夕刻より「杉山平一さんを偲ぶ会」に行って来た。
大阪駅すぐそばの「ホテルグランヴィア・名庭の間」20F。
約200人が集う盛大な会だった。
わたしの席はお願いしておいた通り、後ろの方でありがたかった。
なのに、わたしの席を見た初美さんが「こんな失礼な席で…」と恐縮して下さった。「いえいえ、わたしが神田さんにお願いしていたのです。ありがたいのです」と申し開き?したことだった。ご家族は席順には関知してはおられないのだ。
少し早く着いたので隣の席を平原比呂子さんのために確保しておいた。テーブルだけが予め決められていたのだ。
来られて平原さん、「いい席ですねえ」とニッコリ。
司会は以倉紘平さん。人格者だ。
スピーチの最初は宝塚市長の中川智子さん。
良かった。心のこもったいいスピーチだった。政治家特有の舌先三寸ではない真心がこもっていた。こんな市長さん、西宮にも欲しいなあ。
あと、続々とスピーチが続く。
想像していた通り偉い先生が次々と。
それは仕方のないことなのでしょう。
けど中に胸を打つ言葉もあって、これは杉山先生のお人柄によるものだと確信する。
ああ、そうだ、木津川計さんのスピーチが良かった。木津川さんは元『上方芸能』の編集長で文化芸能評論家。ラジオの番組もお持ちで、杉山先生が亡くなられたあと、追悼の放送をされた。そのCDのダビングをわたしは初美様から頂いて聞いている。
木津川さんとは会が終わっての帰りにちょっと立ち話。そのCDのことも含めて「良かったです」とお話させて頂いた。もちろん木津川さんはわたしのことなんかご存知ない。
色んな人がスピーチをされたが、先生の教え子代表として阪上めい子さんがちょっと長めのスピーチをされた。まあ教え子だから持ち時間オーバーも許されるでしょう。
彼女とはブログ上でちょっと交流させて頂いたことがある。お姿に接するのは初めて。ブログ上で写真は見ていたが、その通りの美形だ。この人の話も先生の身近にいた人だけに良かった。
そして、何よりも誰よりも良かったのが、お孫さんの木股真理子さんの「おじいちゃんへの手紙」だった。
いいですねえ。
わたしは一番後ろの席で良かった。だれにも悟られずにハンカチを濡らしたことだった。
「わたしが悩んでいた時、おじいちゃんが『どんな悲しみも時間が癒してくれる』と言ってくれました」と。長文の手紙だったが、本当に良かった。みんな、みんな、じっと耳を澄まして聞いておられた。この話を聞けただけでも出かけて良かったと思う。
一昨日、宮崎修二朗翁をお訪ねしたとき、帰りに持たされた書籍の中にこれが。
「読んでごらんなさい、面白いから」と。
古い本かと思ったら、この9月に出たばかりのものだった。
近代、現代の詩についての文学史である。
宮崎翁は以前より、「今、詩を書いている人たちは、自分の詩を書くばかりで詩の文学史を勉強しておられませんねえ」と嘆いておられた。そのお言葉を聞く度わたしも後ろめたい気持ちになっていた。けど、努力が嫌いなわたしは、いくら言われても勉強しなかった。そこで、とうとう痺れを切らした翁は、わたしでも読みやすい本を買って下さったのだ。ぱらぱらとページを繰ってみたが今更翁が読んで勉強されるようなものではない。翁の中では常識の範囲内であろう。これならimamuraでも読めるだろうと買って下さったのだ。勉強させて頂きます。ありがとうございます。