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『徳川家康』第26巻

2022-03-08 13:35:11 | 本・雑誌
『徳川家康』(山岡荘八著)第26巻を読んでいます。
若き日に一度は読んだ本ですけれど。



完結編です。
読み始めたのはたしか昨年初め。だからすでに一年以上。
読む本はほかにもたくさんあって、その合間のことではありますが。
それでも一巻約500ページ。しかも小さな文字。
これは世界最長篇ギネス記録の本ではなかったかな?
あと少しのところまで来ました。
もうこんな長編を読むことは一生ないでしょう。
先に「あとがき」を読んでみました。こう書き出されます。

《昭和25年3月から書き出した「小説徳川家康」が、足掛け18年後の昭和42年の陽春に終わった。これを書こうとして準備にとりかかったのはその2年前からだったので、私の年齢にすると満40歳から60歳まで、とにかく「平和――」に一つの祈りをこめて書き継いできたことになる。(略)私はこれをまず、わが家の庭の一隅にまつる「空中観音」の霊に供える。空中観音は、昭和20年の春、私が鹿児島県の鹿屋飛行場から大空に見送った特攻隊の若人たちの諸霊である。諸霊よ、私はあなたがたに、「後を頼む!」と云われた言葉を忘れてはいない。しかし微力な文学の徒であった私には、こうした方法の供養しかできなかったことを、笑って許してくれるであろうか。》

その後のいろんな世界紛争のことが書かれていて、次の言葉へ。

《この小説を契機にして、いよいよ家康の構想した「戦のない世界(当時の日本)」が、いろいろと世界の照明をあてられることになればうれしい。》

《やがて彼の神霊の鎮座している日光の地は、トインビー博士の指摘のように、平和の聖地として世界中から見直される日が来るのではなかろうか。》


この後もう少し書かれていて、

 昭和42年3月29日 空中観音小堂において       山岡荘八 》

とあります。

昨今のロシア、プーチンによるウクライナ攻撃の報道を見て、「いまだに人間は…」と情けなく思っている今日です。

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