

初期条件より
e(0)=E0 
E0 /(1+C1/C2) -(E0 / C1R)A=E0 両辺をE0で割って
1/(1+C1/C2) -A/ C1R=1
C1R /(1+C1/C2) -A=C1R
A=C1R /(1+C1/C2) -C1R
A=C1R {1/(1+C1/C2) -1}


e(t)={E0 /(1+C1/C2)} e^-(1/C1R+1/C2R) t-(E0 / C1R)A
A=C1R {1/(1+C1/C2) -1} を代入する

e(t)={E0 /(1+C1/C2)} e^-(1/C1R+1/C2R) t
-(E0 / C1R) C1R {1/(1+C1/C2)-1}
e(t)={E0 /(1+C1/C2)} e^-(1/C1R+1/C2R) t-E0/ (1+C1/C2)+E0 
この式が意味が分かりやすい。

e(t)=E0 e^-(1/C1R+1/C2R) t /(1+C1/C2) -E0/(1+C1/C2)+E0 
e(t)=(E0 e^-(1/C1R+1/C2R) t-E0 ) / (1+C1/C2)+E0 
e(t)=E0 ( e^-(1/C1R+1/C2R) t-1) /(1+C1/C2)+E0 
これはエクセルに入力しやすい。意味もまあまあわかる。

求めたe(t)をエクセルでグラフ化したものが添付図です。
C2=C1であれば理屈通りe(t)/2に落ち着きます。
C2=3C1であれば青のグラフラインです。
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可飽和トランス (F-Vコンバータ)

2009-07-14 00:59:52 | 電子回路
可飽和トランスによるF-Vコンバータ


図のTaは可飽和トランスで、その鉄心には図に示すようなB-Hカーブが方形に近い特性のものを使用しています。この鉄心は、わずかな磁化力で磁束密度がほぼBmに達し、以降磁化力が増加してもほとんど磁束密度は変化しない特性をもっています。

Raは磁束飽和後の過大電流を制限するためのもので、飽和前における両端の電圧降下は、1次巻き線N1間の電圧に比べ無視できる程度に決めます。1次側に周波数f(Hz)の正弦波電圧Eaを加えると、磁束飽和前は、1次巻線両端の電圧E1はEaにほとんど等しく、飽和後は、E1はほぼゼロになり、EaはRa間に加わることになります。2次側巻線N2には、飽和前のみ電圧が発生し、飽和後には発生しません。

2次側電圧の瞬時値e2は、

e2=n2(dφ/dt)=n2(dφ/dθ)ω [V] -----①

ただし、n2=2次巻線数 θ=ωt ω=2πf

となり、図に示すようなヒズミ波形になります。θ1は飽和角で、電源電圧が大きくなると小さくなり、小さくなると大きくなります。この2次側出力電圧の半周期ごとの平均値Eav2を求めると、

Eav2=(1/π)∫[o π] e2 dθ=(1/π) n2ωφo
=2f n2φo 
=4f n2BmA [V]  -----② (式①参照)
 
ただし、
φo=BoA=2BmA[Wb]
Bm=飽和磁束密度[Wb/m^2]
A=鉄心断面積[m^2]

となって、電源電圧の大きさが鉄心を飽和させるに十分な値の範囲では、2次側出力電圧の半周期の平均値は、電源周波数のみに比例し、電圧の大きさには無関係になるということですね。
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周波数変換(フーリエ変換)

2009-07-12 19:52:28 | 電子回路
sinωtを1周期だけ定積分してみます。

F(ωt)=∫(0 2π) sinωt dωt 
F(ωt)=[-cosωt ](0 2π)
F(ωt)=-cos2π+cos0
F(ωt)=-1+1 =0

はい、このように0になりました。次に
cosωtを1周期だけ定積分してみます。

F(ωt)=∫(0 2π) cosωt dωt
F(ωt)=[sinωt ](0 2π)
F(ωt)=sin2π-sin0
F(ωt)=0-0 =0

はい、これも0になりました。
正弦波も余弦波も時間軸において、この1周期が延々と継続するものですね。

よって
∫[-∞ ∞] sinωt dt=0
∫[-∞ ∞] cosωt dt=0 です。

今度は時間波形(関数)f(t)=sin(ω/2)t+sinωt+sin2ωt を積分します。

F(t)=∫[-∞ ∞] sin(ω/2)t+sinωt+sin2ωt dt 
=∫[-∞ ∞] sin(ω/2)t dt
+∫[-∞ ∞] sinωt dt
+∫[-∞ ∞] sin2ωt dt
=0 ですね。

では f(t)にsinωtをかけて積分するとどうなるでしょうか?

F(t)=∫[-∞ ∞]{sin(ω/2)t+sinωt+sin2ωt}sinωt dt 

sin1/2ωt・sinωt=(cos3/2ωt-cos1/2ωt)/2 (積和の公式)
∫[-∞ ∞](cos3/2ωt-cos1/2ωt)/2 dt 
=1/2∫[-∞ ∞] cos3/2ωt dt-1/2∫[-∞ ∞] cos1/2ωt dt 
=0


sinωt・sinωt=(cos2ωt-cos0)/2 (積和の公式)
∫[-∞ ∞](cos2ωt-cos0)/2 dt 
=1/2∫[-∞ ∞] cos2ωt dt-1/2∫[-∞ ∞] cos0 dt 
=0-1/2 ∫[-∞ ∞] 1 dt 
=-1/2 [ t ] [-∞ ∞] 

sin2ωt・sinωt=(cos3ωt-cosωt)/2 (積和の公式)
∫[-∞ ∞](cos3ωt-cosωt)/2 dt 
=1/2∫[-∞ ∞] cos3ωt dt-1/2∫[-∞ ∞] cosωt dt 
=0

よって
F(t)=∫[-∞ ∞]{sin(ω/2)t+sinωt+sin2ωt}sinωt dt 
F(t)=0+(-1/2 [ t ][-∞ ∞])+0

となって、f(t)にかけたsinωt以外の周波数成分は消えてなくなりました。同様に

F(t)=∫[-∞ ∞]{sin(ω/2)t+sinωt+sin2ωt}sin(ω/2) dt 
=A+0+0

F(t)=∫[-∞ ∞]{sin(ω/2)t+sinωt+sin2ωt}sin2ω dt 
=0+0+A
となります。

つまり、関数f(t)が正弦波の和として表されるならば、任意の周波数の正弦波をf(t)にかけて積分することによって、任意の周波数成分のみが取出せるということです。

ここでフーリエ変換の式を見てみます。
F(ω)=∫[-∞ ∞] f(t)・e^-jωt dt ですね。

f(t)にかかっている e^-jωt とは何者でしょう。
オイラーの公式によって

e^-jωt =cosωt-jsinωt

右辺の複素数の絶対値は
[cosωt-jsinωt]=√(cos^2ωt+sin^2ωt)=1

絶対値=1ということは複素平面における単位円ですから、e^-jωtは複素領域における正弦波ということです。

フーリエ変換とは、正にf(t)に任意の正弦波をかけて積分しているということですね。
これが時間軸を周波数軸に変換するメカニズムなのでしょう。

関連記事:
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