1.無負荷状態
2次側を開放状態にして1次側に交流電圧v0を加えると励磁電流i0が流れ、(その起磁力によって)磁束φを生じます。この磁束φの変化によって、1次側にe1、2次側にe2の起電力が誘導されます。これらを式で表すと次のようになります。
(N1:1次巻数 N2:2次巻数)
v0=L1・d i0/dt [V] -----①
=N1・dφ/dt [V] -----②
(L1:1次側の自己インダクタンス)
e1=-N1・dφ/dt [V]
e2=-N2・dφ/dt [V]
v0の最大値をV0、i0の最大値をI0、磁束の最大値をΦmとすると次式のように置けます。
v0=V0 cosωt -----③
i0=I0 sinωt -----④
φ=Φm sinωt
e1=-E1 cosωt
=E1 sin(ωt-π/2)
e2=E2 sin(ωt-π/2)
(E1:e1の最大値、E2:e2の最大値)
以上の式より端子電圧vに対して起電力eは-180°の位相遅れ、つまり電圧と起電力は逆相の関係にあることが分かります。
式③④を式①②に代入すると
V0 cosωt=L1・I0・ωcosωt =N1・Φm・ωcosωt -----⑤
(cosωtは合成関数)
E1 sin(ωt-π/2)=-N1・Φm・ωcosωt
E2 sin(ωt-π/2)=-N2・Φm・ωcosωt
式⑤より
V0=ωN1Φm I0=V0/ωL1 Φm=V0/ωN1
(ω=2πf f:Hz)
よって、磁束Φmは電圧V0によって決まり、コアのμ(透磁率)に無関係であることがわかります。また周波数が高くなればΦmが小さくなるからコアの断面積も小さくてすみ、無線周波になるとコアが不要になります。励磁電流I0はL1に反比例するので、μの大きいコアを用いれば小さくなります。これがコアを用いる一つの理由です。
***
L1=N1φ/i0(1Aあたりの磁束鎖交数)
=(N1/i0)(N1・i0) / (b/μS)
=μSN1^2 /b
(b:コアの平均長[m]、S:コアの断面積[m^2])
関連記事:
「トランス(変圧器)の原理②」2009-10-22
「起電力と電圧」2009-10-16
2次側を開放状態にして1次側に交流電圧v0を加えると励磁電流i0が流れ、(その起磁力によって)磁束φを生じます。この磁束φの変化によって、1次側にe1、2次側にe2の起電力が誘導されます。これらを式で表すと次のようになります。
(N1:1次巻数 N2:2次巻数)
v0=L1・d i0/dt [V] -----①
=N1・dφ/dt [V] -----②
(L1:1次側の自己インダクタンス)
e1=-N1・dφ/dt [V]
e2=-N2・dφ/dt [V]
v0の最大値をV0、i0の最大値をI0、磁束の最大値をΦmとすると次式のように置けます。
v0=V0 cosωt -----③
i0=I0 sinωt -----④
φ=Φm sinωt
e1=-E1 cosωt
=E1 sin(ωt-π/2)
e2=E2 sin(ωt-π/2)
(E1:e1の最大値、E2:e2の最大値)
以上の式より端子電圧vに対して起電力eは-180°の位相遅れ、つまり電圧と起電力は逆相の関係にあることが分かります。
式③④を式①②に代入すると
V0 cosωt=L1・I0・ωcosωt =N1・Φm・ωcosωt -----⑤
(cosωtは合成関数)
E1 sin(ωt-π/2)=-N1・Φm・ωcosωt
E2 sin(ωt-π/2)=-N2・Φm・ωcosωt
式⑤より
V0=ωN1Φm I0=V0/ωL1 Φm=V0/ωN1
(ω=2πf f:Hz)
よって、磁束Φmは電圧V0によって決まり、コアのμ(透磁率)に無関係であることがわかります。また周波数が高くなればΦmが小さくなるからコアの断面積も小さくてすみ、無線周波になるとコアが不要になります。励磁電流I0はL1に反比例するので、μの大きいコアを用いれば小さくなります。これがコアを用いる一つの理由です。
***
L1=N1φ/i0(1Aあたりの磁束鎖交数)
=(N1/i0)(N1・i0) / (b/μS)
=μSN1^2 /b
(b:コアの平均長[m]、S:コアの断面積[m^2])
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