犯人捜し

　8日付の産経新聞夕刊トップの『石垣漁師・犯人捜しやめて』の見出しが目にとまった。
　記事を読むと、尖閣沖・中国漁船衝突事件のビデオがYouTubに流出した問題で、石垣島漁師らは違法操業を繰り返す中国漁船(多い時で100隻近く)などと日々対峙し、命がけで自分たちの生活を守ってくれる石垣海上保安部に畏敬の念を抱く一方、映像を隠し続けた政府の姿勢に反発。犯人捜しをしないよう求めていた。
　政府が事件を迅速に対応しビデオを公開していたら、このような問題は起こらなかった。また中国は日本への高圧的な態度がとれにくくなり中国国内での反日デモも起らなかったかもしれないし、日系企業の被害も無かったかもしれない。
　明らかに悪質な中国人船長を処分保留で釈放しながら、政府が国民に公開すべき情報を隠ぺいし、それを公開した日本国民を捕えようという魂胆が到底納得できない。「どっちの国民が大事やねん！」と声を荒げたくなる。
　菅首相は10月1日の所信表明で「我が国周辺地域に存在する不確実性・不安定性は予断を許さない」「受動的に対応するだけでは不十分」とした上で、「国民一人一人が自分の問題として捉え、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければならない」などと主張たのをお忘れか。
　それなのに中国に対しては受動的な「冷静」を協調して能動的な外交をしていない。ましてや「国民一人一人が自分の問題として捉え…」と言いながら領土問題と言う重要な情報を国民にひた隠しにする姿勢は矛盾していて、不用意な混乱を招いている。
　国民の殆んどはビデオの流出を歓迎している事を肝に銘じて犯人捜しをやめて、菅首相並びに政府は弱腰外交を反省して国民に謝罪をすべきである。

　一句：犯人(ホシ)捜し　やめてホシいと　民(タミ)願う
　謎かけ：犯人捜しとかけて、ボートレースと解く。どちらも(探偵、短艇)がします