ひげマスター・ciciありむらのおとぼけ日記(ブログ五七五) 

好奇心旺盛!趣味はHP作成、カラオケ、似顔絵、ギター、映画、作詩、etc。特技はスナック芸

エネルギー問題

2012-07-24 06:38:15 | Weblog
 福島第一原子力発電所の爆発事故以来、メディアや多くの市民の「脱原発」機運が高まっているが、確かに事故で被害を受けた住民の現状を考えると原子力発電は見直しをせざるを得ないと思う。
 しかし、いきなり「脱原発」を声高にして直ちに全ての原発を無くすのは今の日本にとって良い事なのか迷う。というのは北海道大学大学院教授で原子炉工学専門の奈良林直先生が月刊誌『WILL』に書いた『25年後の日本は今日のウクライナ』と題した小論文が心に留まったからだ。
 要約すると、1986年にソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所で起きた原子力事故の悲惨さは様々な報道で知らされてきたが、ソ連崩壊後のウクライナ政府がとった政策についてはあまり報じられていません。
 事故から4年後の1990年、原発事故を受けて、国内に「反原発」「脱原発」の風潮が高まり、国として「脱原発」に舵を切り、「同国にある12基の原発を全て停止」と「原子力発電所の建設凍結」が最高会議で決議した。
 その結果、輪番停電や数時間の停電が当たり前で数日間も停電になる事もあった。電気の供給不足で電圧が不安定になり機材のトラブルが続出。工場の生産はストップ、家庭ではロウソクの火で生活を余儀なくされ、暖房器具や冷蔵庫も作動しないなど生活や産業で不便が生じた。
 90年から93年の約3年間で経済が破綻して失業者の増加、アルコール中毒、精神障害を患う人たちが急増し、病死や自殺で命を失う人が多数続出したとか。
 原発を停止してからロシアから天然ガスを輸入していたが、経済破綻で燃料代も払えなくなり、その挙句には1993年10月に「原子力発電所の建設凍結」を撤回し、原発の再稼働に政策の方向転換をした。更に、3年あまりの経済の落ち込みと国力低下による惨状から反原発派が減り、原発の必要性を国民が再認識したとか。現在、ウクライナは15基の原発を保有し、2030年までには新たに2基建設する計画がある。
 奈良林先生は、単にチェルノブイリの悲惨を訴えるだけでは何も問題は解決しない。そして「脱原発」ありきでは日本が『第二のウクライナ』になりかねないと、大変な危惧を抱いておられる。
 大飯原発以外の44基を停止すると年間で3兆円弱の燃料費を外国に支払い、更に日本が燃料を買い漁る事によって世界の資源市場が高騰し益々コストは高騰し電気代が上がる。その上に鳩山元首相がCO2の25%削減の暴走発言をした為に超過分のCO2の排出権を他国に数兆円支払うハメになり更なる産業の空洞化に繋がる。
「経済を考慮して原発の再稼働やむ無し」と言えば、「人命より経済を優先か!」と批判する人がいるが、経済が破綻しては雇用もままならず、子供もまともに養育できない。人々の暮らしが疲弊するだけだ。
 私は日本の将来を総合的に判断すると、生産コストが現状維持、若しくはそれ以下の代替エネルギーや再生可能エネルギーにシフトして、徐々に原発を減らしていくのが最善と思う。

 一句:未来(アス)の為 熟慮しよう エネルギー
コメント
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