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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『民芸入門』増補

2019-02-10 17:02:46 | 宮崎修二朗翁
原稿を書くために一冊の本を入手しました。

『民芸入門』増補版。昭和61年刊。
これに宮崎修二朗先生が感動的な文章を載せておられます。
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別冊・コーヒーカップの耳 あとがき

2019-02-10 08:28:53 | 別冊・コーヒーカップの耳
別冊・コーヒーカップの耳
~塀のうちそと~
「あとがき」(草稿)

「塀のうちそと」の語り部、K谷A久氏と知り合ったのは、わたしが主宰する将棋会に彼が入会してきたことによる。いわば棋友である。その後、私の店「喫茶・輪」の定連客となり、毎日のように顔を見せるようになった。
カウンターを挟んでの彼の話は、私にとって驚くことばかりであった。先ず、その言葉に驚く。その世界の専門用語というのだろうか、チャカ(拳銃)、ヒネ(警察)、アンポンタン(覚せい剤)、イモヒク(びびる)、ドウグ(拳銃などの武器)、シゴト(犯罪)、カチコミ(殴り込み)、ユビチギル(指詰める)等々。そしてその言葉の後ろには、わたしのうかがい知れない世界が、黒々と尾を引いているのである。それをユーモアたっぷりに語ってくれる。興味の湧かないわけがない。いつしか私は、彼が語る話のメモを取り始めていた。
スキンヘッドの上に体重は優に90キロを超える。堂々たる体躯である。そして両の手の小指が途中から無い。胸のシャツの間からは、時にチョロッとマンガ(刺青)が覗く。会社(組)を辞めてから何年も経つというが、ただならぬ気配を辺りに漂わせていた。
しかし彼は、頭の良い人である。だからこそ、その世界で一応の地位にいたのであろう。腕力だけではない、いわゆるインテリヤクザである。読書と将棋が趣味だというのだ。しかし事情があって足を洗う。カタギに戻ったのである。そして自らを「やくざの落ちこぼれ」という。だからこそ私が興味を持つのかもしれない。やくざの勇ましくカッコいい話など、私は大して興味がない。人間の陰の弱い部分にこそ、興味が湧く。それを彼はユーモアを交えて語ってくれていたのである。
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