9時というのは「すすきの」にとってはまだ宵の口かもしれない。先日会合に出た後、誘われてスナックに行った。1年以上も行っていないので、ちょっと腰が引けたが、せっかくの交わりの機会だと思い、数名の中に加わって1時間半ほど楽しんだ。すでに自分ではオーバードリンクなので、水割りを一杯ほんのなめる程度で過ごした。周りはヘビードリンカーばかり。着物をはんなりと着こなした品のあるミドルのホステスは、巧みに話題の中に加わったり、またうまく褒めたりして持ち上げてくれる。
たった数名なのに、二つに分かれたような形で、こちらはぼくの子供のような年齢の企業の社長が、これからの子育てについて機関銃のように質問を浴びせてきた。まだ2歳の男の子だという。ぼくは自分の子育ての経験だけを話し、理詰めの話をしなかった。こんな席でも父親として将来を考えると、男の子ゆえに不安が一杯なんだと思う。真面目腐って応えるぼくもいささか座を堅苦しくしたかもしれない。話に割り込んできたホステスが盛んにぼくの子育てに褒めちぎるのである。面映い気持ちだった。もうその頃は酔いも冷めていた。表に出たらタクシーやら気分は天国みたいな人のふらつく足元、大声で話す人でごったかえし、久しぶりに賑やかな夜の歓楽街をみた。たまにはこんな賑やかな夜を楽しむのも一興だ。夜風に当たりながら歩いて帰った。
やさしいタイガー
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