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誤解を生みやすい日本語

2012-08-11 11:48:06 | 日記・エッセイ・コラム

 たった一言の言い回しが政争の具になるということは、いつもいやというほど見聞きしているのですが、そのために無駄に時間を浪費することへの無感覚にあきれ果てているのです。

 それにしても安易に使うがために、発信者と受信者の理解差が広がることってぼくたちの間でも起こりうることです。

 「近い将来(国会解散の時期)」と首相が発言したために、野党は一斉にこの言葉をめぐって反発したのです。それでは、と今度は「近いうちに」と変更しました。比較すると、普通は「近い将来」とは言わないものです。「将来は将来」なのです。

 けれども「近いうちに」というと、双方が忘れないほどの時間の間にとでも言うのでしょうか。それでもどうもぼくたちが使う挨拶の一部になっていて、互いに期待しているものでもないのです。

 こんな「あいまい語」で期待はずれと怒る人は少ないものです。呼吸でもあり、どうでもよい期待に過ぎないのではないでしょうか。それでも納得した3党の理解力はその程度です。

 「毅然とした態度で臨む」といった発言をしたのは、韓国大統領が、日本固有の領土といわれる「竹島(韓国では独島)」に了解も得ず上陸したという行動に対しての日本政府の抗議の表現です。

 仮にぼくたちが相手との人間関係をおかしくしていったとき、「毅然とした態度」をとるなどとはあまりいいません。けれども政治や外交関係ではよく使われるようです。いったいどのような態度なのか、国交断絶といったことにでもなればこれは大変なことです。

 日本語の持つ鋭さや厳しさをしのばせる言い回しはたくさんありますが、どうも国によっては使い分けているようにも思います。

 外交にはぼくたち市井のものはわからない複雑なこともあるのでしょうが、それにしても対立を助長する態度は少なくとも一国の宰相のとるべき行動ではないのは誰でもわかることですが、では日本政府はどうするつもりなのか、「毅然」という表現に何を含めているのか、どうもよく理解できないでいます。

 専門家も肝心なときに黙っていないで、政府関係者に建設的な助言をしてもらいたいな、と願っているのです。領土問題は相手のあることには違いないのですが、崇高な理念と具体的な未来計画の中で進めるのは、リーダーの大きな役割です。危険な道だけは作らないでもらいたいと願うばかりです。

やさしいタイガー 


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