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巣立つ若者

2011-06-06 08:49:55 | 日記・エッセイ・コラム

 若者は次々と巣立っていくことは、素晴らしいことだと思います。先日、教員採用試験に合格した若者から、稚内の中学校に赴任したとの連絡をもらいました。この青年は、大学に入学した時から4年間、ぼくの講義を最後まで履修してくれた学生でした。卒業後、採用試験に失敗したが、北海道大学大学院に進学し、学問を更に深め、やや時間はかかったものの、本年度から晴れて教員になったというわけです。

 大学生の時から、教員を目指していただけに、ひとしお嬉しいことだろうと想像しています。ぼくは若かりし時、どうしても教師になりたくて、一切の就職を蹴って、ひたすら時を待ちました。それだけに中学校に採用され、登校初日のことを今も鮮明に覚えています。

 しかし、この野望は2年足らずで挫折しました。病には勝つことができませんでした。これでもはや教員の道はたたれました。それでもこのわずかな時間に出会った子供たちのことは生涯心に残っています。この子供達は今や60代を越えて老いの入り口に差し掛かっているのでしょう。

 さまざまな人生のドラマを作りながら、懐かしい中学校の想い出にふと耽る時、その想い出の中にぼくは存在しているのだろうかと、遠くに過ぎ去った日々を回想しました。今も元気で過ごしているのでしょう。

 若者の一通のハガキに、自分を重ねながら、こころから祝福してあげたいと思いました。

やさしいタイガー


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