以前に桐島洋子の「林住期」を読んだことがあり、今ではかなり一般的に知られるようになりました。最近五木寛之が改めて「林住期」を出されました。作家は熱心な仏教信徒でもあり、どの本を読んでも心に沁みるような深い味わいを受けます。
「林住期」は子育ても終わり、人生の折り返し地点に立ちわが身を振り返るとき、さてこれからどう生きていくかを考え実行していく周期だと書かれていて、それが50歳から75歳までだとあります。この思想はインドのヒンドゥー教から生まれているもので、人生の周期を「学生期(がくしょうき)」「家住期」「林住期」、そして「遊行期」と四住期に分けています。
問題は「林住期」です。職場を離れ、話す相手も少なくなり、加齢が重なって独りぼっちになりそうな行く末を想像したとき、うら寂しい人生しか描けないようではあまりにももったいない気がします。ぼくもこの期の中に入っていますが、常に好奇心を失わずに、人と会い、少しでも社会のお役に立てる間は何かを発見し続けていきたいと思っているのです。この本を読んでさらにうなずく自分でした。
やさしいタイガー
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