乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

日本人が参加したラパチニブの臨床試験

2008年12月07日 | 病気・症状
たった6人ではありますが、日本人が参加したラパチニブの臨床試験の報告が出ました。


《乳癌脳転移に対するラパチニブの効果が日本人でも確認【癌治療学会2008】》

  2008. 11. 6  第46回日本癌治療学会総会

 脳転移したHER2陽性乳癌で、ラパチニブが脳の腫瘍を縮小させ、忍容性も高いことが、国際共同臨床試験「EGF105084」に参加した日本人のデータから明らかになった。10月30日から11月1日に名古屋市で開催された第46回日本癌治療学会総会で、癌研究会有明病院化学療法科の伊藤良則氏らが発表した。

 EGF105084試験は、脳転移のあるHER2陽性乳癌患者を対象としたフェーズ2臨床試験。トラスツズマブを含む治療と、脳転移に対する放射線療法の経験があり、脳の腫瘍径が10mm以上の患者に、ラパチニブ750mgを1日に2回投与した。2005年12月から2007年1月までに242人が登録され、このうち日本人は6人だった。

 解析が可能だった237人において、脳の腫瘍が50%以上縮小したのは19人(8%)、20%以上の縮小は50人(21%)に見られた。日本人6人では50%以上の縮小が1人、20%以上の縮小が2人に認められた。具体的には、8週目に縮小が認められたのは3人で、それぞれ85%、46%、15%の縮小だったが、別の3人では7~54%の増加が見られた。

 また日本人における有害事象は、グレード2の下痢が4人、グレード1の皮疹が3人、グレード1の頭痛が1人で、試験全体の有害事象の発生傾向と同じだった。

 これらの結果から、脳転移のあるHER2陽性乳癌において、ラパチニブの単剤投与は穏やかではあるが、効果は認められ、忍容性も高いとしている。

 また、この試験では、ラパチニブの単剤投与で進行した患者の場合、ラパチニブを1日に1250mg、カペシタビンを2000mg/m2を投与する拡大試験に移行する。52人がラパチニブとカペシタビンの併用療法を受け、腫瘍の縮小が確認されているが、日本人は拡大試験には参加していないという。
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この報告からは、日本人にもラパチニブが奏効するようですね。
副作用にグレード2の下痢が4/6人、試験全体の有害事象の発生傾向と同じっていうのは、困った副作用があるなあという気がします。下痢は不快だし、体力を奪われますから。

奏効率や副作用などが人種によって差があるかどうかは、今後、臨床試験に多くの日本人が参加してからということになりそうですね。
とりあえず副作用死がなかったし、希望が持てそうな薬ではあります。今後は単剤と併用剤の色々な組み合わせの報告に期待します。

そうしますと思う人、ここをクリックよろしくね

なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

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2 コメント

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ノーベル賞 (けえこねえ)
2008-12-09 12:40:37
 今日ノーベル賞の授賞式の映像見ました。感動です!やはり、英語を自在に使えないってのが、国際社会に参加し難くしてるんでしょうか?

 「個体差」や「人種」によって薬の効果に差が出るのですか?、、、そ~でしょうねぇ。データで示されると納得です。
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英語圏には負けてしまう (ノエル)
2008-12-10 11:45:55
日本人の研究にはノーベル賞級のものはいくつかあって、でも、英訳するのに手間がかかり、その間に英語圏の研究者が論文を出してしまう、、、ってこと、あるそうですよ。

乳がんではありませんが、他のがんの抗がん剤を開発した日本の製薬会社の例があります。日本人で臨床試験をし、そのがんに奏功すると結論づけ、夢の新薬として販売しました。
日本人の一部の人には奏功するけど、欧米人には予後に変化がなかったのです。人種により、薬の奏功に差が出たわけで。

しかもこの薬、日本人の中でも、性別や喫煙状況によっても奏功率に差がでました。個体差も影響する薬ってことになっています。

ですので、ラパチニブの日本人参加試験が奏功したことは、一途の光になるかもって望みが持てるかなあと私は思っています。
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