えべっさん、商売繁盛は…

　昨日は妻と二人で近所の菅原神社へ残り戎に福を貰いに行った。
　「商売繁盛笹もってこい！」
　威勢のよい囃し声が昼下がりの境内に響き渡り、私の気分も高揚してきた。
　古いザルを返し本殿の前に進み鈴を鳴らし、パンパンと二拝二拍手一礼をして参拝する。
　そして両側に並んでいる福笹売り場を見渡し、好みの福娘の所へ新しいザルを買いに行った。
　去年のザルと同じ様な大きさのものを指定、福娘は値段を聞いてきますと奥の係員の所へ行った。
　「値段を書いとかんなアカンな」と妻に耳打ち。暫くして戻ってきた福娘は「1万7000円です」と云った。
　去年は1万円だった。よく見ると少し大きいような気もするがそんなに違いがない・・と思う。
　いきなり7000円アップはキツイので「1万円のザルはないか」と値段で指定した。
　福娘が持ってきたザルは去年のより心持ち小さい。不景気なのでこれで手を打った。
　縁起物の金俵や飾り物の小判、銭袋、お札、サイコロなどを付けてもらい帰宅、店の壁に飾った。
　さて店は残り福のご利益もなくメチャ暇。
　“商売繁盛”はえべっさんだけだった。

　一句：えべっさん　それはアカンで　一人勝ち
　フクを貰いに行ったつもりやったけど、不フクだけが募った。