いっぱいのコーヒーに心を注いで

　「ちょっと、パパこれ飲んでみて」と妻がなんともいえない香りのするコーヒーを運んできてくれました。コンピュータの手を休め、カップから匂うふくよかな香りを味い、それから一口。適度に広がる酸味と苦味は口の中でうまく溶け合うような味わいです。「これは旨い！」と思わず口をついで出てきました。疲れたときのコーヒーの香りと味は格別のものがありますね。妻がミルでがりがりと豆を粉にして出来上がったコーヒーです。

　「あなたへの手紙」というコーヒー店の店主の自己紹介文が入っていて、読むとなかなか見事なエッセーでした。寝ても醒めてもいつかはコーヒー店をと夢見て５年ほど前に、何とぼくの家の近くに開店していたのです。妻が偶然にも見つけたようです。

　かの『手紙』にはこんな言葉が書いてありました。「カップ一杯の珈琲が生む、人それぞれの人生模様・・・珈琲とは、本来、美味しくて、楽しみ多い飲み物です。僕の珈琲で「ほっ」と一息。あなたが笑顔を見せてくれて、小さな幸せを感じてくれたら、と願います」　珈琲愛好者に最高の自家焙煎珈琲をと願う店主の熱情と優しさが伝わってくるようで、今度行ってみようと思っています。

やさしいタイガー